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94.5% vs 95%(ドライアイス付)
グーテンターク! 皆さまこんにちは。フランクフルトのYokoです。
最近、米バイオテクノロジー企業モデルナと、米製薬会社ファイザー(と独バイオンテック)がバチバチの争いをしていますよね。
今日はワクチン開発でしのぎを削っている両者をめぐる報道に加えて両社のプレスリリースも見ながら生産体制や温度管理について調べてみます。
ワクチン開発競争には色々な種類、段階、様々な企業がある中で3社が先頭集団にいることは間違いありません。
最初に11/11にファイザーが効果を90%以上と発表、すると11/16にモデルナが94.5%と発表。そして11/18にファイザーが最終結果で95%と発表して数字が踊っている状態。
そもそも90%以上なら非常によい数字らしいのですが、こういう応酬を見るとどちらが上か子どものケンカみたいにも見えます…。しかし株価に市場はすぐ反応するし、世界中の国と契約する段階でにある今こそこういうプレスリリースが大事なんだろうなと、マーケティングで仁義なき戦いが繰り広げられておりまする。
株価もわかりやすく反応。ファイザーの18日の朝はじまりが高くなったのは95%効果?
モデルナも16日の94.5%発表の段階で急伸。
さてこちらブルームバーグの報道を見ますと
新型コロナウイルスワクチン候補の臨床試験データの最終分析で、95%の確率で有効性が示された
数日内に米当局に緊急使用許可(EUA)を申請する
ワクチンは年齢層や人種を問わず有効
約4万4000人が参加した
とあります。モデルナはプレスリリースで3万人以上と述べているので参加者はファイザーのほうが多いですね。
さて私はドイツにいるため、ファイザーと独バイオンテックチームのほうに興味があります。特に生産体制と、コールドチェーンが大事になってくる保管問題。
モデルナは以下のプレスリリースを発表し、
Vaccine candidate now expected to remain stable at standard refrigerator temperatures of 2° to 8°C (36° to 46°F) for 30 days, up from previous estimate of 7 days Shipping and long-term storage conditions at standard freezer temperatures of -20°C (-4°F) for 6 months
他社製品とは違います感を大いに出すのでありました。
ファイザーとビオンテックのワクチンはマイナス70度以下で保管する必要があることを踏まえてのこと。でもよく見るとモデルナだって長期保管、輸送時にはマイナス20度には下げないといけないと書いてあります。
なのでこれくらいの冷蔵庫では長期や輸送は無理ということですよね。
でもマイナス70度は超低温…。
そこでバイオンテックのサイトに掲載されている2社共同プレスリリース、ファイザー社とバイオンテック社がCOVID-19ワクチン候補の第3相試験を終了、すべての主要な有効性評価項目を満たすという記事を読みました。
まず今回のテスト分析結果のサマリーを述べた後に、ワクチンは本年中に世界に向け5千万回分のワクチンを供給、2021年中には13億回分のワクチン供給を見込むとあります。
そこから生産体制に言及、ファイザーの施設の中で、米国のセントルイス(ミズーリ州)、アンドーバー(マサチューセッツ州)、カラマーズー(ミシガン州)、プールス(ベルギー)の4つの施設が製造・供給チェーンになるとのことでした。
ドイツでは生産しないんだ〜と思っていると最後に一文さらっと差し込まれており
BioNTech’s German sites will also be leveraged for global supply.
バイオンテックのドイツの拠点(複数)も供給に加わる予定よと続いていました。
バイオンテックの薬は確かSiemens(ドイツではシーメンスでなくジーメンスと濁ります) の工場で生産していると企業紹介ビデオで見たのでジーメンスでしょうか。気になるところ。
そして温度管理のこと。
ファイザーは、膨大な経験、専門知識、既存のコールドチェーン・インフラに自信を持っているとしてから次のように述べています。
The companies have developed specially designed, temperature-controlled thermal shippers utilizing dry ice to maintain temperature conditions of -70°C±10°C. They can be used be as temporary storage units for 15 days by refilling with dry ice. Each shipper contains a GPS-enabled thermal sensor to track the location and temperature of each vaccine shipment across their pre-set routes leveraging Pfizer’s broad distribution network.
なんでも輸送用にドライアイスを利用して-70℃±10℃の温度条件を維持するための温度制御された輸送ユニットを開発、ドライアイスを補充することで15日間の一時保管用にも使えるとしています。そのケースには GPS 対応の温度センサーが搭載されており、ファイザーの流通ネットワークを活用して、あらかじめ設定されたルートで各ワクチン出荷の位置と温度を追跡することができるとありました。
ドライアイスをつめる、割と古典的な方法でやや拍子抜け。
これだけ聞いているとそれほど温度がボトルネックにならないような気もしますが、“shipper „とやらを是非動画で公開してほしいところ。
情報を引き続き追いかけたいと思います。
それでは
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
Bis dann! Tschüss! ビスダン、チュース!(ではまた〜)😊