2022年2月から始まったロシアとウクライナの騒動の真実は?
2022年2月24日にロシアはウクライナに攻撃を仕掛けた。筆者はこの事実にとても驚いた。
この騒動は、インテリジェンスにおいてとても良い例題になるので、順を追って考えてみよう。
欧米系のメディア(加えて、欧米のメディアをコピーして垂れ流すだけの日本のメディアも同じ)の論調は一辺倒で、「独裁主義者のロシアはウクライナに進行した。ロシアのプーチン大統領は悪である。」と言ったものである。
一方で、ロシア側としては、プーチン大統領は「ウクライナは2014年のクーデター以降、欧米の植民地とされ、傀儡政権となった。今回のロシアのウクライナに対する作戦はウクライナの非武装化と非ナチ化が目的である」と主張し、ウクライナに対する攻撃をウクライナにある軍事基地に限るとした。
そして蓋を開けてみると、欧米系のメディアからは、ロシアが民間人の住居をミサイル攻撃する映像が報道された。
さて、これらの主張や報道内容は全て真実だろうか?筆者は多くの疑問を持った。
まず、ウクライナには半数が親ロシア派のウクライナ人が住んでおり、残りの半数は親欧米派のウクライナ人が住んでいる。
ウクライナは旧ソ連の一部であり、ソ連が崩壊してからウクライナとして独立したが、歴代の大統領はロシアの支援を受けた大統領と、アメリカの支援を受けた大統領が政権を奪い合っており、近年は親ロシア派大統領が選挙によって選ばれ、それに対して「不正選挙だ!」として騒いだり、デモやクーデターを起こして政権を奪ったのが親欧米派の大統領なのだ。
そんな中で、親ロシア派でもなく、親欧米派でもないと期待される、現大統領のゼレンスキーが選挙によって選ばれた。
ゼレンスキーが本当に新ロシア派でも、親欧米派でもないかは、筆者にはわからない。材料が少なすぎるために判断できないのだ。
今回の状況を理解するために忘れてはならないのが、ウクライナの東部は親欧米派によって、親ロシア派のウクライナ国民に対する虐殺が行われており、欧米メディアはこれを報道していない。その裏でロシアのプーチン大統領は、これらのウクライナ国民を食料などの物資の供給や難民受け入れを行ってきていた。
このようなプーチンによる善行が欧米メディアでは報道されていないのだ。
ウクライナの東部にすむウクライナ人はロシア語を話す、極めてロシア人と親和性の高いウクライナ人であることにも留意したい。
このような状況の中で、アメリカは過去の日本との太平洋戦争や朝鮮戦争など、その後も様々な戦争の局面で行ってきたのと同じような、挑発行為をロシアに対して行ってきており、2022年2月23日までは、ロシアはアメリカの挑発をあざ笑うように、あしらっていたのだ。
だから、この時までは、筆者はロシアは挑発には乗らず、ロシアはウクライナに手を出さないと思っていたのだ。
それが急遽、ロシアはウクライナに攻撃したのだ。
当初のロシア側の意向としては、ロシアの喉元であるウクライナがNATOという対ソ連(現ロシア)のための多国籍軍に加盟してほしくない、ウクライナに米軍基地を置いてほしくないということを主張していた。
そんな中で、欧米のメディアが報道するのは、「ロシアがウクライナの首都キエフを含めたウクライナの全土に攻撃を加えた」というものであった。
戦争には常に情報戦がつきまとう。
一体、どの情報が本当で、どの情報が嘘なのだろうか。
欧米側はとにかく「ロシアは悪者」として主張したいという意図がある。
ロシア側はとにかく「ロシアの軍事行動は正当性がある」と主張したいという意図がある。
多くのメディアやSNSでは、「欧米は正義」と結論付けたり、「プーチンは悪くない。プーチンこそ正義」という、善悪二元論ばかりの論調が目立つ。
世の中はそんなに単純ではないのだ。誰しも、善であり悪であり、善であっても悪を側面を持ち、悪であっても善の側面を持つのだ。
このロシアとウクライナの問題も、更なる視点を加えると、今まで見えなかった真実が見えてくるのだ。
このような見方こそ、インテリジェンスの基本なのだ。
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