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朝と昼の過ごし方で眠りが変わる|幸福ホルモンが導く質の良い睡眠


朝と昼の習慣で眠りの質が変わる?

睡眠不足や不眠に悩む人の多くは、まず夜の過ごし方を改善しようとします。しかし、質の良い睡眠を得るためには、実は「朝」と「昼」の行動が大きく影響します。
※夜の習慣はぜひ前回記事をご参照ください。

脳内ホルモン「セロトニン」を整える朝の習慣、活動的な昼の過ごし方を取り入れることで、自然と夜の眠りが深まり、心と体のバランスが整いやすくなります。今回は、その具体的な方法を科学的根拠に基づいて解説します。


朝の習慣:セロトニンの活性化がカギ

1. 朝日を浴びて「幸福ホルモン」を分泌する

起きたらまず太陽の光を浴びる習慣をつけましょう。朝日を浴びることで、脳内で「セロトニン」というホルモンが活性化します。

セロトニンの役割
セロトニンは「幸福ホルモン」と呼ばれ、心の安定や前向きな気分を保つ重要な働きを担います。このセロトニンは、夜になると「メラトニン」という睡眠ホルモンに変化します。朝に光を浴びてセロトニンを活性化させることで、夜に深い眠りを得やすくなるのです。

ポイント

  • 起床後30分以内に窓辺や外に出て、10~15分程度太陽光を浴びる。

  • 曇りの日でも光の強さは十分なので、外に出る習慣を心がける。

2. 朝食でセロトニンの材料を摂取する

セロトニンを作り出すには、材料となる「トリプトファン」という必須アミノ酸が必要です。トリプトファンを含む食品を朝食に取り入れると、セロトニンの分泌をサポートできます。

おすすめの食品

  • たんぱく質豊富な卵、納豆、ヨーグルト。

  • その他、バナナやチーズ、ナッツ類もセロトニンの合成を助ける食材です。

3. 軽い運動でセロトニンの分泌を促進する

朝に10分程度のストレッチや散歩を行うと、セロトニンの分泌がさらに活性化します。体を動かすことで、体温が上昇し、心身が覚醒モードに切り替わります。


昼の習慣:活動的なリズムをつくる

1. 太陽光を意識して浴びる時間を増やす

セロトニンは日中の光を浴びることで活性化し続けます。昼間に太陽光を取り入れることで、夜の睡眠ホルモン(メラトニン)の生成をサポートできます。

ポイント

  • 外出が難しい場合でも、窓辺で過ごす時間を作る。

  • 屋外での活動や散歩を取り入れ、自然光を浴びる機会を増やす。

2. たんぱく質と適度な炭水化物を摂る

昼食にはたんぱく質と炭水化物をバランスよく含むメニューを意識しましょう。これによりセロトニンの材料が補給され、心身のバランスが整います。

3. 昼寝は短時間に抑える

昼間に眠気を感じた場合、15~20分程度の昼寝がおすすめです。これ以上の時間を寝てしまうと、夜の睡眠に影響が出る可能性があるため注意してください。

4. カフェインの摂取を適切に管理する

カフェインは覚醒作用があるため、適度に摂取すれば集中力やパフォーマンスを高める助けになります。しかし、摂取のタイミングを間違えると夜の眠りに影響を及ぼすことがあります。

ポイント

  • カフェインが体内に留まる時間は4~6時間とされています。そのため、午後3時以降のカフェイン摂取は控えるのがベストです。

  • コーヒーや緑茶だけでなく、エナジードリンクやチョコレートにもカフェインが含まれているので注意が必要です。

  • カフェインを完全に断つ必要はなく、自分に合った適量を見つけて活用することが大切です。

カフェインとうまく付き合うことで、日中のパフォーマンスを維持しつつ、夜の良質な睡眠を確保しやすくなります。


セロトニン→メラトニンの変化が睡眠を支える

セロトニンとメラトニンの関係は、良質な睡眠を得る上で重要です。朝から日中にかけて十分なセロトニンを分泌させると、夜にその一部がメラトニンへと変化し、自然な眠気を誘発します。この変化は、体内時計(サーカディアンリズム)と深く関係しています。

ポイント

  • 朝の光や運動がセロトニンの分泌を促進。

  • 夜、部屋を暗くすることでメラトニンの分泌が最大化される。


毎日の小さな習慣から

良質な睡眠は、夜だけではなく朝と昼の習慣が、心身のバランスを保つ鍵を握っています。睡眠ホルモンを整えるの準備は朝から始まっているのです。

まずは、朝日を浴び、たんぱく質を摂り、体を軽く動かすところから始めてみてください。これらの小さな習慣が、夜の深い眠りにつながり、日中のパフォーマンスを支える大きな力となるはずです。

ぜひ一つだけでも生活に取り入れてみてくださいね。

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