ドイツコロナアップデート〜ワクチン接種デジタルモニタリング(2021/01/12)
グーテンターク!皆さまこんにちは。フランクフルトのYokoです。ロックダウンの続くドイツではワクチン接種が急がれているところ。英国の20万回/日には遠く及ばず5万回/日ではありますが、各州大急ぎで実施中です。今回は1/11までの最新状況とモニターシステムを調べてみました。
国民の関心事ですから、リアルタイムで情報が公開されることは大事ですよね。
ドイツ国内におけるCOVID-19の接種データの収集は、予防接種センターと移動接種チームによって行われています。
各組織で権限を持つスタッフが、ウェブアプリの、Digitales Impfquotenmonitoring (デジタル接種率モニタリング)にデータを入力し、安全なインターネット接続により毎日は国営ITセキュリティ企業Bundesdruckerei ブンデスドルッカーライ(連邦印刷局) に送信されます。ここがロベルトコッホ研究所(以下RKI) に代わってデータが一時的に保存してくれて、RKIが毎日取得する方式です。
ブンデスドルッカーライは一旦民営化されましたが、また国が株式を取得。パスポートやIDカードのシステム一式に加え、ID文書、高セキュリティカード、セキュリティソフトウェアといったサービスを提供。紙幣、切手、ビザ、車両書類、電子出版物なども制作している組織。
私の滞在労働ビザカード用のデータもフランクフルトの外国人局からここ(ベルリン)にデータが送られて許可証ができました。
ドイツ人は個人データの取り扱いには厳しい目を注ぐため、連邦政府も予防接種データの扱いに最新の注意を払っていることがここからも読み取れます。
送られたデータを元に、表や数値は毎日平日正午までに更新され下記のサイトに公開されます。個々の連邦州からの報告書が完成したり、修正されたりすると但し書きがありました。
こちら↓のRKIサイトです。
データを見ていくと1/11までの接種回数累計グラフが示されています。16日間で69万回弱達成。今年3日と10日が少ないのは日曜日で、州によっては実施していないためです。
英国は一日20万回ですのでそこと比較して遅いとメディアや野党は批判。各州はワクチン配布の調達ペースが読めないから予定立てづらいと連邦政府を批判しています。連邦政府もこんな大規模な予防接種ワクチンなんか調達したことはないので試行錯誤の中混乱は無理もなく、批判、不満はありますが連邦政府への不信には至っていなっていないように見受けられます。
さらに各州人口1000人あたりの接種回数を色分けした図です。感染がより深刻なチューリンゲンTHとザクセンSNが他より遅れているのが懸念されています。医療リソースが予防より治療に割かれているからかもしれません。北ドイツの州、たとえばメクレンブルク= フォアポンメルンMVやシュレスヴィヒ=ホルシュタインSHが濃いのは接種がスムーズであると同時に人口が元々少ないからでもあります。
さらに詳細データはエクセルにダウンロード可能で公開されています。ちょっと見た目の色合いやフォーマットに独SAPのシステムからエクスポートしたっぽい。
各州別、また年齢別、職業別のデータも公開されているのが興味深いです。(州によっては詳しいデータ入力をしていないところもあります。)
縦は16州ごとの数字で、横は
連邦州 /予防接種累計 /前日との差 /住民1,000人当たりの予防接種の有無
Bundesland/ Impfungen kumulativ/ Differenz zum Vortag/ Impfungen pro 1.000 Einwohner
に続き、接種を受けた方の内訳が記されています。
①Indikation nach Alter 年齢該当者
②Berufliche Indikation 職業別該当者
③Medizinische Indikation 疾病等による該当者
④Pflegeheim-Bewohnerin 高齢者施設や介護施設の入居者
現在は優先第1グループなので①〜④に該当するのは下記の方々です。860万人が対象です。
①年齢 80才以上
②職業 医療スタッフ 治療、緊急治療及び救急サービスに従事する者等、新型コロナウイルスに曝されるリスクが非常に高い医療スタッフ、高齢者と接する介護職員や高齢者施設職員
③重大な疾病又は死亡に至るリスクが高い疾病の患者
④高齢者施設や介護施設の入居者
思ったより②の方の割合が多いなという印象です。
また①が急がれるのはもちろんですが④が多いのはよいこと。しかし計画による2〜3ヶ月で2回のワクチン接種というのは今の6万/日ペースではとても無理。もっとスピードを上げないと次の優先グループに接種が進みません。難問山積ですがなんとかスピードアップをお願いしたいです。
他の優先グループはこのようになっています。
<優先第2グループ>
①年齢 70才以上
②職業 機動隊員、要介護者・妊婦等と濃厚に接触する者
③臓器移植を行った者等の重篤な疾患のリスクが高い者
<優先第3グループ>
①年齢 60才以上
② 家庭医や検査機関のスタッフ、警察、消防、教育、司法分野の職員、小売業の販売員、季節労働者・配送センター及び食肉加工業の労働者等の困難な労働条件で働いている者
③ 慢性腎臓病・慢性肝疾患・自己免疫疾患・癌等の疾病リスクが高い者
この後、その他の我々です。外国人でも長期居住者なら受ける権利があります。
義務ではありませんが、もし受けて良いなら受けたいです。
今後も接種状況はウォッチしたいと思います。
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!
Bis dann! Tschüss! ビスダン、チュース!(ではまた〜)😊
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