剱岳・別山尾根のガイド(8月)

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剱岳のガイドって、どんな感じなの?

そんなことを思っていらっしゃる未来のお客様に、少し前に行ったこの夏のガイドの様子をご紹介してみたいと思います。

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まずは、剱岳に見参!

今回のお客様は、ご夫婦でのご参加。ここに来るまで、地元でクライミングジムと外岩で、クライミングの練習を積み重ねておられ、さらに1カ月前に、当ガイドと長野県の戸隠山で鎖場や岩稜での通過のトレーニングを積んでこの日を迎えられました。

ここまで事前のトレーニングを積めるのは、理想的です。

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実は2日目に台風が来ていたのですが、予備日を設定しておられたので山小屋でやり過ごし、首尾よく3日目に好天の中アタックに出発です。

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いつもはロープを繋ぐ前剱の急登の始まりの所でも、クライミングのトレーニングで安定した登りができているご夫妻でしたので、まだロープは付けず。

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「映えるタテバイ」撮影スポットでも、余裕をもってハイチーズ!!

1年前からトレーニングを積んでこられたからこそ、見せられる余裕です。

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念願の剱岳山頂!!

まだまだ余裕がありますね。

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「剱の別山尾根を登ってやっと、本当の剱岳登山のスタートラインに立つ」

山頂にて、ぐるり360度。

「深遠なる剱バリエーションの世界」を得意げに説明する私と、それを真剣な表情で聞くお客様。

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「山頂ではまだ、握手はしない」

世界中どの山でも、事故は下りで起こっています。

心の緊張を今一度締めなおして、下降に入ります。

遭難多発ポイントは、有名な「カニの横ばい」ではなく、「前剱・大岩」の先。

①ここまでの疲労の蓄積 ②連続する鎖が途切れてホッとしてしまうメンタル ③外傾してもろい岩 この主に3つの原因が積み重なり、事故が起こります。

この先の一服剱の先にも鎖場はありますので、精神の緊張を意識的にキープすることが大事です。

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無事に剣沢小屋に戻ってきました。

今日がもし山行二日目で、もう一泊小屋泊まりの計画のお客様であったなら、山小屋での午後は至福の時間になります。

ビール(あるいはジュース)で乾杯しながら、さっき登ってきたばかりの剱岳を見つつ、満足感に浸る午後・・・。

そんな時はきっと、次登りたい山やルートの話がどんどん出てくることでしょう。

剱岳という山は懐が深く、バリエーションルートを視野に入れるとコンプリートするのには多大な時間が必要になります。

一般道から源次郎尾根、八ツ峰などの岩稜系ルート。そして八ツ峰6峰のフェース群からチンネ等の岩壁ルートへ。上級者向けの西面の各ルートも待ち構えています。

剱岳は、その懐の深さ、天候の厳しさ、雪、雪渓などの豊富さ。登山者に求められる総合力。

そういった意味で、日本一の山でしょう。

その山にお客様をご案内する山岳ガイドの一人として、いつか山を下りるその日まで、精進していこうと思っています。


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