剱岳・北方稜線へのいざない②
「ADVANCED CLIMBERS ONLY」
この英語が、剱の北方稜線に足を踏み入れる意味を、端的に表現してくれている。
剱の山頂が、このルートのスタートラインだ。
(お客様の事前トレーニング①(別山尾根ルートのトレース))
長次郎の頭の長次郎谷側。
このどこにラインを見出だし、進むか。
この「捉えどころの無い地形の進み方」というのが、北方稜線の難しさのひとつだ。
時には、鋭い稜線を絡めて登る(これは池ノ谷側)。
お客様の事前トレーニング②(登山靴での岩場の下降)をしていただいた成果の出しどころが、この池ノ谷乗越への下降だ。
一般道しか歩いたことのない方は、少し動きが固まってしまうかもしれない。
ガレ場の代表選手、池ノ谷ガリー。
今回、事前トレーニング③(ガレ場の登下降)をひと通りこなしたお客様だったが、ここの下降には少し時間がかかっていた。
ある程度の荷物を背負っての、緊張感のあるガレ場の登下降のトレーニングが必要だ。
大きすぎて画面に入りきらないチンネの大岩壁に見入るお客様。
小窓の王南壁直下の登り返しをこなすと、小窓の王の肩に出る。
ライオンの立て髪のようなチンネをバックに記念撮影しよう。
小窓への下降のひとコマ。
ここを、どのラインで下るか。
尾根筋を下れば良いというほど単純ではないのが、北方稜線の難しさ。(加えて、ガスが出たらどうする?)
小窓到着。
小窓はいつも静かで、どこか寂寞とした感じがします。
小窓雪渓。
10月ともなると、谷幅いっぱいのクラックや不安定なクラックが走っていた。(当たり前だが要クランポン)
池の平小屋まで来ると一般道と合流し、山岳ガイドとしてのお仕事もひと段落。
まだ仙人新道の長い下降や、毎年状況が変わる剣沢雪渓の登り返し等が残っているので、緊張の糸を切らすわけにはいかない。
すでに初雪の知らせが届いた今シーズンの剱の北方稜線のご案内は、ほぼ終了となりました。
ここまで見てきたように、このルートは様々な困難と魅力を備えた、素晴らしいバリエーションルートです。
「試練と憧れ」
一度剱の別山尾根から登って、やっと「剱のスタートラインに立った」あなた。
当ガイドと一緒に、「剱岳・北方稜線」トレースしてみませんか?
また来シーズン、皆さまのご応募、お待ちしています…。
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