Vol.4 GW
GWと聞けば、「ゴールデンウィーク」を連想する人が多いだろう。
しかし、これも博士課程の院生や研究者には別の意味を持つ隠語である。
GWは、言わずもがな4月末から5月初旬にかけての大型連休である。院生や研究者の「GW」もこの時期を指す。
では、何が違うのか。多くの人の「GW」は、行楽で過ごす。一方、大学院生や研究者の「GW」は、「原稿ウィーク(Genkou Week)」や「学振ウィーク(Gakushin Week)」の略称であり、原稿の執筆に勤しむのである。
どういうことかというと、GWは大型連休に伴って講義や仕事がないため、自身の研究や原稿に集中することができる期間とという意味である。そして、博士課程への進学を考えている人や博士課程の院生にとっては、来年度以降の研究生活を大きく左右する「日本学術振興会特別研究員(通称:学振)」の申請書の作成が佳境に入るのがこの時期である。
特別研究員になれれば、2〜3年間の生活費と研究費を国からもらいながら、研究することができる。そして、採択されたということが大きなステータスになる。
しかし、この申請書を書くのが非常に難しい。研究の申請書を書く経験が乏しいのはいうまでもない。それに加え、やっていない研究の内容や意義を社会への影響を含めて書く必要がある。至極全うなものなのだが、書くのは骨を折るものである。私も書いたことあるが、足元にも及ばなかった。しかし、この申請書が修士論文の足掛かりとなり、研究の原点に返るきっかけとなった。
要約していえば、大学院生はGWも研究に勤しむことが多く、「院生に休みなし」とはこういうことである。