Killteam2023年冬データスレート私家日本語訳
大人気ボードゲームKillteamでは季節の節目ごとにデータの修正やバランス調整を行います。これはデータスレートにまとめられるのですが、既存の修正内容もまとめて記される都合で何が変わったのかちょっとわかりづらいです。(一応*で区別できるけど、・と見分けがつきづらいぞ)本稿で一緒にデータスレートを読み解き、なんとなく理解を深めていきましょう。
本稿では記号で記された距離表記を「mv」で行います。△は1mv、○は2mv、□は3mv、⬠は6mvとなります。よろしゅうね
1. 何が変わったんだろう?
色々なキルチームに修正やバフが入ったのですが、今回のバランスデータスレートには日本語版がありません。全手動翻訳機を時間外稼働させて対応します。GW公式訳に準拠して引用英文の下に太字で翻訳しますが、誤訳や誤記、その他もろもろの間違いがあるかもしれません。コメント等でご指摘いただければ幸いです。
前回のデータスレート(日本語版)を併用してお読みください。
今回のデータスレート(英語版)で手が入ったキルチームは以下のとおり。
コマンド
パスファインダー
ハンタークレイド
ウィルムブレイド
ファーストーカーキンバンド
カサーキン
エグザクション・スカッド
ケイオスカルト
フェルゴウル・ラヴェイジャー
ケイオスカルトとコマンド以外はバフという大盤振る舞いです。おれ、こういう調整すき。それでは内訳を見ていきましょう
コマンド
特殊戦術「コソコソ野郎」はバトル中1回のみ使用できる。また、この特殊戦術を使用した特務兵は第1ターニングポイント中態勢を変更することはできない。(偵察オプションで「潜入」を選択したとしても)
「コソコソ野郎」は偵察フェイズにのみ使用できる特殊戦術ですが、偵察フェイズ中はどのターニングポイントにも該当しないので、何度でも使用されうることがわかりました。これで穴を潰したワケですね。(バグみたいな話だけど、ボードゲームオタクはこうした仕様の穴を衝きたがるものです)
ボムスクイッグ特務兵の行動力上限(AP上限)を変更することはできない。
これはコムズボゥイのアビリティで行動力上限をバフされたボムスクイッグが、移動(6mv)+ダッシュ(3mv)+爆破範囲(2mv)合計して11mvのクソ広範囲を爆破できたため、調整が行われました。
この調整、さりげなく行動力上限へのデバフも防いでいるため、ケイオスカルトのマインドウィッチなどによる嫌がらせが事実上完封されました。かしこいぜGames Workshop
パスファインダー
特務兵の編成「MB3 レコン・ドローンを1体選択した場合、他のパスファインダー特務兵は10体までしか選択できない。」を削除する
過去のデータスレートに記載された「特務兵の編成:選択できる特務兵が 1 体少なくなる。」と併用され、パスファインダーキルチームはいかなる場合でも1体のリーダー(シャス=ウィ)と11体の特務兵で構成されるようになりました。表記はややこしいけど、内容はシンプルやね
ドローンコントローラー・パスファインダーがアビリティ「収束EMPオーヴァーライド」を獲得する。この特務兵が戦場に存在する場合、味方のドローン特務兵はハッチ操作アクションを実行できる。(ドローンの『人工知能』アビリティ第一項を無視する)
要するにドローンコントローラーが生きてればドローンがハッチ操作を行える、それだけの話です。戦術上わりと使いでがありそう
コルセア・ヴォイドスカー
特殊戦略「追放されし者」の必要距離を3mvに変更する(6mvではなく)。
クリティカルダイスがある場合に失敗ダイスを成功ダイスに変更する特殊戦略でしたが、距離の縛りが地味に厳しかったので短くなりました。それでも使いどころは限られそうだけど……
特殊戦術「恐るべき奇襲」もし対象となる味方特務兵が隠密態勢であった場合、即座に攻撃態勢に変更できる。
敵の移動終了後に突撃できる特殊戦術。つよい(確信)敵の行動を阻害する目的で使うといろいろ捗りそう
ハンタークレイド
命令教条「迎撃命令」の最適化要項を以下のように変更する。「味方ハンタークレイド特務兵が射撃攻撃を行う際、『攻撃ダイスのロール』ステップにおいて失敗したダイス1個をリロールできる」。
コンペンディウム時代のルールに戻りました。シンプル化ってやつです。これまでは失敗ダイスが2つないといけなかったんですねぇ
命令教条「防塁命令」の最適化要項を以下のように変更する。「味方ハンタークレイド特務兵に対して射撃攻撃が行われる際、『防御ダイスのロール』ステップにおいて防御ダイスを1個をリロールできる」。
これもルールのシンプル化です。これまでは失敗ダイスが2つないといけなかったんですねぇ(二回目)
命令教条「防塁命令」の非適合要項を以下のように変更する。「味方ハンタークレイド特務兵はダッシュアクションを実行することができない」。
やったぁ!万機神を讃えよ!これまでは移動力2mv減少だったので(機械)神アプデです。もうバランスデータスレート閉じていいよね
ウィルムブレイド
アビリティ「蜂起せし地下教団」の第2項を以下のように変更する。「この特務兵が命令中初めて白兵戦または射撃アクションを行う際、その命令中に態勢が隠密態勢から戦闘態勢に変更されている場合、または命令開始時にあらゆる敵特務兵に視認されていない場合、その白兵戦または射撃アクションの『攻撃ダイスのロール』ステップ中、ロール結果の中から出目を1種類選択し、その出目の攻撃ダイスを何個でもリロールできる(例: 出目2を選択した場合、攻撃ダイスのロール結果の中から出目2のダイスを何個でもリロールしてよい)。
どこが変わったか分かりにくいので抜粋すると、「命令開始時にあらゆる敵特務兵に視認されていない場合」これです。屋外の戦闘で敵特務兵から視認されない状況をつくるのは難しいですが、艦内戦闘ではかなり容易に実現できます。蜂起せし地下教団を何度も発動できるチャンス!もともと艦内戦闘に適性がありましたが、さらに環境を生かせるようになりました。もともと艦内戦闘みたいなゲーム(Deathwatch Overkill)出身だしな……
サンクトゥス・タロン特務兵の固有アクション「使い魔のソウルサイト」に以下の効果を追加する。このターニングポイント中、この特務兵が指定した敵特務兵と白兵戦を行うたび、『成功ヒットの解決』ステップにてクリティカルヒットを初めて解決した際、続けて通常ヒットダイス1つを解決することができる(もし通常ヒットダイスが存在しない場合は、クリティカルヒットダイスを解決してもよい)。
おそろしいバフがきました。サンクトゥスタロンは行動力上限が3あるので、使い魔のソウルメイト使って突撃して白兵戦をすればほぼ確実に9もしくは12ダメージを叩き込む蛮行をやってのけることができます。(クリティカル発生4+)ちなみに受け流しでもダイスを解決した扱いになるので、出目次第では攻撃ダイス2個を潰すこともできます。まあスタンがあるから普通にぶつけた方が便利だろうけど
ネオファイト・ヘヴィガンナー特務兵が以下のアビリティを獲得する。「重火器携行用補助具:この特務兵の装備する射撃武器の『重火器』スペシャルルールは通常とは異なるものとなり、『重火器』を有する射撃武器で『射撃』アクションを行う場合、特務兵は同じ命令中に6mv以上の距離は移動できない」。
コンペンディウムスペースマリーンの同名装備と同じ効果を獲得します。ウィルムブレイドキルチームは行動力上限をバフすることができないこともあり、ヘヴィガンナーは強力な火力を有するにも関わらず不遇でした。機動力が大幅に改善されたことにより、飛び出し撃ちなどで多くの敵を消し炭に変えてくれることでしょう。
ファーストーカー・キンバンド
クルート・キルブローカー特務兵のアビリティ『殺害命令』の使用において、敵特務兵を1体選択(視認する必要はない)した際、このターニングポイント中、以下の効果のうち1つを適用する。既存のもの(攻撃ダイス1個を成功ダイスとして自動保持)、連撃、クリティカル貫通1。
視認する必要がなくなったため、艦内戦闘でも使用できるようになりました。敵に応じて効果を切り替えるとよいでしょう。つまり、連撃です(諸説あり)
カサーキン
アビリティ『精鋭部隊』:ダイス1個の出目を変更したしたのち、攻撃ダイスを1個捨てた場合、エリートポイントを消費して追加のダイスの出目を増加できる。この場合、判定に失敗したダイスのみを増加させることができる。
つまり、攻撃ダイスに2個以上の失敗が出た場合は失敗ダイスを捨てることでもう一方の失敗ダイスにエリートポイントを追加できるというワケです。もともと射撃が強かったキルチームだけど、もっと強くなっちまったなぁ
カサーキン・リーコントルーパーの固有アクション『警護型アウスペクス』の2文目を以下のように変更する。「ターニングポイント終了時まで、味方カサーキン特務兵が射撃攻撃を行う際、選択した敵特務兵は遮蔽状態であるとはみなされない」。
これまでは特殊戦術「目標無力化」を発動しなければ遮蔽状態を無視することはできませんでしたが、CPなしで適用できるようになりました。やったね。
装備品「フォアグリップ」をカサーキン・ガンナーおよびカサーキン・シャープシューターも装備できる。その場合、2EPで装備でき、射撃武器に適用される。
警戒射撃で役に立ちそうなのはプラズマガンを装備したガンナーくらいかな……と思ったけど、艦内戦闘で防御射撃する時に使うんやね。メルタガンに積もうぜ、ヘヘヘ
エグザクション・スカッド
特殊戦術『執行命令』:バトル中初めて使用する際は0CP、それ以降は1CPで使用できる(複数回使用可能)。敵特務兵を指定する際、キルゾーン内の敵特務兵を指定できる(視線が通っていなくてもよい)
執行命令にバフが入りました。ありがたい……視線すら不要になったので、後方でラジコンを動かしたり、手錠を持たせてなんとなく敵を逮捕したりするといいんじゃないでしょか
以下の武器の能力値は2つから1つに統合され、スペシャルルールとクリティカルヒットルール両方を兼ね備える武器となる。(攻勢戦闘と防御戦闘の区別がなくなる)。
・アルビテス・プロクター・エグザクタント特務兵の「制圧用棍棒とアサルトシールド」
・アルビテス・サブダクター特務兵の「ショックモールとアサルトシールド」
元々(エグザクションスカッドの武器にしては)強かった近接武器が更に強化されました。まあ攻勢戦闘なんて使わなかったしな……
アルビテス・プロクター・エグザクタント特務兵の固有アクション「ナンシオ・アクィラ設置」(0AP)
これでやたら高い能力値をムダにせずに済みますね。検挙開始!
ケイオス・カルト
味方ケイオス・ディヴォティ特務兵が白兵戦を通じて変異する際、敵特務兵を無力化し、なおかつ自分が無力化されなかった場合のみ変異できる(ダメージを与えるだけでは変異することはできない)。
変異にナーフが入り、かなり条件が厳しくなりました。ダーク・コミューン特務兵の支援がなければ、達成することは難しいでしょう。
新たな特務兵に変異する際:新たな特務兵の負傷限界値は回復せず、元の特務兵の負傷限界値を引き継ぐ。その代わり、ミュータントへの変異ではD3+1、トーメントへの変異ではD3+3の負傷限界値が回復する。いずれの場合でも、最大負傷限界値を上回ることはできない。
これまでは死にかけのミュータントが最大体力(13!)のトーメントに変異しては破壊の限りを尽くしてきましたが、これでもう無茶はできなくなりました。たぶんケイオス・カルトへのナーフはこれで一段落するんじゃないかしら。
フェルゴウル・ラヴェイジャー
フェルゴウル・ラヴェイジャー特務兵が熱狂トークンを持つ間、目標の支配(目標マーカーなど)を判定する際、(あらゆる修正を受けたとしても)行動力上限を1とみなす。
これまでは狂乱トークンを獲得した時点でオブジェクトへの行動力上限は0扱いだったので、事実上のバフとなります。訳にちょっと違和感を感じた人はめざとい!じゃなくて良い観察眼です。原文では(after all modifiers)としているのを否定的な「あらゆる修正を受けたとしても」としたのは熱狂トークンを持つ特務兵に何かをしても判定に何ら影響しないことを強調するためです。異論は認めます。というかGWにやってほしいところです。
狂乱トークンを持つフェルゴウル・ラヴェイジャー特務兵を無力化する条件を記した文に、次の一項を追加する。「トークン獲得後の射撃攻撃によりクリティカルダメージが与えられた場合」(つまり、無力化されて射撃攻撃のクリティカル攻撃によって狂乱トークンを獲得した特務兵は無力化されない)
なんかややこしい文だけど、負傷限界値を0にした射撃と、狂乱トークンを持つフェルゴウル・ラヴェイジャー特務兵を無力化する時は、それぞれ別の射撃アクションを行う必要があるってワケです。ルールの明確化ってやつやね
2. ふわふわした総評
とりあえず全体的にバフが入ってよかったです。まさかカサーキンにも入るとは思わなかったけど。たぶん艦内戦闘での射撃キルチームのバランスに苦心してるんだろうね。これまで出したキルチームを大切にする姿勢やよし!ただ、やはり日本語のバランスデータスレートがないのは面倒くさいです。一応自分も翻訳者なので、こういうことはあまりしたくないな……というわけで次はちゃんと翻訳者の人を雇うか、必要ならわしに声をかけてください。たのんだぞ。それでは自分は塗りに戻ります。今週末Killteam会があるので……マタネ!