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槍穂もイケます〜ジャンダルム編〜
『ジャンダルム』
ジャンダルムである。
初めて名前をつけた方は存じ上げないが、とにかく素晴らしいネーミングセンスである。
衛兵、憲兵といった意味のようだが、その前に「穂高の」という言葉を付けたらしっくりくる。
このルートはよく「国内最難の縦走ルート」と紹介されている。
しかし、通ってみての私の印象では、
「国内最危険な縦走ルート」と言えるのではないだろうか?
私の職場である「剱岳・別山尾根ルート」よりかは明らかに危ないルートだと思う。
具体的には、そのルート上の
「岩の脆さ(もろさ)」
である。
また、鎖もだいぶん改善されてきているのだろうが、未だ、錆びて茶色に変色した強度が怪しい鎖も散見される。
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また、岩を登る技術も必要だが、それ以上に「クライムダウン」技術が必須だ。
このルート攻略の肝といっても良い。
基本的に西穂から登り上がるルートのはずだが、思っていた以上にクライムダウンをしなければならない箇所が多い。
ということはまた、稼いだ標高を吐き出しながら奥穂に向かうわけだから、体力が必要なのは言わずもがなである。
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ジャンダルムの天使に会えて最高の笑顔🪽
がしかし、最大の難所はここからだ。
「ロバの耳の下降」である。
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昔からの技術だが、「3点支持」の技術を愚直に守って下降しよう。
ここはガイドも非常に気を使う。
信頼できる支点がなかなか得られないからである。
地面は脆い。
全てのホールド、スタンスを疑ってかかろう。
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無事奥穂に立って最後の急な鎖場を抜け目なく降りれば、歴史と伝統の穂高岳山荘である。
穂高岳山荘さんは、今年めでたく100周年を迎えられた。
この3000mの地にこれだけクオリティーの高い山荘を建て、100年間もの長い間営業を続けてこられた歴史に思いを馳せる。
無料の飲料水「天命水」をボトルに汲むとき、今さらだが、山の稜線での水のありがたさを実感する。
穂高岳・ジャンダルム。
体力と技術、あとは山に対する経験と謙虚さ。
これらを兼ね備えた「本物の登山者」に登ってほしいルートである。
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