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「世界の街角」 1アルゼンチン 1.2 ブエノスアイレス(Town No 2)
■ブエノスアイレス港
クルーズ船がアルゼンチンの首都・ブエノスアイレスに入ったとき、茶褐色の水に包まれた異様な光景に驚きの目を見張った。
南米大陸の大河であるラ・プラタ川河岸沿いに築かれてきた大商業貿易港である。
「これは海のようにみえますが、ラ・プラタ川という幅の広い川なんです。川幅の最も広いところは270Km、狭いところでも50Kmあるんですよ」という説明を聞いても信じられない。これはどうみても海だ。「日本の川は底が石や砂ですが、この川は底が赤土なので、水はいつも茶褐色に濁っているんです。」
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ラ・プラタとは「銀」という意味。
銀の国、アルゼンチン。神秘と魅惑の響きに惹きつけられたヨーロッパの征服者たちは、その奥に眠るといわれた銀の財宝を求めてラ・プラタ川をさかのぼった。
征服者たちによって持ち込まれた500年前のヨーロッパ文化が、見渡す限りの草原と先住民文化を覆い尽くし、人口の95%以上がヨーロッパ系移民者で形成されたこの国は、日本人移民の多いブラジルとは全く異なる趣をもっていた。
■ブエノスアイレス
首都ブエノスアイレスは、ラ・プラタ川沿いに位置する大都市。
スペイン航海者がラ・プラタ川を遡って航海していたところ、帆船にとってありがたい追い風が吹いてきた。「ブエン・アイレ(いい風だ)」と船員が叫んだ。
それが複数形の "ブエノスアイレス" となったのが名前の由来だそうだ。
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■フロリダ通り
大阪の心斎橋筋のような趣のあるフロリダ通りは歩行者専用となっていて両側には高級な商店、レストラン、映画館等が建ち並ぶ。
道の真ん中には新聞を売るスタンドや花屋、公衆電話があった。
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■五月広場
大統領府(カサ・ロサダ)、カビルド、カテドラル(大聖堂)、の3つの重要な建物に囲まれた政治の中心地だ。1800年代終わりごろに建築された大統領府は、カサ・ロサダ(ピンクの家)という名前の通り、ピンク色?に塗られていた。
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カビルドは、ブエノスアイレス市議会として使われた建物で、1725年に建築された後、数回の改築の後、現代の姿になった。
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広場の中央には、アルゼンチン、ペルー、チリの3カ国を独立させた、リベルタドール(開放の父)ホセ・デ・サンマルティン将軍の像があった。
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■ レコレータ墓地
アルゼンチンで最も格式高い墓地。歴代大統領や、アルゼンチン有名人の立派なお墓が建ち並んでいる様子は、まるで高級住宅街のミニュチュアをみるようだった。
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■ボカ地区
ここは、古くから港があった地域で、ヨーロッパから来た移民たちは、こ の地で、新しい第一歩を踏みしめた。
19世紀終わりごろのボカは、イタリア、スペイン系を中心とした、ヨーロッパからの移民や、アフリカ系など様々な人種の人々であふれていた。
タンゴは、そういった環境の中、様々な文化の混合によりこのボカ地区で生まれた。
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貧しい移民たちは、政府から古い木材やトタンをもらいうけて家屋を建てたという。その家に、船の塗装に使うあまりもののペンキをぬったため色とりどりの建物になった。その豊かな色彩が今ではこの地区の呼び物になり、ブエノスアイレス観光の目玉となっている。
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メインストリートでは、アルゼンチンタンゴの踊り子たちが観光客とのツーショット撮影に応じていた。ただし"有料"との事で、カメラを後ろ向きに構えて踊り子に見つからないように内緒でシャッターを押した。
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