勝手にゲームレビュー 1本目「歸らずの森」PS2
歸らずの森は2002年に発売されたプレイステーション2用のゲームソフトでジャンルはホラーアドベンチャーになると思います。
「歸らずの森」は「かえらずのもり」と読みます、「歸」なんて漢字見たことないよ~>< (ルビは振ってあるけどパッと見では分かりにくい)
ストーリー
主人公「ユキ」は中学1年の女の子。学級委員で隠れオカルト好きだ。
いつものように登校するとクラスメイトの「ユカリちゃん」が欠席していた。
欠席者がでる事は特別ではないが、クラスメイトの反応が何かおかしい。
話を聞いてみると、昨日の放課後、占いで「誰が一番先に死ぬか」占おうと言う事になり「ユカリちゃん」が自分がいつまで生きられるか占ったところ「あした」と出たらしい。
また、「ユカリちゃん」の家の前で、こんな物を拾ったと手紙を渡される。
手紙には「助かりければ館にこい」と血で書かれていた。
幼馴染みの空手少年「タツヤ」と一緒に1学年上の近所に住む帰国子女の霊感少女「ヒトミ」に手紙をみてもらう。
ヒトミは「森の奥から手紙を書いた人の気を感じる」と言う。
(この中学校、制服ないのかな?)
「ユキ」「タツヤ」「ヒトミ」の3人は「ユカリ」を探すために館に向かう。
館に入ると入り口は閉ざされてしまい、館の怨念で徐々に心も体も蝕まれていく。
はたして3人は「ユカリ」を無事に救出し館から脱出できるのか?
・・・と、まぁストーリーの説明が終わったところで
ゲームのレビューをしていこうと思います。
まず始めに、僕の このゲームに対する評価は「隠れた名作」です。
恐らく、クリアできた人と途中で投げた人で 評価が分かれるタイプのゲームだと思います。
ゲーム画面をみると、いかにもサウンドノベルのような感じに見えますが、選択肢を選んで行けば、何らかのエンディングにたどり着くようなものではない。
自分自身で調査して館の謎を解明していかないと、時間だけが無駄に過ぎていき最後にはタイムオーバーで死んでしまう。
この時間制限のために、あまり余裕がないのに、特定の選択肢では霊刻と呼ばれる制限時間のある選択肢が出る事がありプレイヤーを焦らせる。
制限時間内に選択肢の文章を読みどうするか決定するのだが、選択しないという選択もあり気が抜けない。
また、3人のキャラには それぞれ体力が設定されている。
危険な目にあったり恐怖を感じたりすると減少していき 体力が低いと見えないはずのものが見えたり疲弊していく描写があり徐々に蝕まれる感じがよく出ている。
体力はタツヤが持ってきていた「ミネラルウォーター」と「チョコバー」で回復できるが当然使うと無くなる。
他の回復手段として「休息」する事もできるが、探索できる時間が減ってしまうというもどかしさがある。
そんなワケでホラーというジャンルに適したシステムをうまく組み込んで作ったなぁと感心しました。
BGMも派手さはないが緊張感や恐怖を高めてくれる。
ゲーム本編では使われてなかったと思うけど、タイトル画面の曲が怖そうで良い。
時折入る声も良い味付けになっている。
グラフィックも怖いところはチャンと怖くてよい。
初めてプレイしたのは2005年ですが、今(2021年)でも当時の背筋がゾクゾクするような感覚を覚えてます・・。
ここまでは絶賛してきましたが、不満な点もあります。
まず、セーブできる場所が館の中のロビーと廊下だけに限られている。
クリアには影響しないものの、ゲーム開始から館に入るまでにも選択肢がいくつかあり、それらを選びなおそうと思ったら最初からやり直すしかない。
開始から館に入るまでに、ちゃんと読んでいくと自分の場合30分以上はかかる。
さらに館では即ゲームオーバーになる場面もあるのでセーブを忘れると、また館に入るまでに結構な時間がかかる。
もしこのゲームをやってみたいと思った人がいたなら、声を大に、いや 字を大にして書きたい「館に入ったら、真っ先にセーブ!そして、そのデータには上書きしない事!」
大事な事なので再度書きます
「館に入ったら、真っ先にセーブ!そして、そのデータには上書きしない事!」
真っ先にセーブと言ってますが、実際は入ると少しイベントがあった後にセーブできるようになったと思います。
そして、セーブは3箇所にしかできない。
1つは上記のデータを残したいので、実質2つのセーブでやってかないといけない。
裏技というほどでもないがメモリーカードを複数用意すれば一応はこの問題は解決できる。
というか、一度館に着いたら「館からスタート」が出来るようになれば良かったのにと思う。
残り2つのデータだけど 時間制限があるので、できるだけ無駄なく行動した状態でセーブしたい。
あとセーブデータに表示されるのが、現実の年月日なので しばらく遊んでなくて久しぶりに遊ぼうと思うと どのデータがどれぐらい進行してたか分からなくなってしまう。(セーブ時の年月日から推測はできるが)
ゲーム内の時間もセーブデータに表示されれば分かりやすかったのになぁ。
また3人いるけど特定の場所でしか人物の視点がかえられないのは少し残念で、いつでも変更できたらいいのにと思いました。
サウンドノベルではなくアドベンチャー(だと僕は思っている)なのでサウンドノベルの特徴でもある多彩なエンディングというのは無く、エンディングの種類は少なく一度クリアしてしまうと再度プレイしようという気分はおこりにくい。
またサウンドノベルのように読み返しの機能はない。
バグなのか、館に入って気づいたら最大体力が全員0だったり、グラフィックが変わらなくなったり、音が鳴り止まないという事があった。
また状況が変化してるのにグラフィックが変化しない箇所があり、そこは変化させて欲しかった。
(ゲームの解析する能力があれば中を見て、本当に画像が無いのか、あるけど変更させるのを忘れてるか確かめてみたいなぁ)
アイテムの中にはフラグを立ててないと取れない物や、同じ場所を何度も調べないと取れない物もあり、一度調べて何もなかったら「ないんだなぁ」と納得してしまう素直な人間ほど詰まってしまう。
あと小さな事かもしれないが、説明書には3人とも家が隣だと書いているのに、館に向かう時になぜか学校に集まってから行っている。
百歩譲って学校も隣にあるならわかるけど、普通なら3人の誰かの家に集合が合理的だと思う。
そんなワケで改善して欲しい所もあるが、かなり好きなソフトです。
繰り返しになるけど、「制限時間」「霊刻システム」「体力が設定されてる」のはホラーと相性が良い。
制限時間は「バイオハザード」や「セプテントリオン」サウンドノベルで例えるなら「学校であった怖い話」の「殺人クラブシナリオ」でかなり効果的だったしなぁ。
おわり