足尾探索記 (香風音視点) 1
初めましての方 初めまして。
前回の記事を読んでくださった方 こんにちは。
香風音(かふぇいん)です。
先日、足尾エリアを探索してきましたのでその様子を紹介したいと思います。本探索記は複数記事からなります。ご了承下さい。
小山駅にて同行者のエスネコと合流した。
さて足尾に向かうために両毛線に乗ろう。
426M 211系C6編成(小山 553-桐生 651)
こういう旅にはかふぇいんが要る。補給をしつつ桐生駅に向かう。
桐生駅に近づくと車窓は高架路線となり桐生市街地を俯瞰することができる。山の裾がぶつかり合う谷間、渡良瀬川が悠久の時を経て削りに削ったV字谷。あれを通って行くと足尾に到達できる…。
期待に胸を膨らませいざ桐生下車。
桐生駅に到着。間藤行には時間がある。せっかくだから西桐生駅へ向かう。
桐生駅前は商店街があるのだが今の時間のせいなのか、それとも今のご時世のせいなのか、将又元々そうなのかは不明だがシャッター商店街と化しており非常に寂しい印象を受ける。
上毛電気鉄道の西桐生駅。2018年1月3日の大胡電車区公開でも訪れたがここは相変わらずのようだ。ノスタルジーな駅舎がどこか懐かしさを感じさせる。関東の駅百選にも選定され2005年には国の登録有形文化財に指定されている。中心部はギャンブレル屋根になっている。どうやら以前の桐生市のHPには切妻のない形状であるはずのマンサード屋根と記載されていたようだ…。指摘があったのか平成28年に更新され屋根の形式については触れられていない。
立派な一枚板の右書き駅名看板と旧書体の「駅」がお出迎え。
待合室は異様に広く壁には幾らかの扇風機。列車の入線時間が近づくまでホームには出れないよくある地方三セクの駅といった印象。同じ京王3000形を走らせる北陸鉄道も同じような改札方式だったのを思い出した。天井も木製で作られ建造当初の時代を匂わせる。券売機はその割に近代的なものを活用している。ベンチには密を避けるための一部着席禁止を表すラミネート加工の紙。時期が時期なのでしょうがない。
ホームは頭端島式一面二線。典型的な始発・終着駅の方式である。駅の手前で線路は分岐し二線に入線を可能にする。1番線は本線から転線せずに入線が可能。2番線は下の写真の通り転線することによって入線が可能になる。
5レ 西桐生行 上毛電気鉄道700形 713F
ぐんまちゃん列車として今の時期は運転しているようだ。
京王帝都電鉄より京王井の頭線で運用されていた京王3000形を1998年から2000年までに譲渡された。それが本車、上毛電鉄700形である。
それまでの上毛電鉄の車両は冷房化が為されておらず本形式は上毛電鉄初のカルダン駆動車輌にして冷房車両であった。本形式は711-714F,718Fには分散式冷房、715-717Fには集中式冷房という差異も幾らか存在する。本車、713Fは見ての通り分散冷房方式である。
さて桐生駅に戻ってわたらせ渓谷鐵道(以下、足尾線)で間藤を目指す。
713D WKT-501 (桐生 744-間藤 913)
今回、乗車するのはWKT-500型の第一号車。新潟鐵工所が展開した地方ローカル線向け軽快気動車シリーズのNDCシリーズの流れを汲んで新潟トランシスで2011年より2両が製造された。本車両は平成28年5月22日に天皇皇后両陛下の私的旅行の際の御召列車としてWKT-551,511と共に充当された。
下新田駅に向かう道中には鉄橋がそびえる。並行する線路はJR両毛線。
下新田駅はJR東日本の下新田車両基地に対岸に面している無人駅だ。
下新田駅を出ると両毛線に別れを告げる。
712D わ89-314 桐生行
東武佐野線が乗り入れる駅、相老駅に到着。二線あるため列車交換ができる。乗車している713Dでは712Dと相老駅で交換をする。
751D WKT-521 大間々行
足尾線の中心駅である大間々駅に到着。
桐生を先発した751Dが休憩していた。帰りに訪れる。
0番線にはDE101638がトロッコ編成と連結留置されている。
この後のトロッコわたらせ号に充当される。
大間々駅を出ると足尾線の真価を発揮しだす。
最初のうちは線路横に道路が見えるがしばらく走ると…
周囲を樹木に囲まれ完全に文明から切り離される。
時に開けた窓にツルが侵入しパチンと音を立てる。
同行者のエスネコも被弾していた。
10mクラスの非常に短いトンネルが幾つもある。
入浴設備が駅舎にあるらしい水沼駅を越えると、どんどんと片側が開け渡良瀬川の絶景を見ることができる。東京都の山奥出身の私からするとなかなか親近感の沸く風景が連鎖する。
セメントの加工所だろうか。日の出の方でも見かけた覚えがある。
連なる山々。冠雲とでも言えよう雲々。大自然の美しさに見惚れてしまう。
神戸駅。同じ漢字だがこうべではなくこうどだ。
なんといってもこの駅の特異な点は東武1720形が保存され車内レストランとして活用されている点にある。
東武1720形は東武日光線で国鉄東北本線及び日光線のサービス向上に対して投入された特急列車だ。通称、デラックスロマンスカーと呼ばれた。国鉄日光線と東武日光線の顧客獲得競争は非常に厳しいものだった。
1720形の先頭車の形状はまるで国鉄151系のようなこだま型を採用しており塗分けも国鉄特急色に準じており渋さが際立つ。神戸に保存されているのは第一編成となる1721Fの中間車両の1724,1725号は中間車両であり先頭車両は埼玉県の岩月城址公園と東京都の東武博物館に展示されているため、機会があればまた紹介する。
714D WKT-512 桐生行
神戸では列車交換をする。714Dを待機する。
間藤に近づくにつれて渡良瀬川の岩は白く丸く大きくなる。川の上流に向かってる実感が湧く。
神戸駅と沢入(そうり)駅の間には5242mにもなる長いトンネル区間がある。
このトンネルは草木トンネルという。このトンネルは足尾線開業時はなった。草木ダムが建設されるにあたって現在の旧線に当たる区間はダム湖に沈むこととなったために本路線の位置を移動させる必要が生じた。
草木ダムを迂回するために作られたトンネルそれこそが草木トンネルなのだ。トロッコ列車に乗るとトンネル内がライトアップされるそうだ。尚、草木ダムにはダムに沈むために廃駅となった草木駅が沈んでる。
余談だが草木駅を名前の由来にした鉄道むすめ、「足尾さきえ」が居る。
トロッコ列車で通る際はいいのだが窓開けをしている普通列車にとっては長いトンネルは地獄である。
通過時には気動車特有のエンジン音がトンネル壁に反響し地獄の轟音を奏でる。感染予防のための窓開けも耳の痛みと引き換えだ。
間藤に到着した。単線単式ホームの折り返し専用駅。トイレは相応に清掃されているがさすがに無人駅。観光案内所があるようだがついた時間はやっていないようだ。
立派な塔のようなものが立っている駅舎。駅舎というより観光案内所。レンタサイクルもあるようだが料金が高い上にやっていないので今回は使用しない。
現在ここが足尾線の終着駅だが本当の終着駅はここではなかった。次回はそんな駅に徒歩で寄り道しつつ向かっていきたいと思う。
今回はここまで。