外国語の学習のすすめ、異文化への理解のため

人の数だけ考え方がある。
文化の数だけ考え方がある。

人間一人一人の考え方の違いも大いにあるが、人の思考は大いに言語に左右される。
人が物を考えるときには、言葉は必須となるのだ。
つまり、どの言語をもとにして考えをめぐらすかによって、大きく考えるパターンが異なるということなのだ。

人が多面的なものの見方をするのはとても難しい。
そもそも、多面的な見方をしようと努力をするものが少ない。
たとえ多面的な見方をしようと努力をしても、そもそもの見方が偏ってしまうため、結果として多面的な見方ができない。

そんな時に役に立つのが、外国語の知識だ。
外国語を学び、外国語が話せるようになると、その言語での考え方が理解できるようになる。
つまり、外国語を話すときには頭で外国語をベースにして考えて、言葉に出すようになる。

だが、例えば日本語英語にとどまる限り、日本語で考え、日本語を頭の中で英語に訳し、その英訳を口にすることになる。
これでは正確な英語は話せないし、伝わらない。
ましてや、英語での思考ができるようにはならない。
しかし、英語で物事を考えられるようになると、そもそも頭の中で英語で考えて、英語で言葉を発するようになるのだ。
これによって、英語での思考方法が身につくというわけだ。

筆者は英語とフランス語であれば、それほど会話に困らない程度に話すことができる。
加えて、イタリア語とドイツ語は、簡単な会話でなければできないが、思考回路がわかる程度には学んだ。
これらの言語は国は隣り合わせにあるものの、ものの考え方が全く異なることが実感できる。
これは、実際に自分が言語を身に付けて体感してみないと理解できない。
日本語と英語のみの時には、それほど感じなかったが、これにフランス語が加わった3か国語での思考ができるようになってから、言語による考え方に大きな違いがあることが実感できた。
出来れば、3か国語以上の言語の習得をお勧めする。

筆者の場合、何かの問題を考えるときに、日本語脳の自分と、アメリカ英語脳の自分、イギリス英語脳の自分、フランス語脳の自分の4人がぱっと出てきて、4人が議論するようなイメージである。
自分の脳の中で既に、4か国の異なる国の人間が議論するような感じである。

近年、生活環境の変化で一人の時間が増えた人も増えたのではないかと思うが、そんなときに外国語を学ぶということをお勧めしてみたいのである。
きっと、あなたの感受性を広げ、人生を豊かにしてくれるに違いない。

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