『財布は踊る』の文庫解説を書きました
新刊をだすたびに重版がかかり、既刊本にも重版がかかり……といういまや超売れっ子である小説家、原田ひ香さんの『財布は踊る』が文庫になりました。
『財布は踊る』については以前にも「おもしろいよ〜」という暑苦しい文章を書いていますので、こちらをごらんください。
単行本が発売されたときに帯文を書かせていただいたのですが、そのご縁もあって、光栄にも文庫解説も書かせていただくことに。
以下、解説より、一部引用です。
そうそう、そうなんです、と自分の解説に対してうなずいてしまうのだが、原田さんの小説に出てくるのは「私か? 私なのか?」という人物ばかり。なので、内容を知っているにもかかわらず、何度読んでも面白い! そして原田さんが書いているお金のエピソードはほんとにディティールがちゃんとしているので、マネーリテラシーが上がってから読み返すと、さらに面白いのです。
文庫解説にはマニアックすぎて書けなかったのですが、インデックスつみたて投資をしていた会社員が株の信用取引をはじめてしまう心理描写などは、株やっていなくても面白いのですが、株を始めてから読むとさらに面白い。「原田さん!信用取引やってるんですか!」と尋ねたくなってしまいます。ちなみに私は信用には手を出しておりません。そこだけには手を出すなと株の師匠から言われているので……。
こういう市井を生きる人たちの小説、いまは原田さん一人が書きまくっておられるけれど、もっと増えてほしいなーと思っています。