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「世界の街角」 9.アメリカ 9.1サンフランシスコ(Town No15)
1. 世界都市・サンフランシスコ
ロサンゼルスと共にカリフォルニア州の経済、工業の中心地として知られるサンフランシスコは、カリフォルニア州の北部に位置する都市であり、アメリカ西海岸を代表する世界都市の一つだ。
キリスト教のフランシスコ会の修道士が創設者の聖フランシスコを街の名に付けたのが地名の由来である。
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人口は80万5千人強の中堅都市だが、対岸のオークランドや、南岸のサンノゼを加えたサンフランシスコ・ベイエリア全体の人口は966万を超える。
大規模なダウンタウンが形成されており、近代的なビルが建ち並ぶ全米6番目の規模を誇る広域都市圏だ。
観光地としても非常に評価の高い都市であり、外国人のみならず、アメリカ人の間でも訪れたい都市の上位にランクされている。
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有名な観光スポットとしてゴールデン・ゲート・ブリッジ(金門橋)やフィッシャーマンズワーフ、ツインピークス等が挙げられる。市内を走る伝統あるケーブルカーも人気の的だ。
2.観光都市・サンフランシスコ
(1) ケーブルカー
観光都市・サンフランシスコの象徴的存在ともいえるのがケーブルカー。
ケーブルカーといえば、山の急斜面をケーブルで巻き上げる鉄道をイメージするが、坂の多いこの街では世界で唯一、市街地を走っている。
路線の高低差は100メートルを超えており、路面電車では運行不可能な急勾配を走行し、市内の中心部であるマーケット・ストリートと、観光名所でもあるフィッシャーマンズワーフ とを結ぶ観光鉄道だ。
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世界で最初にケーブルカーが実用化されたのはサンフランシスコで、当時(1873年)は蒸気機関が動力源だったそうだが、現在の運転システムは、線路の中央の溝に敷設されたケーブルが時速9マイルの速度で移動しており、そのケーブルをつかんで動き、はなしてブレーキをかけるグリップマンが運転している。
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交差点に差し掛かると運転手は車両から降り、手動でポイントを切り替えて方向転換する。一人でグリップとポイントの操作をやるのは、なかなかの重労働だ。
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(2) フィッシャーマンズワーフ
ケーブルを降りて転写場を見たあと、フィッシャーマンズワーフを訪れた。徒歩10分程度で大きな看板の目立つ入口に着いた。
多くの漁船が停泊している潮風が心地よい風情溢れる港町だ。
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新鮮な魚介類を調理したシーフードレストラン、土産物店、蟹の屋台、ーーの器に入ったクラムチャウダーの屋台など、市内で最も人が集まる観光エリアだ。
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(3) 霧のゴールデンゲートブリッジ
フィッシャーマンズワーフから西方向・約6Kmの彼方にゴールデンブリッジがみえた。
「世界で一番美しい橋」とも称されているアメリカを代表する観光スポットの一つだが、生憎というか、この街の名物でもある霧が立ち込めていた。
サンフランシスコは霧の多い街だ。
北太平洋高気圧からの風がゴールデンゲート海峡を通って内陸に向かい流れ込む。これによってこの街特有の霧が発生するのだ。
夕暮れ時には、柔らかい霧のブランケットが橋を包み込むような絶景となるといわれているが、私が見たのは午後1時だった。
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