中央線 #1 東京駅
「お前、新婚なんだし帰った方がいいんじゃない?」
だから、もう20年以上も前の話になる。
「あんた、帰す気ないだろ?」心の中でそうつぶやく。
その日、僕は当時勤めていた会社の先輩2人と3人で飲んでいた。
新橋で2軒ハシゴして、なぜか東京八重洲口の屋台でラーメンを。
すでに最終電車も出ており、〆のラーメンというよりもむしろ、始発を待つ気か?という感じだ。
先輩2人もすでに帰る気は無いようだ。
丼のスープを飲み干す頃、先輩が僕に最初の言葉を言った。
「もう、最終もないし帰れないっスよ」と僕。
「じゃあ、今日はとことん行くか?」
(最初からそのつもりのくせに…)
そして3人はタクシーに乗り、また新橋へと戻った。
始発まで、飲み続け(この辺はもう記憶が曖昧)
帰宅したのは、6時頃だったように記憶している。
そっと家に入り、酔っ払いの身体にいいものはないか?と冷蔵庫を見る。
トマトジュースがあったので、僕は一気に飲み干した。
その時、僕は二日酔いにトマトジュースが合わないことを知らなかった。
僕はそのまま、キッチンで吐いてしまった。
同じ、タイミングで起きてきた妻君がそれを見た。
朝帰りの夫が台所で血を吐いていると思ったらしい。
妻君の言葉にならない言葉が遠くに聞こえた。
東京駅(と言っていいのか?)の僕の思い出。
【使用機材】
カメラ Fuji X-Pro3
レンズ Voigtländer NOKTON Classic 35mm F1.4
最後まで見ていただき、ありがとうございます。
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