最悪のことを想像しよう。大不況時は先物買いが我々を守ってくれる。

暗い時代です。
こんな暗い時代には、明るいことをかんがえなければいけない、という考え方もありますが、無理して明るくするのは、自然に反すると思うのです。


美輪明宏さんの「正負の法則」にもありますように、悪いことにそれなりの意義を認めてみるのはどうでしょう。

正負の法則という言葉を聞くと、多くの人が
「悪いことがあると良いことがある」
「良いことが続くと悪いことが起きる」
こんなふうに理解しています。

これ、間違ってはいないのですが、「良いことが続くと悪いことが起きる」という発想は、ちょっと違います。

人生は、「正」と「負」の両方のバランスで成り立っています。
「正」しかない人、「負」しかない人は基本的に存在しません。
朝と夜があるように、「正」と「負」は両方で一対です。
「正」と「負」をちょっと違うかたちでみていましょう。

「正」はあなたの右手でもつ荷物、「負」はあなたの左手でもつ荷物だったとします。
大きな「正」をもつためには、「負」も大きいものでなくてはバランスが保てません。
逆に、小さな「正」をもつのであれば、「負」も小さいもので大丈夫。
つまり、「正」と「負」はバランスの法則なのです。

もっと簡単にいうと、大きなお金、幸せ、名誉を得たいのなら、それを得られるだけの負を支払う必要があるのです。

もしも、いつも徳ばかりしていてうらやましいと思う相手がいるのであれば、その人が支払っている負の部分にも注目してみてください。

あなたが想像を超えるような苦労や努力をその人はしているはずです。
今、あなたが負だと思っている事件や事柄は、あなたの今後の人生を楽にするために必要な事柄です。
正を得るために必要な負なのです。
そして、あなたが負だと思っている苦労は、自分が生まれてくる前に自分が決めてきた負でもあります。

私たちはこの世に生を受けるときに、自分が乗り越えるべきこと、自分が成し遂げるべきことを決めて生まれてきています。
あなたの正はあなたが決め、あなたの負もあなたが決めてきたものなのです。


あなたが負に見えているものは、正を生かすための負でしかないのです。
そして、正負の法則はどんな人であっても例外はないのです。
どんな人も、すべてが順調で楽々な人生なんてありえません。

もし、そんな人生があったとしたら、それは、その人自身が負を自分の糧として生かしている証拠です。

普段の何気ない出来事を正負の法則に照らし合わせてみてください。

大変な仕事が「負」だとしたら、その仕事が終わった後の至福の時を過ごしている時間が「正」となります。
仕事が大変だから、至福の時が最高と感じられるのです。

ただ、これもその人の考え方次第で、負を大きく感じてしまう場合や、正をこれっぽっちと感じてしまう場合もあります。

これではもったいなさすぎますから、正を魂でいっぱい感じとるようにしてください。

あなたがうらやましいと思う人、あなた以上に幸せだと思える人、すべてに満たされて幸せそうなその人は、あなたの想像を超えた負を乗り越えてきた人なのです。


「若いころの苦労は買ってでもしろ」
なんて言いますよね?

これは負の先回り、または、負の先払いをするという意味合いでもあるのです。
若い時に正ばかりを得ていると、年をとってから負を得ることになります。

若い時には多少の苦労も気力や体力があるので、辛くても乗り越えてしまうのですが、年をとってからの苦労はとても苦痛に感じます。

辛いのが嫌なら、先に負を使ってしまえばよいのです。
これが「負の先回り」をするというものです。

人生レベルはもちろん、普段の生活レベルでもこれを役立てることができます。
たとえば、楽な仕事ばかりを選んでしていると、あとで苦労します。
ですから、進んで大変だと思える仕事をまずは選んでやっていきます。
誰もがやりたくない仕事を選び、率先してやっていくのです。

その経験があなたの血となり肉となり、魂を磨き、あとには自分が望んだ仕事ができるようになります。

嫌なことがあったり、辛いことがあったら、
「今は負を先に使っているのだ」

と思うだけで気持ちも楽になるでしょう。
自ら負を先回りしていくことで、その負の経験があなたを支える大きな力にもなってきます。
大変だと思える事柄こそ、どんどん進んで負を先回りして使ってしまいましょう。

コロナの大不況に当たって、思うのは、最悪の事態を想像していしまうのです。
タイムマシンで近未来に行っちゃって、どうしてこんな悲惨なことが起きたのかをどうすれば被害を少なくできたのかを見聞してきちゃうのです。

そうすると、そこまで現実に酷いことが起こらなかったら、その差額分が儲けです。

いわゆる大恐慌の時代の「先物買い」です。
気休めと思うかもしれませんが、この気休めが運命をわけるのです。

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