都営地下鉄 大江戸線 架線検測改革
今日は12月14日に発表された都営地下鉄のプレスリリースにて発表された内容について少し見ていきたいと思います。
さて、今回の話題は都営地下鉄 大江戸線の架線検測改革と言ったものです。以前、東武鉄道の架線検測や新幹線の架線検測についての話題をお届けしました。まあ、その流れで見てください。
多くの鉄道線が採用しているようなものではなく、大江戸線では断面積の小さいトンネルに対応するために剛体架線というものを採用しています。その中でも特に導電鋼レール方式というものを採用しています。
分かりやすく言えば、普通はワイヤーのようなものを用いるところを、レールで代用しているというものです。
都営地下鉄大江戸線は1991年に開業。現在(2022年12月)も開業当初の導電鋼レールが使用されています。比較的高頻度で走る割に、20年はもっているということを考えると普通の電車線方式に比べて、寿命が長いということがわかると思います。
しかし、寿命が長いからと言って、交換の必要がない訳ではありません。
都営交通局曰く、大江戸線の導電鋼レールは寿命がそろそろ来るという認識でいるようで、これからはより一層の磨耗具合の把握が必要になっています。
普通の電車線では磨耗具合は基本的に、電車線底部の幅で磨耗具合が調査できるため、機械的な検測が容易なものの、導電鋼レールは幾ら摩耗しても幅が変わらず、レール頭部が擦り切れることによってようやく、幅が変化するという形になります。つまり、底部の幅を測るだけでは摩耗具合を知ることは出来ないのです。この場合はレール頭部の高さを計る必要があります。
ということもあり、従来では電気作業車に乗車した作業員が細かくノギスで測ることにより、摩耗具合を調査しています。計測方法は東武鉄道と同じような方式と言えるでしょう。
そこで、新たな検測方式を鉄道総研とともに開発しました。それが光切断法による断面形状の測定というものです。簡単に言えば、ライトとカメラを用意し、導電鋼レールに光を照射し、反射してきた光をカメラで検知し、レールの断面図を作成し、摩耗具合を測定するというものです。
この方式を用いることにより、手作業による定点観測で行っていた架線の測定を、大江戸線全線の測定を4回の夜間作業で完了できるという絶大な効果を生み出します。現在は令和6年度導入に向けてさらなる試験を続けていくようです。
今回はここまで、次の記事は年内に出るかどうか…。果たして。