ライデン国立古代博物館所蔵 古代エジプト展
7月のある日、先月もここへ出かけたな〜、と思いつつ北海道立近代美術館へ。美術館の庭に積もったポプラの綿毛絨毯もすっかり消えて、夏の日差しが目を射してくる。
今回観に行ったのは『ライデン国立古代博物館所蔵 古代エジプト展』
ライデン?どこ? と思ったら、オランダの西部にあるヨーロッパきっての学術都市だそう。
以下、見たものをいろいろと………
古代エジプトの彫刻はけっこう動物が多い。
過去にさまざまなエジプト展に足を運んだことがあるけれど、コウモリの彫刻は初めて見たかも。
まるで根付のような小さな彫刻品もいろいろと。
お守りだそうで、動物やエジプト神をかたどった2、3センチほどの大きさしかない物。
何かをかたどった物以外にも、カラフルなビーズが使われたネックレスもお守りの一種で、古代エジプト人は色にも力があると信じていたらしい。
現代でいうとラッキーカラー? 数千年前にすでにそのような考えがあったのが面白い。
こういった物を作るのが得意な人がいるものだなぁ〜、と思いつつながめた品々。
カゴ、枕 (!) などの日用品のほか、ゲームまであった。展示されていたゲームは娯楽とは別の宗教的な意味もおそらく含まれているだろうという品だったけど、ゲームに興じる当時の人々を想像すると、なかなか親近感がわく。
異様に強い人がいたり、子供同士なら「ズルしたぁ〜 ! 」とかでケンカになったりしたと思う、絶対。
やはりこれがないと、な 棺&ミイラ! 今回の展示の目玉である12点の棺は扇状のステージに乗せられ、立ち並んでいた。 中央に立って見ると自分の前方を棺達に囲まれる格好になる。 周囲に誰もいないというタイミングだったので、暗闇に浮かび上がる棺、棺、とひとり向き合う状況という、滅多にない体験もできた。
今回は思いがけず人のミイラの数が多く、動物のミイラも数種類来ていた。
動物ミイラは外側の加工がどこか可愛らしく、部屋にそのままマスコットとして置いておきたくなるような見た目。
ミイラや、内臓を入れておくための容器を見ても別に気持ち悪さは感じないのだけど、ミイラ作りに使う道具だけはさすがに薄気味悪かった。 先端が曲がったただの棒がさりげなく展示されていたのだけど、その使いみちは、死者の鼻の穴に深く差し込んで脳みそをひっかけて取り出すための棒なのだった。 人はこんな道具も作るのか… 。
ミイラがメインの展示室では、人ミイラはこんな感じで展示されていた。 面白い見せ方だな〜と、わくわくしながら見ていたけれど、後日新聞記事で知った裏話におどろいた。
会場のスペースの都合上、ミイラを横一列に並べることができず、苦肉の策でこのような展示になったそう。
場内を一周したあとはもう一度、気に入った展示物を見に戻る。
よく美術館などで、この中から好きなものを自分の部屋に置けるならどれを飾りたいか? と考えたりするのだけど、12点の棺の中だったらどれだろう、とながめていた。 部屋にこれがあったら…? あ… これって蝶番つけてクローゼットにしたらいいんじゃないか!? と、不謹慎というかバチ当たりというか、ついそんなことを想像してしまった。
長い歴史の中で、発掘された棺を一風変わったインテリアとして、そんなふうに使ってみたバチ当たりはいないのだろうか?
もっとも、本物を使って本当にやるのはあんまりな話だけど、細部まで再現したレプリカ木棺クローゼット、あったらいいのでは… 。 美術館や博物館のおみやげコーナーの商品としていかがでしょう?
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