多くの言論人の言葉において注意すべきこと

信頼のおける人の言葉は信頼ができる。
難しいことをわかりやすく解説してくれる人の話は信用してしまう。
これが落とし穴になるということが今回の話だ。

言論界には、そのスポンサーがいつもある方向にもっていきたいという陰謀がある。
その陰謀に向かって、スポンサーの意向に沿う範囲内で言論人が言論を行っているのが現状なのだ。

日本には言論統制や検閲がないと思われている。
しかし現実には、大手新聞社、マスコミはもとより、発行部数がそれほど多くない保守系雑誌までも、タブーの話題があり、タブーの話題を寄稿しようとすると出版社に止められ、実質的に言論統制される。
ある程度、影響力のあるメディア媒体に出版を差し止められることになるので、実質的には検閲がある状態と同じだ。

だが、そのような現実を多くの日本人は知らない。
そして、いつも似たような言論人やコメンテーターを出演させ、全くの素人の分野についても発言させる。
もちろん、それらの分野については全く詳しくなく、スポンサーの意向に沿った内容の話を、あたかも「信頼のおける専門家」のように語らせるのだ。

確かに、ある分野にとてもよく精通した科学者は、その科学理論を他の分野に応用して、様々な分野についても有識者となる人もいる。
しかし、これはとてもまれなのだ。

経験がないにも関わらず、あたかも経験があるかのように語る者の話にどれだけ聞く価値があるだろうか。
中身のない商品を、あたかも中身があるかのようにして売る者のことを「詐欺師」という。
何の経験もなく、何も知らないくせに、あたかも経験豊富であるかのように語る者は詐欺師ではないのか。
そのような詐欺師はそこら中にたくさんいるが、最近だと元財務官僚で経済政策には詳しい言論人が突然半導体業界のでたらめを語り始めたときには、あまりにもそのでたらめぶりを見て驚いてしまった。

ある業界で働いてきた経験のあるものが、別の業界について語るとき、業界は違えども同じような構造であるがゆえに、その業界の経験はないものの、実際に経験があるかのように語れる人はいる。
しかし、実際に実務に携わらなければわからないことがたくさんある。
業界に属し、組織に属し、その中で苦楽を経験することでしか、ビジネス業界の問題はわからない。

にもかかわらず、多くの言論人はたった一度も企業や組織で働いたことがないことがないにも関わらず、平気で業界を語って言論を語っている。
筆者からすれば、明らかに業界を知らない者が書いた言論が多く出回っている。

われわれには人と人ととのつながりによって、情報を得ることができる。
現代では、インターネットなどを活用することで、さらに様々な情報を得ることが可能になった。
確かに、インターネットは嘘の情報も多い。
しかし、情報や人へのアクセスも容易になったのは事実なのだ。
結局は、リテラシーを高め、インテリジェンスを磨くことで、正しい情報をつかむしかないのだ。

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KAZU@AQUOIBONISTE
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