伊丹万作と永井叔〜交響する交遊圏
文芸部と演劇部をハシゴしていたので、卒業後の90年代前半、友人たちと芝居づくりを楽しんだ。最後の公演は、伊藤大輔の連鎖劇をふまえた悲喜劇に仕立てたが、もうひとりの映画人・伊丹万作を中心に、大正末/昭和初年の松山、おでん屋「瓢太郎」に集った青春群像も魅力的で、どちらから舞台化するか、そうとう悩んだ。 前作が、満洲の料理屋にエノケンをかたる慰問一座がやってくる設定で、飲食店が舞台のコメディ続きもどうかと、まずは伊藤のパッション、お次は、伊丹のユーモアでと、構想をめぐらした日々から