
美味しいミートボールとこたつぬこ先生の特別講義:2025年日本政治動向の注目ポイント
グーテンターク!皆さまこんにちは。フランクフルトのYokoです。今日は🎁の買い出しではなくスーパーに出かけたり仕事からも離れてリフレッシュしました。
途中、ソライロさんのスペースにお邪魔しました。
— ソライロz (@sorairozch) November 28, 2024
ハイレベル討論に慄きつつ、😅ソライロさんはじめ皆さん優しく聞いてくださり、また内容も大変勉強になりました。
今日は晩御飯もよしおさんに作っていただき、楽をさせてもらいました。

野菜があまりみえていませんが、ミートボールと美味しくいただきました🙏

そして、今日は政治社会学者のこたつぬこさん(木下ちがや先生)がこんなポストをされまして、それにRTしたらわざわざリプしてくださる幸運を得ました。めちゃ勉強になる…。コロラリー、調べました。(論理的に自然に導かれる帰結)
今年は世界的な選挙イヤーであり、日本も多分に漏れず選挙の一年でした。補選から都知事選、総裁選・代表選を経て、そして総選挙を突きつけていまも自治体選挙でも騒乱が続くという状態。この2024年の選挙は日本政治にどのような影響を与えたのか。これについてはこれからさまざまに論じられることにな…
— こたつぬこ🌾野党系政治クラスタ (@sangituyama) November 28, 2024
私的には55年体制についに終焉がきたのか、乱世だなとしみじみ思いまして思いを呟きました。最後はカルタゴ滅ぶべし、じゃないですが終わりに在外選挙のネット化はよとくっつけました。
およそ70年。55年体制の残滓がついに払拭された。ポピュリズムの台頭については私は中道の有権者によるバランス感覚に肯定的。だから政治の関心ネットで多いに盛り上がってほしい。投票率も上がってほしい。そして在外選挙はネット投票実施を。 https://t.co/21K9gLPZ3Y
— Yoko-DE (@YokoDE2) November 28, 2024
すると先生からリプいただき、詳しく解説をしていただけることに。嬉しい☺️日本時間の真夜中にありがとうございます。
こたつぬこ先生: 今年は世界的な選挙イヤーであり、日本も多分に漏れず選挙の一年でした。補選から都知事選、総裁選・代表選を経て、そして総選挙を突きつけていまも自治体選挙でも騒乱が続くという状態。この2024年の選挙は日本政治にどのような影響を与えたのか。これについてはこれからさまざまに論じられることになるでしょうが、はっきりしているのは二つ。第一は、旧来型の左右対立が本格的に失効したこと。第二はそのコロラリーとして、「55年体制」の残滓が最終的に払拭されたことでしょう。第二次安倍政権はある意味旧来型の左右対立と「55年体制」を温存させてきたわけですが、その支配が終わりを告げたことで、パンドラの箱が開いたと思われます。すでに実質が失われていた第一、第二の器が壊れたことで、日本的なポピュリズムが頭をもたげたわけです。そしてこのポピュリズムを旧来型の器にはめ込むことはもはや不可能。だからこれから、参院選、いやそれを遥か超えた、日本政治の新しい器を作り上げるための攻防がはじまることになると思います。
Yoko: およそ70年。55年体制の残滓がついに払拭された。ポピュリズムの台頭については私は中道の有権者によるバランス感覚に肯定的。だから政治の関心ネットで多いに盛り上がってほしい。投票率も上がってほしい。そして在外選挙はネット投票実施を。
先生:そうですね。これからの政治の対立軸は旧来型の左右から、社会統合vsポピュリズムになるんじゃないかと思います。ちなみに僕は社会統合派ですから、立憲民主党が個人主義的リベラリズムを周辺化し、統合重視の政治に転換することを期待しています。そして「中道」の概念もこの新しい対立軸においては新しい意味を持つかもしれません。従来型の「中道」は「右でも左でもない」という消極的で主体性を欠いたものでした。だが現在は、(ある面において)「右でもあり、左でもある」積極的中道政治が求められているかもしれません。英語で言えば(vital center)と訳せるか。
Yoko: 詳しい解説と今後の基軸の変化について教えていただきありがとうございます!積極的中道が求められているかもというご指摘にハッとしました。立憲民主党の動きにも注目します。ドイツでは中道右派、中道左派政権が続く中で極右とラベリングされたAfDが躍進してきましたが、BSWが左派再編でAfDの支持を奪っていてまだ右左での語りは続きそうです。でもその中身はちゃんと分析すると変容しているのかもしれないと先生にコメントいただいて感じました。
先生: 日本では今回の総選挙で自民、公明、共産という伝統的な社会基盤を持った政党が敗北しました。同時に右派が自民党から離れることで減退し、同時に左派が共産党の敗退と孤立化で力を失いました。そしてこの激変の間隙をぬってポピュリズムが台頭するという、在庫一掃セールのような状況。この状況に対抗しつつ同伴しながら思考することが求められていると思います。
Yoko: 前回衆議院選挙の投票率は53.85%でした。在庫一掃セールでポピュリズムの台頭は、今後選挙無関心層を選挙に連れてくる可能性はあるでしょうか。それとも投票率は増えず、55%の中の無党派層とりあいの様相になるでしょうか。
先生: これは悩ましい論点なんですよね。今回の総選挙が前回比で若干投票率を下げたのは、おそらく自共公の伝統的組織政党の集票力の低下に起因していると思います。他方で立憲も比例票は増えていない。だとすると投票率を上げるファクターはポピュリズムということになります。ただポピュリズム政治がこれ以上伸長すると国家のガバナンスが危うくなります。そうさせないためには労働組合をはじめとする中間集団が対抗的に組織力を強めるしかない。このポピュリズムと中間集団のせめぎ合いのなかで、投票率が上がっていくかもしれません。そううまくいくかはわかりませんが。
Yoko: 中間集団が対抗的に組織力を強め、ポピュリズムと中間集団のせめぎ合いが生まれれば積極的中道のバランスがうまく機能しそうですね。ただ労組加入率が減少する中、規律ある組織支援するとよいことは頭では理解するのですが、個人の投票行動とシンクロ率が高いままなのかとても興味深いです。支援する政党が政策でも納得させられるものを打ち出せたら支持されるはず。日本の政治はダイナミックに動くかもしれないので興味が尽きません。
先生: 今回のアメリカの大統領選の過程で面白かったのは、ハリス民主党は労組を固めきれず、かなりトランプに組合員が流れたんですよね。でも、全米の労組の組織率は上がっているんですよ。労組の組織率は上がった。問題はそれを受け止める政党側にあるというのがアメリカの教訓。アメリカから何を学ぶかが問われているかもしれませんね。
Yoko: 確かサンダースさんは民主党が白人労働者層のみならず、ラテン系や黒人の労働者層からも支持を失ったと声明を出されておられました。日本でも政党が誰の声を聞き、政策として、指針も含めて何を打ち出すのかが問われますね。意思決定過程の可視化や情報の透明性のシステムが必要となりますね。そこにまたポピュリズムが入り込むのかもしれませんが、コソコソ決めない、適度な緊張感で民主主義がうまく機能するようになるといいなと思います。
このやりとりをまとめますと来年の政治動向は5つのポイントに注目です!
2025年日本政治動向の注目ポイント
1. 新たな政治対立軸の形成
2. ポピュリズムの台頭とその影響
3. 中間集団の役割と組織力強化
4. 政党の政策対応と有権者の支持
5. 政治参加の促進と投票率の向上
積極的中道政治、英語で言えば(vital center)。
この概念は、後から調べるとアメリカの政治学者アーサー・シュレジンジャー・ジュニアが1950年の著書『The Vital Center』で提唱した概念。全体主義の脅威に対抗するため、自由主義的民主主義の強化を主張したとのこと。こたつぬこ先生は日本の政治文脈に適した中道のあり方を模索するされていらっしゃるご様子。これからもXでのご発言に注目します。
日本政治の新しい器をめぐる攻防
にワクワク。
思いがけず、こたつぬこ先生にリプしていただき大変勉強になった木曜日の休日でした。
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!
Bis dann! Tschüss! ビスダン、チュース!(ではまた〜)😊