「政府の赤字はみんなの黒字」というマクロ経済学の超基本を解説しよう
経済学を勉強する大学生がマクロ経済学を勉強し、最初に理解する基本中の基本が「政府の赤字はみんなの黒字」である。
「政府の赤字はみんなの黒字」というのをわかりやすく言い換えると、「政府が国債を発行して支出増となると、国民全体としては収入増の黒字になる」ということである。
このマクロ経済学の基本さえも理解していない者、あるいは、理解しているにも関わらず意図的に無視している者が日本の財務省を支配している。
大学一年生が理解できるようなマクロ経済学の超基本さえも無視されて運営されているのが、今の日本政府なのである。
「政府の赤字はみんなの黒字」ということを理解するために、まず、マクロ経済学を簡単に説明しよう。
マクロ経済学とは国単位や世界全体単位の大きな経済を取り扱う経済学である。
これを理解するためには、まず、世界には二人の人、AさんとBさんのみがいるとしよう。
つまり、AさんとBさんの経済活動が世界全体の経済活動であり、AさんとBさんの経済活動がマクロ経済そのものということである。
今、Aさんがリンゴを一つもっているとする。
Bさんはリンゴが欲しいので、Aさんからリンゴ一つを100円で売ってもらうとする。
そうすると、Aさんは100円の収入を得て、Bさんは100円の支出をする。
経済活動の全体がこれだけとなると、収入が支出より多い場合を黒字、逆に支出の方が収入より多い場合を赤字と表現するので、Aさんは100円の黒字、Bさんは100円の赤字となる。
Bさんは赤字となってしまったのだが、それはAさんが黒字となることと同時に起こるということなのだ。
つまり、これより、「誰かの赤字は誰かの黒字」ということになることがわかる。
これをさらにケインズ経済学で語られる経済全体のGDP(国内総生産)で見てみよう。
GDPは以下の式であらわされる。
この場合の「収支」というのは、「収入マイナス支出」のことで、収入の方が支出より多い場合は黒字、逆に支出の方が収入より多い場合は赤字となる。
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