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ドイツ現金信仰の行方

グーテンターク!皆さまこんにちは。フランクフルトのYokoです。今日は多分来年初めに出るであろうレポートを楽しみにしている、というお話です。

新型コロナウイルスがもたらすドイツ人のストレスはまず移動の自由の制限、そして接触制限だと思います。

現金は不特定多数の人がさわりウイルスがついている(かもしれない)汚いもの避けられるなら避けたいという考えが広まりました。少しずつ小規模店舗や、少額決済のパン屋さんのようなお店で端末が導入されていく過程をみているとそれはお客様からのニーズより従業員の心理的負荷を下げるという意味が多かったのではと私は推測しています。

キャッシュレス化がドイツで今年どれくらい進むのか大変興味があります。

今年9月にこんな記事がありました。タイトルは「支払い行動 コロナは現金主義からの脱却を加速」

記事の概要は欧州10カ国の消費者のうち、平均36%しか現金払いを好まなくなったという民間企業調査。コロナ禍前の43%より低下。

ただし元々現金を好むドイツやオーストリアではまだ高め。オーストリア(57%)とドイツ(56%)でも以前は6割越えだったことを考えると低下傾向キャッシュレスの流れを示唆する記事でした。また欧州であまりすすんでいないのがファイナンス系アプリと指摘、欧州での現金指向は低下しつつもオープンバンキングの流れがなかなか人々に受け入れられていない現状をレポートしています。

オープンバンキングは「顧客の同意を得た後に、銀行が保有する顧客データを提携企業が利用可能となる仕組み」です。

ドイツ人はアメリカやイギリスと違い信用買い(クレジット)を伝統的に好まないのでクレジットカードはあまり持たず、デビットカードは持っています。しかしこれまでは現金引き出し用の用途が多かったです。

.99 をお得と思い(オランダなどはセントを切り上げたり下げたりする) きっちり支払う、お釣りをもらいたい、また現金信仰あるドイツ人の多くはスーパーや青空市で現金を使い続けていました。そしてコロナとなり、スマホ決済はほぼ利用者ありませんがデビットカードやたまにクレジットカードで非接触でサインレスか、カードを差し込みPIN入力での支払いが増えています。

その肌感覚のキャッシュレス化を統計データで見せてくれるのが2008年から3年おきに出されているドイツ連邦銀行(フランクフルトにあります) のレポート

Payment behaviour in Germanyです。

前回は2017年の動向を2018年2月にまとめて発表しているので2020年版は来年の2月くらいに出ないかなぁと楽しみに待っているところです。

調査方法を見ると結構個人のお財布の出し入れを地道にコツコツ積み上げてやっています。日本もたしか官公庁(経産省かが確かキャッシュレスがやっていますが定期的な調査ではものではなく思いついて慌てて実施した感じです。2017年版の目次はこれでした。資料を入れて全部で56ページ。結構本気で調べていますね。調査目的として現金かキャッシュレスを選ぶのは市民であるという前提ながら、その志向を調査することでデジタルエコノミー推進の政治的な議論を重ねるための一助としたいと書いてありました。

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定点観測なので調査方法を大幅には変えないのでしょうけれど2020年はパンデミックの影響について独立した項があるのではと予想しています。

レポートの発表が楽しみです。

硬貨を貯めるブタの貯金箱もノスタルジーな単なる置物になるのかなぁ…。🐷

それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!

Bis dann! Tschüss! ビスダン、チュース!(ではまた〜)😊






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