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ピミテスピブ錠

がん関連新規承認薬剤【2022年6月】
ピミテスピブ
(商品名:ジェセリ錠40mg)
効能・効果:がん化学療法後に増悪した消化管間質腫瘍

GISTっていう方が耳馴染みがある

希少がんの一つで、消化管の粘膜下から発生する肉腫の一種。
粘膜から発生する一般的な胃がんや大腸がんとは異なる性質を示す。
分子標的薬の登場により半数以上は5年以上の延命が可能となったが、完治は難しいため、症状をコントロールしながら少しでも長く薬を継続することが大切となる。

イマチニブ(グリベック)

スニチニブ(スーテント)

  レゴラフェニブ(スチバーガ)

ピミテスピブ

用法は「空腹時」

通常、成人にはピミテスピブとして1日1回160mgを空腹時に 投与する。5日間連続経口投与したのち2日間休薬し、これを 繰り返す。

ジェセリ錠40mg 添付文書:6. 用法及び用量

食後に本剤を投与した場合、Cmax及びAUCが上昇する。食事の影響を避けるため、食事の1時間前から食後2時間までの間の服用は避けること

ジェセリ錠40mg 添付文書:7.2 用法及び用量に関する注意

日本人進行固形癌患者16例に本剤160mgを単回経口投与したとき、 空腹時投与に対する高脂肪食後投与におけるピミテスピブのCmax 及びAUCinfの幾何平均値の比はそれぞれ1.92及び1.64であった5)。

ジェセリ錠40mg 添付文書:16.2.1 食事の影響

高脂肪食ではAUCが1.6倍か…
休薬が2日間入る点も注意。

特徴的な副作用としては「眼障害」

夜盲(12.0%)、霧視(5.3%)、視力障害(5.3%)、網膜静脈 閉塞(1.3%)、網膜症(1.3%)、後天性色覚異常(1.3%)等 があらわれることがある。

ジェセリ錠40mg 添付文書:11.1.2 重大な副作用

頻度の多い副作用として下痢(72.0%)も挙げられるが、重大な下痢(16.0)では脱水にも注意が必要。

作用機序はHSP90の阻害

ピミテスピブは、HSP90によるクライアントタンパクの高次構造の形成を阻害することにより、腫瘍の増殖に関与するタンパ クの発現量の減少、アポトーシスの誘導等を介して腫瘍増殖抑 制作用を示すと考えられている

ジェセリ錠40mg 添付文書:18.1 作用機序

HSP(Heat Shock Protein:ヒートショックプロテイン)
HSPはタンパク質の安定化に必要とされ、様々な種類や働きを持つ。また白血球増加やNK細胞の活性化などの免疫増強作用などがあるとされている。

「HSP90阻害薬はタンパク質の安定化を阻害してアポトーシスを誘導する」

再春館製薬所 https://www.saishunkan.co.jp

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