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みくちゃんと<さくら>のおつかい

みくちゃんのお母さんは料理が得意です。 今日はちらし寿司の日。 でも、材料の買い出しから戻ったお母さんは何やら失敗した様子――、買い物袋から荷物を取り出している最中に、あっと声をあげました。 「しまった!<さくら>を買い忘れちゃった!」 その様子を見ていたみくちゃんに、 「……まぁ……、今回はなくてもいいよね。」とお母さんが言ってきます。 状況がよくわからないみくちゃんが、 「なぁに?何がなくてもいいの?」とお母さんに尋ねると 「ん~、ほら、上に載せるピンクの……」とお

    • みくちゃんと<蛾>

      みくちゃんは虫が大嫌いです。 虫をちょっと見ただけでも体は恐怖で硬直し、まとも――以上―に機能するのはただただ声帯のみ――なんてことになってしまうのです。 そんなみくちゃんが夕食後のある夜、あとかたづけをするお母さんのそばで弟のりく君と一緒にテレビを見ていたときのことでした。 外から蛾がとびこんできたのです――。 みくちゃんはもちろん悲鳴をあげましたが、みくちゃんほど虫嫌いではないりく君も、蝶類だけは別なために、台所はパニック状態に――。 「お母さん!お母さん!」 みく