【告知】「わたし、定時で帰ります。」シリーズ3の連載がyomyomにて始まります
5月15日配信の「yom yom」6月号にて、「わたし、定時で帰ります。」シリーズ3の連載が始まります。
「yom yom」は紙の本ではなく電子雑誌です。目次や購入方法などの情報は以下からご覧になれます。
さてさて、ドラマは終わってしまいましたが(もう1年前なんですね!)、応援くださった皆さんのおかげで、3作目も執筆できることになりました。
主人公の東山結衣は、シリーズ1ではブラックな上司、シリーズ2の「ハイパー」ではブラックなクライアントと戦いました。正直な話、もう書くことはないだろう。そう思っていました。
ですが、読者の方からいただいた感想の中に気になるものがありました。「この作品には生活残業の問題が出てこない」というご指摘を目にしたのです。生活残業とは、残業代を稼ぐために残業をすること。たしかに、そういう人は今まで一度も出てきません。
また、取材をしに来た方からも言われました。「残業ができなくなって給料が減りました」と。いやいや経営者でない私に言われても、とその時は思ったのですが……。
よくよく考えてみれば、定時に帰れ、と言われても、抱えている仕事量は変わらない人が多いわけです。今までよりモチベーションを上げて、効率的に仕事を片付けていかないと定時になど帰れないのに、頑張った結果、給料が下がるというのは、わりに合わない話です。特に若い人たちは、三十年前と比べて明らかに貧しくなっています。お金のために残業したいと思う人がいたとして、それの何が悪いのか。
結衣ならこの問題とどう向き合うだろうか。生活残業する人たちを「私には関係ない」と思うでしょうか。それとも、彼らの給料を「上げる」ために戦おうとするでしょうか。私は後者だと思うのです。
かくして、シリーズ3の副題は「ライジング」に決まりました。
日本の会社員の給料よ、上がれ。
(ついでに、日本経済も早く回復して上向きになってくれ!)
そんな願いをこめてつけたタイトルです。
そして忘れちゃいけない恋愛パート。結衣と晃太郎はどうなったんでしょうね?
定時退社と長時間労働の恋、というのが本シリーズの裏テーマです。正反対のタイプの二人が、果たして公私ともにパートナーとしてうまくやっていけるのか。
そしてそして、日付を見ていただけるとわかりますが、原作が描いているのは2017年。コロナの野郎はまだ来ていません。
ネットヒーローズの社員たちがいつもと変わらず濃厚接触する(といっても普通に会社に行くだけですが)物語を、安心してお楽しみいただけましたら幸いです。
ではでは!