幸せかどうかは置いておいて産まれた時から猫がいる
産まれた時から今日までずっと猫がいる。
好きも嫌いもなく猫がいる。一人っ子の私には猫はほぼ兄弟のようなものだったし、猫のいない暮らしをしたことがないので、猫がいる幸せは本当の意味ではわからない。しかしわかる。猫が素晴らしい生き物だということだけは。
猫は身体能力が素晴らしい。
ご存知、ネコ科の美しい身のこなし。流線形の柔らかなフォルム。4本足の利点を余すところなく表現している。
さらに猫は解脱しきっている。
人間以外の動物は皆そうだが、猫にはくどくど考えない潔さがある。頭が悪いから考えないのではない。猫たちは多分私たちよりも世界の成り立ちが見えていて、そんなくだらないことをしないのだ。今をただ生きている。幸福か不幸かさえ気にしていないそぶりだ。長い歴史の中でも、人でそんな生き方が出来たのは一握りしかいない。人間は修行して修行して煩悩を取り払ってもなかなかそのようには生きられないのだ。猫の解脱っぷりはすごい。
猫は常に私たちの上にいる。
猫は飼われているふりをして、わたしたちをじっと観察しているに違いない。死んだら私たちのことを神様に報告するのだ。とんでもない生き物がいましたよ、と。だから彼らは私たちより早くいなくなってしまうのだろう。
どんな場合でも人は猫の奴隷である。
これは普遍の事実である。宇宙の真理と言ってもいい。人間の奴隷になるのはごめんだが、猫の奴隷生活は素晴らしい。私は産まれた時からずっと猫の奴隷だが、不快な思いをしたことはほぼない。猫は素晴らしい主人だ。
本当のこと言っちゃえばどんな動物も人間より100倍素晴らしい。
犬でも猫でも鳥でもダニやゴキブリでも、私たちよりは素晴らしいので、頭を垂れて人間は生きるべきなのである。他の生き物が身の回りにたくさんいてくれて嬉しい。この世が人間だけだったら最低だった。人間以外の生き物ありがとう。南無〜。