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サヴィニャック展@練馬区立美術館

練馬区立美術館にて「サヴィニャック パリにかけたポスターの魔法」展を観てきました!

初めて練馬区立美術館に行ったけど、サヴィニャック展への愛が随所に溢れていた〜!美術館の窓や、ほかトイレの鏡やドアもイラストで飾られていたりしたよ。展示への入口もこんな風になっていて、まるで、ようこそサヴィニャックワールドへ!とでも言ってくれているかのように私たちを迎えてくれます。

サヴィニャックはフランスのポスター画家。なので、今回展示されているのはすべてモノであったり、サービスであったりという商品を宣伝するために制作されたポスターイラストです。サヴィニャックは写真以上に商品の良さを受け手にひと目で伝える、ということだけでなく、さらにそこへ自分のユーモアを交え、心躍るアートへとポスターを巧みに昇華している。

例えば、右上にある赤い毛糸の絵。これは毛糸メーカー用に書いたポスターで、「ここのメーカーの毛糸なら簡単に編めるよ!」といったような謳い文句を、簡単すぎて毛糸自身も自分で編めちゃうほどだよ、とこの絵で表現したようなのだけれど(フランス語での言葉遊びにもかかっているみたい)、言葉がなくても、見ただけで自然とそんなニュアンスは伝わってくるよね。ちなみに左下の顔ハメパネル、これ元はおじさんが上からぶらさがってる絵で、確か作業服メーカーのポスター。ここのメーカーの服はこんなことになっても破れないくらいすごい丈夫なんだよ!ってことを見る者に簡潔に、そして茶目っ気たっぷりに教えてくれる。たくさんのサヴィニャックのポスターを今日見たけど、実際にサヴィニャックのポスターには、文字がほんのちょこっとしか載っていない。でもやっぱりどれも絵だけで示すものがだいたい分かったし、その商品自体にもワクワクと興味持っちゃったからすごい。

この看板、左の元絵は頭痛薬のポスター。この頭痛薬でひどい頭痛が続いているのを止めようぜ!っていうことのようで、頭痛自体を車の渋滞に例えコミカルに、ポップに表している(斬新!)。右は壁掛け式の冷蔵庫のポスター。宣伝すべき売るべき商品を指差しで注目させているのみならず、壁掛け式だよ!っていうこの商品の一番のセールスポイントを壁=レンガ壁の男の子を用いて的確にアピールしている。自分の会社の製品をこんな風に可愛くキャッチーに、魅力ある愛すべき商品としてポスターを作ってもらえたなんて、サヴィニャックにポスター頼んだ会社の人たち、みんなすごく嬉しかっただろうな〜なんて思う。
サヴィニャックが手がけていたのは商業用ポスターな訳だから、いくら文字数は少なくしていたといってもやっぱり商品名とか場合によってはキャッチコピーだとか入れざるを得ない文字要素はあるし、商品を目立たせ印象に残るように、そして購買意欲を掻き立てる絵を描かなきゃいけない、といった窮屈な制約を持っているのが宿命なのだと思うのだけれど、サヴィニャックはそんな制約を全く制約とも思わず、発想の源として心から楽しんでいたんじゃないかなぁ?って思えるくらいに、どれも軽妙洒脱でごきげんなポスターたちばかり。輪郭線である筆のゆるい筆致によるところも大きいのか、宣伝の押し売りじゃない、温かみや親しみやすさが存分に感じられるものとなっていました。ロートレック展に行ったときも思ったけど、こんなポスターに囲まれて暮らせた昔のパリっ子羨ましすぎる...!
改めて向き合って、サヴィニャックの絵、理屈抜きにとっても可愛いんだよね。自分の背丈の2倍くらいの大判ポスターも幾つか飾られていたんだけど、それを見上げるのも幸せすぎて、今回の展示本当にわたしにとっては夢の国みたいだったな〜。混んでもいなくて、すごく見やすかった。練馬まで行く価値十分ありの大満足な展示でした!

(美術館の窓を飾るイラストは、外が暗くなってからがより綺麗に見えました!)

#美術館 #美術 #アート #グラフィック #ポスター #サヴィニャック

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