KILLTEAM2.0 はじめかたガイド
はじめに「KILLTEAM」とは?
「KILLTEAM」はキルゾーン(ゲームボード)上でキルチーム(部隊)を展開して勝利を掴む戦術級シミュレーションボードゲームです。
貴方は指揮官としてキルチームの特務兵たちを指揮し、VP(勝利ポイント)を獲得したり、敵の特務兵たちと死闘を繰り広げることになります。
KILLTEAMには様々な要素や情報が含まれていますが、本ドキュメントはそれらの基礎的な部分のみを抽出し、不自由のないの戦術指揮を支援するものであります。
気を楽にして、飲み物を淹れたマグカップなどを手に、お読みください。それでははじめましょう。
第1章 プレイ準備
KILLTEAMをプレイするためにある程度の道具やドキュメントの準備が必要です。この章ではプレイに必要なものを一通り記します。
第1章1項「KILLTEAM」ドキュメント
KILLTEAMをプレイする前に、ルール等を記したドキュメントを入手する必要があります。これらは全て公式コミュニティからダウンロードできます。
まずは上のリンクにアクセスしてください。
このページの国旗アイコンを切り替え(上図参照)「簡易版ル(ール)」を選択し、pdfファイルをダウンロードしてください。
同じ要領で「インターセッション・スカッド・キルチーム」のpdfをダウンロードしてください。特務兵データの読み方(第3章1項)に使用します。
また、物理版の「コアルール」やキルチームの情報を記した本、重大作戦カードなどがあるとより幅広いプレイができます。
第1章2項 プレイ道具
KILLTEAMをプレイするにあたり、(物理的に)最低限必要なものは以下の5つです。
特務兵ミニチュア
トークン
メジャー
キルゾーン
ダイス
ミニチュア
使用するキルチームに適合したミニチュアが必要数あればよいです。
ミニチュアは指定されたキットを購入する(そして組み立てる)のが最も手っ取り早い入手方法です。
トークン
プレイに最低限トークンの内訳は以下の通り。
戦闘/隠密態勢トークン
負傷トークン
これらのトークンは自分のキルチームで使用する特務兵の数だけ用意しましょう。
また、バフやデバフを示すトークンや、行動力上限(APL)修正を示すトークン、戦術目標マーカーもあるとより快適にプレイできます。
「キルチーム:キルゾーン・エッセンシャル」「キルチーム: スターターセット」を購入するのが一番手っ取り早いです。
また、自作することも可能です。戦闘/隠密態勢トークン以外は裏表で未命令/命令済を表現できるようにする必要がありますが、それ以外のトークンは裏表の区別を設ける必要はありません。
メジャー
最低でも1mv, すなわり1インチ単位を測ることができるメジャーが必要です。2, 3, 6インチも測れれば最高です。
KILLTEAMでは距離単位で記号を使うことがあります。本稿では表記の都合上△は1mv, ○は2mv, □は3mv, ⬠は6mvと数字単位で統一します。
先述した「エッセンシャル」の付属品を使うか、1インチは25.4ミリであるため、自作することもできます。
キルゾーン
「30mv x 22mv のゲームボードと特殊地形」と簡易ルールPDFにありますが、公式トーナメントやイベントなどでなければ、何を使っても問題ありません。家電量販店の大判のチラシや先月のカレンダーページ、それなりの大きさの机があれば十分です。もちろん先述したフォーマットに従って自作できます。
「特殊地形」はいわゆる障害物のことです。これらは後述する障害物のルールに従って適当なものを用意するとよいです。小箱や文房具、空き缶や小瓶など身近なものを活用しましょう。
ダイス
簡易ルールPDFにあるように、6面ダイスが10個あればだいたいの状況に対応できます。特別な表記がない場合、6面ダイスとお考え下さい。
後述するVPやCP表現用に異なる色のダイスや、スペースマリーンなどの負傷限界値(体力)が高い特務兵の体力表現のために12面体ダイスがあるとなお便利です。
ウォーハンマーストアなどで催されるキルチーム体験会ではこれらの全てがレンタルが行われていることが多いです。
あらかじめ連絡し、必要なものがあるかを伺うことを推奨します。
第1章2項1 ミニチュアの要件
「KILLTEAM」で使用するミニチュアはGames Workshopの指定のミニチュアである必要があります。
(それはそれとして、身内で遊ぶ分にはサードパーティのミニチュアや、チェスの駒、フィルムケース、七味唐辛子のビンなどお好きなものをミニチュア代わりにしても誰も咎めません。)
「KILLTEAM」でミニチュア(または「モデル」)と記された場合は、そのミニチュアのベース(台座)とその上にあるものは全てミニチュアを構成する要素としてみなされます。具体的には、ベース上に乗っている人形はもちろん、ベースを飾り付ける草木や、鉄骨や廃墟などもミニチュアの一部とみなされます。
第1章3項 特殊地形
キルゾーンに配置する特殊地形にはさまざまな要素があります。
他にもさまざまなバフデバフを付与する特殊地形がありますが、そうした地形にはその都度ルール説明があるので気に病むことはありません。
とりあえず今は「軽遮蔽物」と「重遮蔽物」この2つをしていただければ問題ありません。
第1章4項 戦術目標マーカーとトークン
戦術目標マーカーは設置された場所の中心から半径2mvに広がります。範囲内に特務兵(ユニット)が存在していれば、その戦術目標マーカーは確保されていることとなり、特定のミッションアクションの実行や、戦術目標確保によるVPを得ることができます。もし敵味方両方の特務兵が存在する場合は行動力上限(APL)の数値を比較して判定を行います。APLの値が同数の場合は、どちらが確保しているともみなされません。
特務兵の能力やキルチームのアビリティなどでトークンが設置されることがあります。こうしたトークンは設置された場所の中心から指定の距離(半径)が範囲となります。
第2章 ゲームの流れ
KILLTEAMは4つの「ターニングポイント」で構成され、各ターニングポイントは3つのフェイズを内包しています。本稿では最も一般的にプレイされる「マッチプレイ」を通じてゲームの流れを理解します。
第2章1項 ミッション開始までの手順
まずプレイするミッションを選択し、ミッション内容を共有します。ミッションについて疑問点等があれば、このうちに確認をとるとよいでしょう。
続いてキルゾーンのレイアウトを決め、作戦目標マーカーを配置、特殊地形等を配置します。
次に「降下ゾーン」の選択、いわゆるユニットの初期配置エリアを決定し、使用するキルチームを選択します。この際どちらのプレイヤーが攻撃/防御プレイヤーとなるかを決定します。(また、キルチームにリーダーが含まれている場合は2CPを獲得します。重大作戦2022ルールを適用する場合は3CPとなるので、プレイヤーで話し合って決定しましょう)
もし「戦術目標」ルールを適用するのであれば、ここで戦術目標を決定します。本稿では「戦術目標」の内容は取り上げません。
「装備品」ルールを適用するのであれば、ここで特務兵の装備品を決定します。各キルチームには10EPの装備ポイントが割り振られています。現在のコアルールでは、「間接攻撃」ルールを有するグレネードはキルチームごとに最大1つのみ装備できる点に気をつけてください。
「バリケード配置」ルールを適用するのであれば、交互に1つずつバリケードを配置し、それぞれ2個のバリケードを配置します。
最後に特務兵を配置してプレイ準備が完了です。配置方法については2つの方法があります。
片方の(防衛側)プレイヤーが全ての特務兵を配置し、もう一方(攻撃側)のプレイヤーが全ての特務兵を配置する。(コアルール. 簡易ルール)
各プレイヤーはキルチームをなるべく均等になるように3分割し、防衛側から交互に配置する。(重大作戦2022掲載)
どちらかお好きな方をプレイヤー同士で話し合って決めるとよいです。この時、特務兵の態勢(第3章2項参照)を決定します。
最後に「偵察(フェーズ)」がありますが、これも本稿では省略します。偵察フェーズを使用しない場合は簡易版ルールに従ってダイスロールで決定します。その際、偵察フェーズ中に発動するアビリティなどはこのタイミングで実行するとよいでしょう。
第2章2項 先制フェーズ
第1ターニングポイントではプレイ開始直前に決定されます。(偵察フェーズまたはダイスロール)
各プレイヤーがダイスを振り、出目が大きいプレイヤーが先制権を得る、つまり先攻/後攻のどちらを選ぶかを決めることができます。もし同じ出目が出た場合は、前のターニングポイントで先制権を有していなかったプレイヤーが先制権を得ます。
第2章3項 戦略フェーズ
このタイミングでプレイヤーはCPを消費してキルチームの特殊戦略を発動することができます。防御側プレイヤーから順に1つずつ宣言するかたちとなりますが、使用を宣言する特殊戦略の数に制限は(特記していない限り)ありません。
また、戦術目標は使用できる条件を満たしたタイミングで使用できます。
特殊戦術「リロール命令」はキルチームに関わらず、1CPで戦闘フェイズ中のあらゆるダイスを1個リロールできます。
「戦術目標」ルールを採用している場合、ここで戦術目標を開示する必要がある場合があります。
第2章4項 戦闘フェーズ
先制権を有するプレイヤーから交互に特務兵(ユニット)をアクティヴにすることで命令を行います。特務兵の行動が終了し次第、次のプレイヤーが特務兵を操作します。こうして全ての特務兵が行動を終了すると戦闘フェーズが終了します。
特務兵が行える具体的なアクションは第3章2項に具体的に記します。
第2章5項 ゲーム終了
第4ターニングポイント終了時にゲーム終了処理を行います。勝利ポイント(VP)を最も多く有しているプレイヤーが勝者となります。同点の場合は引き分けとなります。(勝者を決める必要があれば、ダイスロールをするとか)
第3章 特務兵
キルチームは「特務兵」と呼ばれるユニットで構成されます。特務兵は貴方の手となり足となり戦いますが、それぞれの能力を理解しなければその実力を十分に発揮することはできません。本章では特務兵について理解を深めます。
第3章1項 特務兵データの読み方
上のリンクから「インターセッション・スカッド・キルチーム」のpdfをダウンロードしてください。
このドキュメントに記載されているスペースマリーンたちを例に特務兵データを読みます。
「インターセッション・スカッド・キルチーム」の7ページを開いてください。
左上にその特務兵の名称、右上に特務兵の能力値が記されています。
能力値については以下のように読みます。
移動力: この特務兵の移動できる距離を示します。この特務兵の移動力は3○、すなわち6mvであることがわかります。
行動力上限: この特務兵が有するAP数を示します。第1章4項で示した戦術目標マーカーの争奪にも使用します。
集団命令兵数: 1回の命令で操作できる特務兵の数を示します。例えばこの値が「2」と表記された特務兵は、1回の命令で同名の特務兵を連続して行動させることができるのです。
防御回数: アーマーセーヴ判定を行う際にダイスを振る個数です。今では全ての特務兵が「3」となっています。
アーマーセーヴ値: アーマーセーヴ判定を行う際の成功値を示します。この場合は3以上であれば成功とみなされます。
負傷限界値: いわゆる「体力」です。この値が7を下回れば「負傷状態」(第3章2項)とみなされ、0になるとキルゾーンから除去されます。(つまり死です!)
武器能力値の読み方は「射撃」()と「白兵戦」()の項で例を通じて解説します。
左下の「アビリティ」ではその特務兵に対して特別に適用される効果が記されています。いわゆるパッシブ(常時)効果です。
右下の「固有アクション」ではその特務兵が特別に使用できるアクションが記されます。インターセッサーキルチームにはこれを有する特務兵はいません。
以上が基本的な特務兵データの読み方です。レイアウトが変わることはないので、一度読み方を理解すれば迷うことはないでしょう。
第3章2項 特務兵の態勢/状態
特務兵は2つの態勢に切り替えることにより、使用できるアクションが変化します。
隠密態勢: 敵に見つからないように隠れる状態。後述する「遮蔽状態」と併用することで敵からの射撃攻撃を抑止する。その代わり「射撃」「突撃」アクションを行うことができない。
攻撃態勢: 「射撃」「突撃」アクションを行うことができる。そのかわり射線(「射撃」参照)が通ると敵からの射撃攻撃を受ける。
「特務兵」は一定の状況下で特定の状態にあるものとみなされます。
視認: 特務兵の頭部から対象のミニチュアに対して太さ1mm以上の仮想の実線を引ける状態。「射撃」アクションを行う際や、特定のアビリティの発動に判定を行う必要がある。
遮蔽: 遮蔽物(または戦闘態勢の特務兵)の裏に特務兵が存在する状態。隠密態勢の特務兵は敵特務兵からの射撃攻撃を受けない。
負傷: 負傷限界値(体力)が半分より少ない状態。(以下ではない(移動力が2mv低下し、射撃/白兵技能値が1悪化する。
接敵: 「突撃」などのアクションで特務兵の接敵範囲(ミニチュアの周囲1mv)内に特務兵が侵入し、視認状態にある状態。「退却」以外の移動が不可能になり、特務兵はお互いに「白兵戦」アクションを実行できる。
これらの状態はあらゆるキルチームで起こりうる状態変化です。
この他にもキルチームや特務兵のアビリティなどによりさまざまな状態変化をもたらす(受ける)ことがあります。
第3章3項 特務兵のアクション
特務兵は戦闘フェイズ中、APを消費してアクションを実行します。本項では特務兵が行える基本アクションについて学びます。
「パス」以外のアクションは、特別な記述がない限り1回の命令で1回のみ使用できます。
第3章3項1 通常移動(1AP)
特務兵がデータに記された移動力だけ移動します。移動完了はミニチュアが配置可能な場所でのみ行えます。
ただし、(接敵状態ではない)敵特務兵の接敵範囲内に侵入することはできず、敵特務兵の接敵範囲内で移動を完了することもできません。
もしその特務兵が「負傷状態」であれば移動力が○(2mv)だけ低下します。
移動は1mv単位まで分割することができ、1mv以下の移動も行えます。ただし、その場合でも移動力は1mv分使用されます。
「乗り越え可能」特殊地形を乗り越える際は、2mvをその場で消費します。
移動を行う際は、ベース端の一点を基準にインチメジャーで測るのが楽です。
第3章3項2 突撃(1AP)
特務兵がデータに記された移動力+2mvだけ移動します。移動完了は敵特務兵の接敵範囲内でのみ行えます。
また、命令中に移動、ダッシュ、退却アクションを行った場合は突撃アクションを実行できません。
突撃は最初に侵入した敵特務兵の接敵範囲内で終了しなければなりませんが、最初に侵入した敵特務兵の接敵範囲内にいるのであれば、他の敵特務兵の接敵範囲内に侵入することも可能です。
また、敵特務兵が既に接敵状態である場合は、その特務兵を無視して他の敵特務兵の接敵範囲に侵入することも可能です。
第3章3項3 退却(2AP)
接敵状態の特務兵が接敵範囲外に出るために使用します。特務兵がデータに記された移動力だけ移動します。
退却中は敵特務兵の接敵範囲内に侵入することができますが、退却完了は敵特務兵の接敵範囲外にいる必要があります。
第3章3項4 ダッシュ(1AP)
特務兵が3mvだけ移動します。
その他のルールは通常移動と同じです。
第3章3項5 パス(1AP)
特務兵は何もしません。
このアクションは一回の命令中に何回でも使用できます。
第3章3項6 運搬(1AP)
特務兵が周囲1mv以内に存在する作戦目標マーカーおよび運搬可能トークンを持ち運ぶことができます。
運搬したトークンは特務兵の命令中であれば周囲1mv以内の好きな場所に配置できます。
運搬中の特務兵が無力化され、キルゾーンから取り除かれる場合はその特務兵のミニチュアから周囲1mv以内の場所の視認できる場所にトークンを配置します。もし不可能である場合は、その特務兵から視線が通り、最も近い場所に配置します。
第3章3項7 射撃(1AP)
敵特務兵に対して射撃アクションを行います。
今回は「インターセッサーキルチーム」のインターセッサー・ウォリアーが実際に射撃攻撃を行ったとして、プロセスを確認します。
インターセッサー・ウォリアーはまず、使用する射撃武器を選択します。彼が装備していた射撃武器は「オートボルトライフル」だけだったので、この武器を使うことにしました。
次に射撃目標を選択します。彼から視認でき、遮蔽物にいますが戦闘態勢のコマンド・ボゥイがいたので、コマンドに対して射撃を行います。(もし射撃可能な目標が存在しない場合は、射撃アクションは中止され、APは払い戻される)
では、実際に射撃を行います。ここで「オートボルトライフル」のデータを確認しましょう。
攻撃回数: 射撃/白兵戦でロールするダイスの数
射撃技能/接近戦技能: 射撃/白兵戦における、成功ダイスの出目
スペシャルルール: その武器を使用した際に適用される特別ルール。内訳は簡易ルールpdf3ページを参照
!: クリティカルヒットルール。攻撃ダイスにクリティカル(6)が出た場合は、その効果を適用する。内訳は簡易ルールpdf3ページを参照
ダメージ量: 通常ヒット/クリティカルヒット 時のダメージ量
オートライフル」の攻撃回数は4なので、4つのダイスをロールします。ダイスの出目は「1, 3, 5, 6」でした。
「オートライフル」には「連撃」スペシャルルールがあるので、1の出目はリロール(振り直し)ができます。リロール結果は「1」でした。1度リロールしたダイスはCPを使った特殊戦術「リロール命令」以外では再度リロールすることはできません。今回は通常ヒットが2つ、クリティカルヒットが1つ保持されます。
続いて、コマンド・ボゥイが防御ダイスをロールします。まずコマンドの防御回数をチェックします。データカードを見たところ3でした。3つのダイスをロールします。ですが、このコマンドは遮蔽物の内側に存在します。この場合はダイスロールを行う前に、1つのダイスを成功ダイスとして保持することができます。つまり、残った2つの防御ダイスをロールすることになります。
防御ロール結果は「2. 6」でした。コマンドのアーマーセーヴ値は「5+」なので、6のクリティカルがセーヴに成功したことになります。今回は遮蔽物による通常セーヴが1つ、クリティカルセーヴ1つが保持されます。
次に、ダイスの処理を行います。通常セーヴは通常ヒットを、クリティカルセーヴはクリティカルヒットまたは通常ヒットを打ち消すことができます。今回は存在しませんが、通常セーヴダイス2つでクリティカルヒットを1つ打ち消せることも加えて説明します。
結果、通常ヒット1つだけが残りました。「オートライフル」のダメージ量は3/4, 通常ヒットのダメージは3なのでコマンド・ボゥイは3ダメージを受けました。以上で射撃アクションは終了です。
また、インターセッサー・ウォリアーは「ボルター規律」アビリティにより1回の命令中に2回の射撃を行うことができます。やろうと思えばこのインターセッサー・ウォリアーは同じコマンド・ボゥイや別の敵特務兵に対して射撃アクションを行うことができます。
第3章3項8 白兵戦(1AP)
敵特務兵に対して白兵戦アクションを行います。
今回は「インターセッサーキルチーム」のインターセッサー・ウォリアーが実際に白兵戦攻撃を受けたとして、プロセスを確認します。
コマンド・ボゥイは「突撃」アクションを行い、インターセッサー・ウォリアーの接敵範囲内に侵入し、白兵戦アクションを実行しました。
まず、白兵戦の対象を選択します。接敵範囲内に存在する敵特務兵のみが対象となります。今回コマンド・ボゥイは接敵したインターセッサーに対して白兵戦を行います。続いて、白兵戦武器を選択します。攻撃側が選択した後、防御側も白兵戦武器を選択します。インターセッサー・ウォリアーは「鉄拳」のみを装備しているので、これで白兵戦を行います。
その後、双方のプレイヤーが攻撃ダイスをロールします。
奇しくも、双方の攻撃回数と白兵戦技能は等しいです。
インターセッサーの出目は「1,3,4,6」コマンドの出目は「2,2,3,5」でした。
インターセッサーの通常ヒットが2つ、クリティカルが1つ。コマンドの通常ヒットが2つ保持されます。
コマンド・ボゥイが白兵戦を仕掛けたため、コマンドからダイスを1つ処理します。彼は通常ヒット1つを「打ち込み」に使用しました。インターセッサーはこの時点で4ポイントのダメージを被り、負傷限界値がこの時点で失われます。
インターセッサーは通常ヒット1つで「受け流し」を行いました。インターセッサーの通常ヒットダイスが失われる代わりに、コマンドの通常ヒットダイスも1つ失われます。
コマンドは全てのダイスを消費してしまったため、何もできることはありません。インターセッサーは残ったダイスを全て「打ち込み」に使用し、通常ヒット1つとクリティカルヒット1つ分の7ダメージを与えました。
もしこのコマンド・ボゥイが先ほど射撃攻撃を受けたコマンドで合った場合、全ての負傷限界値を喪いキルゾーンから取り除かれます。もし万全のコマンドであった場合は、負傷限界値を7喪い、最大負傷限界値の10の半分を下回ったため負傷状態となることでしょう。ともあれこれで白兵戦アクションが終了します。
基本的に白兵戦アクションは先に行った方がダメージ量の観点から有利です。例えば先ほどの例でも、インターセッサーの負傷限界値が3しか残っていなければ、コマンド・ボゥイは先に攻撃ダイスを消費し無傷でインターセッサーを仕留められたことでしょう。
第3章3項8 監視射撃(0AP)
一方のプレイヤーが全ての特務兵の命令を終え、もう一方のプレイヤーが特務兵が命令する場合は、その特務兵の行動が終了した直後、全ての特務兵の命令が終了したプレイヤーが「監視射撃」アクションを行います。
「監視射撃」は戦闘態勢の特務兵が射撃技能が1悪化した状態で実行します。
第4章 複雑なルール
本章ではKILLTEAMのややこしいルールについて取り扱います。正直これまでの内容はこれを書くための前座みたいなものです。ルールの処理がめんどくさいのでゆっくり読み進めてください。
第4章1項 射線
「射撃」(第3章3項7)の項で射撃対象の選択について記しましたが、射撃対象となるかどうかの判断はやや複雑なプロセスを経て行う必要があります。一緒に確認しましょう。
まずは攻撃態勢の特務兵に対して射撃を行う場合です。
攻撃態勢の特務兵に対して射撃を行うために必要な要件は以下の2点です。
「視認」状態である
「射線妨害」ではない
続いて、隠密態勢の特務兵に対して射撃を行うために必要な要件は以下の3点です。
「視認」状態である
「遮蔽状態」ではない
「射線妨害」ではない
「視認」状態については第3章2項で触れたとおりです。射撃する特務兵の頭部から対象のミニチュアに対して太さ1mm以上の仮想の実線を引ければOKです。
「遮蔽状態」も大したことではありません。「遮蔽」から1mv以内にミニチュアがおり、一部でも「遮蔽」特殊地形に重なっていればそれは遮蔽状態であるとみなされます。(本項にて後述する「遮蔽線」を参照)
しかし、「射線妨害」が曲者です。例を通して確認しましょう。
まず、射撃を行う特務兵のベースの任意の一点から、目標の特務兵全体を捉えるようにベースの両端に対して線を引きます。これを遮蔽線と呼びます。
遮蔽線に遮蔽物が一部でもかかり、それが目標特務兵の1mv以内に存在すれば「遮蔽」状態に。
遮蔽物が「射線妨害」特性を有し、遮蔽線と交差する点から2mv以上離れていれば「射線妨害」であるとみなされます。
射撃元の特務兵から見るとこんな感じになります。
第4章2項 遮蔽看破
隠密状態で遮蔽状態にある敵特務兵を射撃することはできませんが、一定の条件を満たすことで遮蔽状態を無効化することができます。
軽遮蔽物や特務兵から遮蔽効果を受ける特務兵は、「狙撃地点」特性を持つ地形からでは遮蔽効果を受けることはできません。
また、射撃する特務兵から2mv以内に特務兵が存在する場合は遮蔽状態であるとみなされません。
その他、特殊戦略で遮蔽状態が無視されることがあります。ご注意ください。
メモ: 射撃攻撃のスペシャルルールで「遮蔽無視」がありますが、これは射撃攻撃を受けた際のセーヴダイスの自動保持ができなくなるだけで、遮蔽状態が無視されるわけではありません。ややこしいですね。
第4章3項 登攀/飛び降り
一部の特殊地形は登ることができます。これを「登攀」と呼びます。
登攀を行う際は、移動アクション中に特殊地形の1mv以内まで接近し、4mvを消費することでその上へ昇ることができます。注意点としては、水平移動には別途にmvが必要だということです。移動力が不足する場合は、もう1APを追加で支払いダッシュ分の移動力を加算することができます。
同様に高所から降りる際は「飛び降り」を行います。登攀同様に2mvを消費します。ただし、飛び降りるために前に遮蔽物がある場合は「乗り越え」分の移動力(2mv)が必要です。
また、移動に「飛行」特性を有する場合は、登攀、飛び降りで追加の移動力消費を行う必要はありません。
さいごに
簡単にルールを学ぶ/確認できるガイドを書いたつもりでしたが、普通に1万字を越えてたまげています。現状ではまだ不備もあるので、何度かの改訂と修正、加筆が必要になるとは思いますが、長い目で見ていただければ幸いです。
とりあえず次は「偵察」と「戦術目標」を加筆する予定です。よろしゅうね。 2023/09/15