法律やルールとの付き合い方:日本企業vs外資系企業
世の中には様々な法律やルールがある。
守らなければ罰則をかけられるものもある。
多くの企業は様々な法律やルールによって、一部の行動が規制されている状況だ。
そんな中、日本企業と外資系企業で、法律やルールとの付き合い方の違いがある。
今、公道を走る自動車に「法定速度60km/h」という法律があったとしよう。
日本企業ではこんな感じだ。
コンプライアンス部「社員のみなさん。ご存じかもしれないが、公道を走る場合の制限速度は60km/hに定められた。弊社の社員としての意識をもって、公私ともに法定速度を守って、弊社の社員としてふさわしい行動をしてほしい」
このような案内がコンプライアンス部から通達がある。
社員の反応はおおよそこうだ。
「えー、何言ってんだよ~、いつでも60km/hなんか、守れるわけないだろ~むりむり~」と言って、聞かなかったことにする者もいれば、
「はい!わかりました!守ります!」と言って、一生懸命守ろうとする者もいる。
こうして、ルールを守らない者の数が多いか、守る者が多いかは、その後の自然の行動によって左右され、多数派が空気となり、多数派が全員となっていく。
結局、ルールを守ることになった場合は、守ったことによってさまざまな弊害が出ても、「だって、そういうルールだから」ということで、弊害は無視される。それによって業績が傾こうがお構いなしだ。
逆にルールを守らないことになった場合は、「こんなルール、守れるわけないんだからいいよ、いいよ~守らなくたって」と言って、いつか捕まるまでルールを破り続ける。
対して、外資系企業はこんな感じだ。
コンプライアンス部「社員のみなさん。ご存じかもしれないが、公道を走る場合の制限速度は60km/hに定められた。弊社の社員は高いコンプライアンス意識を持つことで、社会に貢献することが求められているのだ。みなさんには、公私ともに法定速度を守って、弊社の社員としてふさわしい行動をすることで、弊社の社員として模範的にふるまってほしい」
そして社員の振る舞いは大して変わらない。
しかし、社員の意識は違う。
「われわれは、これまでも高いコンプライアンス意識で様々な法令を遵守してきた。われわれはこれまで通り、法定速度を守るのだ」と。
そして、多くの社員は法定速度を守らない。収益は絶対なのだ。全ては犠牲のものの上に成り立っている。
コンプライアンス部の人間も慣れたもので、そんな社員の行動は気にしないのである。
そして、中には法定速度を破る者が出てくると、罰則の程度によって、違反社員には厳重注意から解雇まで、様々な対応をし、被害者の処理もお手のもの。まるで、法律違反が起こることなど、事前に想定していたかのようだ。
以上のような違いが、日本企業と外資系企業にはあるように思う。
ここに、「ルールは絶対である」と考える民族と、「ルールは破るためにある」と考える民族の違いが垣間見えるような気がするのだ。
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