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モキュメンタリー「近畿地方のある場所について」の考察

4/3付けで内容を大幅にリテイクしました。

・山の神についての考察を改訂
・赤い女と新興宗教の関わりについて追記→赤い女が教主説も併設(4/3付け2回目)
・「3体目の怪異」についての考察を追加
・「謎のシール」に関する考察を改訂
・飛び降り自殺に関連する考察を改訂
・作者に関する考察に内容を追加
・「怪異の写真」を別リンクに設定し、記事内に表示されないように変更

4/9「3体目の怪異」についての考察に内容を一部追加しました

リテイク前の記事を見たい方はツイッターのスレッドを参照してください。
https://twitter.com/kagaribi_bunsyo/status/1641265964280086528


Twitterでバズっていた「近畿地方のある場所について」というモキュメンタリーがある。
(モキュメンタリー=フィクションなのだがドキュメンタリーのように見せかけて臨場感を演出する技法)

元々は、回覧しているブロガーさんが紹介していたものなのだけど、めちゃくちゃ面白かったので、とりあえずまあ見て欲しい。
(ホラー系なので苦手な人は注意)


この作品は時系列どおりに並んでおらず、また「雑誌記事やネット情報の発信」という形を取っているため、表紙と時間がズレているケースが多い(2011年の書き込みに「10年以上前に~」と情報をいれるなど)。

読者は断片的な情報を繋ぎ合わせることで全体像を「なんとなく」感じる構成になっている。
いわゆる「考察したくなる作品」だ(作者もそのことを前提に書いている)。

これはまだ完結していない作品で、今後も設定がどんどん積み重なって変化していくだろうが現状において自分が感じたことをメモ代わりに残しておく。

*この記事は、ネタバレ個人の見解を含んだ妄想です。真相と異なる可能性が非常に高いのでご了承ください。
*一部、連載記事のコメントを参考にしています。



山の神(まっしろさん)

真っ白な巨軀を持ち裸で動き回る怪異。
山の西側を主な拠点にしている。

目的は人間の女性を嫁にすることで、女性であれば幼女だろうが成人だろうが誰でもウェルカム状態で懐が深い。

山に目線を送った人間に様々な方法(多くは山彦)で呼びかけを行い、これに反応すると魅入られてしまう。

女性であれば、嫁になる使命感に駆られ山に向かい、男性であれば山に女性を誘い出す下僕になってしまう。

誘ひ出す言葉は

「おーい、おーい」
「よめにきませんか」
「こっちにおいでーかきがあるよー」

などの単純なことしか言えないようだ

現在確認されている記録で最も古いのは1984年発生の「奈良県8歳少女行方不明事件」

また2006年掲載の「集団ヒステリー事件」では、知能はとても低く、単純な言葉の繰り返ししかできない動物に近い存在であることが語られている。

「おいでー こっちにおいでー かきがあるよー」

 はっきりした声で、そんなことを言ったんです。でも、なんていうのかな。心がこもってないっていうか、本当に棒読みをしているみたいな感じで。もっというと、日本語の意味をわかってないひとが話してるみたいな。人の真似をした動物が話してるみたいな感じでした。
某月刊誌 2006年4月号掲載「林間学校集団ヒステリー事件の真相」



考察

「山の神である」「人間の女性を嫁にしたがる」「柿で人を誘う」「知能は動物」という特性から、正体は猿の妖怪ではないだろうか?
また後述するが、彼と思わせる存在のことを「サルのなきごえ」としている箇所もある。

また彼の体は真っ白だが、日本に残る猿と人との異類結婚譚の一つに「白猿伝」がある。
これは若い女性が白い猿にさらわれ子どもを身ごもるというものである。

嫁にした女性は、「死んではいないが、この世にいるとも言えない状態」になることから異界に属する存在になってしまうのだろう。

「残念ながらAちゃんは生きてはいないと思う。しかし、霊視対象が死んでいた場合、私には写真の中の人物がかすんで見えるが、Aちゃんはかすんでいない。こんなことははじめてで驚いている。Aちゃんは生きても死んでもいないとしか答えようがない」
某週刊誌 1989年3月14日号掲載「実録!奈良県行方不明少女に新事実か?」


参考:サルの異類婚姻譚と「白猿伝」


ジャンプ女と男の子(赤い女)

赤いコートを着た女性と男の子のセット。
女性の方は「ドンドン」と規則的にジャンプする姿と、両手を真上にあげている姿の二つが確認されている。

2001年ごろ、関西某所でいじめを苦に自殺した男の子と、その後を追って自殺した母親がベースになっていると思われる。

男の子は「首がぐらぐらしている」とのことで、首吊り自殺をしたのではないかという説もある(実際の死因は不明)。

まっしろさんに比べて異様に殺意が高く、まっしろさんは一度も身代わりでいい(推測込み)に比べて、こちらは繰り返し身代わりを求めてくる。

2014年3月発行掲載 短編「待っている」では、不動産業者が強烈に「マンション5号棟3階」をプッシュしてくるが、彼も赤い女に魅入られて生贄を捧げ続ける運命にあるのかも(一度で済まないから)。

考察

母親は●●●●●に存在していた宗教施設の信者ではないか?

確か僕より前にいた先輩なんかはあのあたり宗教施設の潜入ルポを書いたって言ってました。時代ですよね。

宗教と言ってもただの仏教やキリスト教などであればわざわざ潜入する必要性がないので、恐らく何らかのカルト新興宗教だと思われる。


私は、この新興宗教が悪魔(ましろさま)を祀っていたのではないかと考えている。

「ましろさま」とは、●●●●●にある小学校で流行っていた遊びのことで、その中身が「赤い女」の行動と合致する

「夜に嫌なもの見ちゃったなあとは思いましたが、あまり気にせずに画像一覧に戻って引き続き物件の情報をみはじめました」
 スクロールを繰り返しながら10分ほど没頭していたところで、それが目に入った。
「はじめはまた例の画像が表示されているのかと思いました。でも、少しだけ違和感があったんです」
 考えるより先に画像をタップしていたという。
「場所は多分同じです、荒れた和室。女の人も同じ。でも今度はその女の人が真上に両手を挙げている状態でした」
某月刊誌 2015年2月発行掲載 短編「賃貸物件」より
 その住人はマンションの向かいの一軒屋に住んでおり、居間から窓を通してマンションのベランダが見えるのだそうです。21時ごろに何気なくベランダに目をやると、5階の角部屋、つまりAさんの部屋のベランダに赤系のコートのような服を着た女性が両手をあげて万歳するような格好で立っていたそうです。その女性はAさんの部屋のほうを向いて一定間隔でジャンプをしていたそうです。
インタビューのテープ起こし 1

女の怪異は「両手を上げて万歳」しながら「一定間隔でジャンプ」をしている。

小学生の3年生から4年生にかけて通っていた●●●●●にある小学校で流行っていたものだった。
ましろさまって呼ばれていたらしいです。やり方は簡単で、立った状態で両手を上にあげて『ましろさま ましろさま おいでください』って唱えた後、3回その場でジャンプする。それだけです。そうすると、ましろさまからお告げをもらえるって話でした」
某月刊誌別冊 2018年7月発行掲載 短編「浮気」

この「遊び」の元となったものが新興宗教の儀式であれば、一部の子ども(信者の子)がとても熱心に行っていたのもうなづける。

でも、その子が通ってた小学校では一部の子がすごく熱心にやってたってみたいなんです
某月刊誌別冊 2018年7月発行掲載 短編「浮気」

母親は生前にスピリチュアル系にハマっていたことが分かっている。
このスピリチュアル系というのがこの新興宗教なのではないか?

228:関西軍曹:2011/01/15(土) 13:55:04 ID:H7cKvHk1c
お札は全然ない
でもなんかこういう系の本とかCDとかいっぱいある
※リンク切れURL※
229:名無しさん:2011/01/15(土) 13:55:12 ID:5tBqe2fQ6
あっ… (察し)
231:名無しさん:2011/01/15(土) 13:55:43 ID:e9wcjVsbu
これはキテますねえ
234:名無しさん:2011/01/15(土) 13:56:01 ID:gBbp5D2vd
なんだただの電波か
235:名無しさん:2011/01/15(土) 13:56:34 ID:fJf96cCp4
スピ系奥さまだったってこと?
ネット収集情報 3

そして息子を復活させる方法を聞くために儀式を行った結果、母親は悪魔(男の子)の召喚に成功(息子の復活に失敗)した。


さて、作品内に登場する怪異の一つに「呪いのシール」というものがある。
これは、4隅に「了」と書かれたもの或いは「女」と書かれたもので、更に
鳥居とその中央に人型の絵が描かれている。
なぜシールが2種類あるのかは現在のところまだ明かされていない。

結論から言うと、「了」は恐らく自殺した子供の名前である
作者ページでは自殺した子供の名前が「あきら」であることが示唆されている。

https://kakuyomu.jp/users/sesuji/news/16817330654329836615


「了」は「あきら」と読めるので、このシールは男の子自身に関連するものである可能性は高い。

男の子の赤ちゃんの名前辞典

また「ネット収集情報4」ではお札屋敷(赤い女の家)の中に「了」と書かれたお札(シール?)が発見されている。

ネット収集情報4

2012年にインタビューを受けた男性は、霊能者から女を媒介にして「霊よりも一つ上の次元の存在」に憑りつかれてしまったと説明されている。

さて、それが何故「悪魔」なのか?

「読者からの手紙2」では、編集部に読者から不気味な手紙が届いたが、それは「赤い女」を弾劾するような内容だった。
そして、その中に「アキラ=あくま」と解釈できる文面がある。

悪魔を殺さないと せんせいもさういっています
アキラはあくまのこといいます   あのヲンナが生んだ 股からではない
とほいところ
読者からの手紙 2

ジャンプ女が息子を復活させる儀式を行おうとしたが失敗し、悪魔を召喚してしまったと読める。

アキラ(了)は「女が股からではない、とほ(お)いところ(異界)から(儀式で呼び寄せた)悪魔」である。


*「赤い女」こそが新興宗教の主である可能性もある

子どもが自殺したのは2001年ごろで、その後母親も自殺をしている。
母親の自殺年は明らかではないがそう遠い年数ではないと思う。

「ましろさま」が小学校で流行していたのは「2018年発行雑誌の2年前に大学3年生(20~21歳。留年はしていないと仮定)だった人物が小学3~4年生(8~10歳)だったとき」のこと。
つまり概ね2004年ごろの話になる。

今から2年ほど前、大学3年生だったAさんは学内の同じテニスサークルに所属する同い年の男性と交際していた。
(中略)
 その友人は親がいわゆる転勤族で、2年から3年おきに転校を繰り返していたのだという。それは、小学生の3年生から4年生にかけて通っていた●●●●●にある小学校で流行っていたものだった。
「ましろさまって呼ばれていたらしいです。」
某月刊誌別冊 2018年7月発行掲載 短編「浮気」


つまり(推定で)母親が自殺した後のことなので、偶然母親が悪魔を召喚したことをきっかけに新興宗教ができた可能性もある。

この説を取るならば、赤い女の「上を見て両手を上げる」「何度も飛び上がる」行為は、首吊り自殺をした息子を救おうとした行為が神格化されたものと言えるだろう。


神社の神(大きな口の男)

この記事の第一稿では、2種類の怪異(山の男と赤い女)を軸にして記事を書いたが、自分で書きながら、今一つ納得がいってなかった

また、「読者からの手紙2」において編集部に不気味な手紙を送ったのは、男性の口調で女に対して敵対的であることから、この手紙を書いたのは山の神であるとしたが、そうだとすると手紙の中に違和感がある文面が幾つも存在している。

きのうも西からひびくおとがうるさく    耳 をかしましいのはサルのなきごえかと思ふ ●●●●●
(略)
たべものにも毒は、はいって。いるのですよ
おヤマに あんなもの神なんてはずかし。い 白痴です
よろしければ 柿などまどわされる
読者からの手紙 2


西から響く音がうるさい、猿の鳴き声かと思う」

→山の神は西がテリトリー。また山の神は要求から猿の怪異の可能性


「食べ物に毒が入っている。など(に)惑わされるな」

→山の神は柿で人を誘う


「あんな白痴が神なんて恥ずかしい」

→山の神とされる存在のセリフは

「おーいおーい」
「おいでー かきがあるよー」

と言った単純な繰り返しに加え、それを聞いた人の印象は、ただ人間の音声を真似しているだけと感じており、知性自体が存在していない動物か……?🐒

「おいでー こっちにおいでー かきがあるよー」
 はっきりした声で、そんなことを言ったんです。でも、なんていうのかな。心がこもってないっていうか、本当に棒読みをしているみたいな感じで。もっというと、日本語の意味をわかってないひとが話してるみたいな。人の真似をした動物が話してるみたいな感じでした。
某月刊誌 2006年4月号掲載「林間学校集団ヒステリー事件の真相」


逆に、編集部への手紙の主は(内容はともかくとして)文面は単純ではなく、一定の知性は感じられる

では逆にこれが「赤い女」側が書いた可能性はあるのだろうか?
しかし、この手紙ではヲンナや「アキラ」に対しても敵対的であるし、ほぼ確実に「赤い女」が送った「読者からの手紙3」の文体とあまりにも違いすぎる(そもそも手紙なら自分で書くだろう)。

となれば、本当は東西の二種類以外にも、中央に鎮座する「第三の怪異」が存在し、彼(若しくは下僕)が書いたと考えた方が色々な事象に納得がいく。

そして第三の怪異とは2005年にバイカーが祠から解放してしまった「神社の神」ではないか。


考察

「神社の神」は、元々山の中心地に鎮座する神社の祠に封印されていた。
祠の中には人形が詰められていたことから、地元の何者かが彼に捧げものをして収めていたのだろうが、何らかの理由(老衰?)で途中からこれなくなったのではないか。
少しずつ漏れ出す怪異にたまたま触れてしまったバイカーが誘われ、解放してしまったかのように思う。

その次が山のふもとにある何かボロボロの鳥居の写真。鳥居の向こう側には山に続く階段がうつってた。
(略)
そんな意味不明な写真が終わると次は神社の本殿っていうのかな? それが見切れてうつってる写真だった。ピントもあってないし、ブレててはっきりとはわからなかったけど、廃墟みたいな屋根も半分落ちてる状態の建物だったと思う。扉は閉じてたから中はわからなかった。
(略)
普通、そういう祠の中って何かが祀ってあるもんだと思うんだけど、そういうのはなくて、代わりに大量の人形が詰め込まれてた。りかちゃん人形とかフランス人形とか日本人形とか美少女のフィギュアとか、種類も大きさも、多分年代も違う女の子の人形がギチギチに祠の天井までいっぱいに詰め込まれてた。
ネット収集情報 2

この「神社の神」は様々な面で山の神と類似しているが、細かく詰めていくとやはり別の神格の可能性が高そう。

まず、「山の神」とほぼ確定している描写では、彼は「白い巨躯で裸である」ことが概ね共通しており、極めて印象に残る姿だ。

しかし、この「神社の神」(と推測される神格)は「大きな口を持つ人間の男」として描写されている。

登場しているのは「読者からの手紙1」と「短編心霊写真」の2箇所。

どちらも体の白さや特異な大きさについての記述がないので、山の神とは似て非なる別の神であることが分かる。

その夢の中では私は夜の山道を登っています。
背の高い木がたくさんしげっていて、月の明かりもほとんど届きません。
私は、山道に敷かれた古い階段を登り続けています。
階段の両脇には石灯篭ぽつぽつとたっていますが、たいてい倒れています。
たぶん山へと続く階段の終わりには傾いた鳥居が立っています。

男はその鳥居の下で私を待っています。
大きな口を開けて
読者からの手紙 1
「でも、それから変な夢を見るようになりました。目が覚めたときには内容をあまり思い出せないんですけど、怖い夢です。山の中みたいなところで、大きな口を開けた男の人に追いかけられているような夢です。私も、呪われてしまったのかも知れませんね」
某月刊誌別冊 2010年5月発行掲載 短編「心霊写真」


山の中心に位置する神社を根城とし、祠もボロボロであることから、かなり歴史のある怪異であろう。

また、彼が山の神と違うのは、彼の怪異は人の自殺願望を掻き立て、多くは飛び降り自殺に誘うというもので「嫁が欲しい」山の神とは明確に目的が違う。

(この飛び降り自殺については後述)


また、一番初めの記事であるAV女優の記事で登場する謎の書き込みの主は女性に対して「かきもあります」と誘っている。

 そんなことを続けて数か月、また例の女優の出演作が転載されている動画が投稿された。そのコメント欄にはこう書きこまれていたという。

『お山にきませんか。かきもあります。
某月刊誌別冊 2017年7月発行掲載 短編「おかしな書き込み」


しかし、前述の「動物のような知能のまっしろな怪異」は「かきがあるよー」と人を誘っている。

「おいでー こっちにおいでー かきがあるよー
(中略)
日本語の意味をわかってないひとが話してるみたいな。人の真似をした動物が話してるみたいな感じでした。
某月刊誌 2006年4月号掲載「林間学校集団ヒステリー事件の真相」


一見すると微妙な表現の違いでしかないように思えるが、実はこの二つのセリフは話し手が違うことが作者のコメントから分かっている。

AV女優への書き込みは内容はともかくとして応答はできていることから、これはやはりまっしろさんとはまた別の怪異である「神社の神」なのではないか。


実は彼を映した写真がある。

作者欄の近況ノートに「IMG_0053」という記事があり、そこにはただの真っ黒な写真が掲載されているだけなのだが、実はこの写真のホワイトバランスをいじると大きく開いた口が浮かび上がる・・・

(閲覧注意)

「IMG_0053」元画像(真っ黒写真)

「IMG_0053」光調整版(大きな口)


呪いのシール=「神社の神」への儀式説

「呪いのシール」の情報は少ないが、今のところ何者かがこれを広めようとしているというのは分かっている。
そして「了」のシールと「女」と書かれた2種類があるのは先ほど述べた通り。

推測だが、このシールは山の根源的な力の持ち主である「神社の神」から力を吸い出すものではないか。

このシールは文字こそ違えど中心に鳥居と不気味な人影があることは共通している。
これは、鳥居(神社)が全ての力の源であることを示している。

シールが2種類あるのは、もちろん「山の神」と「赤い女」の違いだろう。

山の神→「女」と書かれたシール。主が古い存在だからアナログ(手書き)で量産しようとする。

男の子→「了(あきら)」と書かれたシール。新しく生まれた存在だからデジタル(チェーンメール)で量産しようとする。(「読者からの手紙2」にも、赤い女側が電波を得意とするようなことが書かれている)

このシールの力を使って怪異たちは「神社の神」の力を奪い合っている

だから、「読者からの手紙2」で神社の神は「山の神」と「赤い女」の両方に憤っているのではないか。


また、シール以外にも「神社の神」に関わりそうな要素がある。

●●●●●では何度も自殺が取り上げられているが、最も多いのは飛び降り自殺である。

まずは山の西側にあるダムでの飛び降り自殺がある。

 それからしばらくして、Rさん亡くなっちゃいました。
 自殺だったそうです。
 休日に突然「●●●●●に行ってくる」って言ってひとりで出かけたらしくて。ダムに飛び降りたそうです。
 お葬式にも参列したんですけど、旦那さん、憔悴しきっちゃっていて見てられませんでした。
某月刊誌 2008年7月号掲載「謎のシール、その正体に迫る!」
 8月18日、●●●ダムで付近の住人から「ダムに不審なものが浮いている」と110番があった。駆け付けた●●●署員が、女性および女児が浮いているのを発見。間もなく死亡が確認された。
(略)
 同署によると、被疑者が以前より近隣住民に「近々、家族でお世話になった方に会いに●●●の山へ行く」と話していたという証言を得ていること、被疑者宅と●●●ダムに相当の距離があることから共犯がいる可能性も踏まえて捜査する方針。
ネット収集情報 1

また、幽霊マンションは山の東側にあるが、その棟からは何度も飛び降り自殺が起きている。

 いくつか部屋を見て回った中で最終的に母が決めたのは5号棟の3階の一室だった。10階建てではあるが高層階は昇り降りが手間だろうということ。5号棟は比較的単身者用や2人暮らし用の間取りが多く、似た環境の中で近所づきあいがしやすいという不動産屋の強い勧めに従った形だった。
(略)
5号棟で自殺があるのは今回がはじめてではないらしい。それどころか、毎年のように人が何人も飛び降りている。一部では自殺の名所として有名なのだそうだ。
「待っている」掲載前原稿


なぜ、山の両側で飛び降り自殺がそれぞれ起きているのか?
「小沢君」は、実はこの自殺は神社に向かって行っているのではないかと推測している。

なぜ5号棟からだけ人が飛び降りるのかも説明がつきそうです。航空地図上の山の中にポツンと見える小さな建物、つまり例の廃神社とマンション群を直線で結んだときに一番近くなるのが5号棟になるのです。
「待っている」の中で二人は窓の外を見下ろして飛び降り自殺を目撃します。飛び降りる人間がたまたまそこ選んだのでなければ、神社に近い棟の中でも一番神社に近い面、つまりは屋上に立って神社の方向に飛び降りた形になります。
山の西側ではダムに飛び降り、東側ではマンションから飛び降りるのかも知れません。
『近畿地方のある場所について』 3

つまり、神社に向かって飛び降り自殺をさせることは、彼に対して供物を捧げることになり、これもまた力を引き出すことに繋がるのではないか。

マンションの話には「5棟3階」という数字・・・「53」がで出てくる。

この「53」という数字は前述の神社の神のものと思われる口が撮影された写真の番号「IMG__0053」と同一である。

更に「学校の怖い話シリーズ その八」では人を死に誘うチャイムが紹介されている。
夕方時のチャイムがときどき分遅れになり、それを聞くと死にたくなってしまうという。

その八 「下校のチャイム」
 夕方の五時になると放送室から自動で鳴る下校のチャイムが、ときどき勝手に三分おくれるのだそうです。それは昔自殺をした生徒が死んだ時間なのだそうです。その時間のチャイムを聞いてしまうと、何だか死にたくなってしまうのだそうです。
「学校の怖い話」シリーズ

「53」は「神社の神」に供物を捧げる大きな意味があるのかもしれない。

「丑三つ時」丑が五の文字に見えるのでそれをモジったのか?
(もっとも丑と五は形が似ているだけで、全く違う意味なので割とこじつけ)


作者「背筋」について

モキュメンタリーでは、作者は往々にして重要人物である。
そもそもこの作品は「過去に残された資料を代わりにアップロードしている」だけであり、厳密な意味での作者ではない(という設定)。

コメントにも「この作者は知ると伝播する呪いを広める役割なのでは?」というものがあるが、実際そのように思われる伏線がいくつかある。

・作者の自己紹介が「たすけてください」

非常に玉虫色の表現
(真相に迫りたいので)助けてください
なのか、
(呪われてしまったので)助けてください
なのか。

・見つけてくださってありがとうございます

「赤い女」関連のキーワードだが、何故かコメント欄で数度この表現で返信コメントとをしているのが見受けられる・・・

「まっしろさん」は一度の身代わりで解放されるが、「赤い女」の呪いは半永久的に身代わりを見つける必要がある。
この表現は「赤い女」の・・・。

・「あ」

2005年に失踪したバイカーのブログには一時期不審な記事が投稿されていた。
そのタイトルは「あ」

そんな空っぽのブログの、本来なら記事が並ぶ一覧にひとつだけ記事がアップされてたんだ。
タイトルは「あ」の一文字。
そのおっさんは「××月××日高知ツーリング」とか「タイヤのメンテナンスについて」みたいなタイトルで記事を書いてたから、投げやりな感じのそのタイトルはすごく変な感じがした。
ネット収集情報 2

この投稿を行ったとき、バイカーは怪異に操られていると思料される状況にあった。

ところで、作者は近況ノートにいくつかの投稿を掲載している。
そのタイトルは・・・


食べ物に味がしない件

仏壇に供えた(神に捧げた)食べ物は味が薄くなるという伝承がある。
「待っている」に登場する母はすでに神の僕となっているため彼女の作るものは味がしなかったのだろう。

可哀想なのがキャンプ場に来ていた家族連れで、意図せずして神に捧げ物をしてしまったことになる。
この時他に客がいなかったということで、この日が「そういう日」なのは常連には暗黙の了解でたまたま来てしまったという感じか。

舞台となった山

舞台は「●●●●●という近畿地方の山」を中心としている。「県を跨ぐ山」で、「南北に連なり」「東が奈良県で東西に分かれている」とあるので、たぶん生駒山がモデルなんじゃないかな。

この山は大阪と奈良を分断するように連なっている南北の山で関西に住む人は大体ここを想像したと思う。
生駒山は霊山であり心霊スポットが多いものの、ダムはないので一か所の特定をモチーフにしたわけではなく、近畿圏の複数個所の心霊スポットを参考にしている可能性は高そう。

その他の謎

・柿の謎

柿は嫁に繋がることで「柿の木問答」というものがあるそうな。

これは新婚初夜の床入り儀式で、「柿をちぎっていい?」「ちぎって(契って)いいですよ」と答えると言うもの。

[関西地方の場合]
男「あんたとこ、柿の木ありまっか?」
女「あるぜ」
男「よう実がなりまっか?」
女「うん、ようなる」
男「わしが上がってちぎってもええか?」
女「はよ上がってちぎってえな」
男「ほんなら、ちぎらしてもらいます~」
参考「柿の木問答って何?」

猿神であることも柿に繋げているのかもしれない。



・ビジネスサークルの謎の言葉

現在のところ全く不明。
ちなみにググったら「シーザー暗号で解ける」という5chスレッドが引っかかるがでたらめである。
ChatAIで検索してもいまいちいい答えが出てこない情報求む。




とりあえず、今のところは以上です。
本家では更新が続くのかここで終わってしまうのかが分からない状態ですが、今後の展開によってはまた内容が変わる可能性は高いです、ご了承ください。

かなりの長文になってしまって、読んだ人も疲れてしまったと思います。

ちょっと休憩します。見つけていただいてありがとうございます。























山へ行きませんか?









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