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日本の四季_初秋の候            その2. 京都・大阪・奈良


京都1.亀岡・穴太の里の彼岸花

 秋のお彼岸の頃、ほんの一週間ほど咲く彼岸花。
曼珠沙華のほか、灯籠花や狐花、幽霊花や死人花など、さまざまな異名を持つ彼岸花は、有毒植物で、昔は墓地を荒らすモグラを避けるために、墓地周辺に植えられたという。
亀岡市曽我部町の穴太寺周辺では、田んぼの畦に沿って群生する真紅の彼岸花が、黄金色に色付いた稲穂の揺れる田んぼを縁取る。秋のほんの一時だけ見られる劇場だ。

9月21日撮影

大阪1 茨木市・大岩地区の彼岸花 

 茨木市大岩地区の彼岸花は、黄金色の稲穂とのコントラストが見事だが、カメラスポットとしては全く無名の穴場だ。
 隠れキリシタンが住んだところとも言われているが、彼岸花スポット付近には駐車場が無く撮影に行くのは難しい。
 秋分の日の早朝六時頃に現地に着いて、僅かな空き地に車を止めて一時間ほど撮影してサッと引きあげた。

9月21日撮影

奈良1 稲渕の棚田

 彼岸花の名所といわれる稲渕の棚田は、飛鳥時代の遺跡が集中する地域にあり、歴史的景観を形成している。
棚田には、室町時代中期(15世紀)頃に遡るとされる田圃の用水として水の流れをせき止めてためる井手(用水路)によって水が供給され、およそ四キロに及ぶ大井手など数十本の井手が農家によって管理されている。
 稲渕の棚田では三百枚あまりの棚田の畦や案山子ロードなどに彼岸花が分布し、赤・白・黄色の花を咲かせる。
 彼岸花が見ごろを迎える九月下旬頃には彼岸花祭りが行われ、期間中は無料シャトルバスが運行され、また案山子コンテストも行われている。

9月21日撮影

奈良2 笠のそば畑

 奈良県では珍しく十五ヘクタールの広大なソバ畑が見られるということで近年人気が上昇している桜井市笠地区。
 天理ダムに近いこの一帯は、龍王山、鳥見山、貝ヶ平山などに囲まれた高原になっていて、平成四年から国営総合農地開発事業で広がった農地をソバ畑として活用している。
 例年八月にまかれた種が、九月中旬ごろからソバの花が一面に咲き、白い絨毯のような景色を見ることができる。
 そばの花には白色とピンク色があり、白色の花は雄花でピンク色の花は雌花。
 写真スポットとしては、笠山荒神社から見下ろすそば畑や、そば畑の中を歩く風景がおすすめ。
 笠のそば畑は、九月中旬から十月上旬が見頃。

9月21日撮影

奈良3 一言主神社周辺

 奈良時代に葛城山を越えて大和と紀伊を結んだ古代の道・葛城古道。 
 その葛城古道の途中にある一言主神社は、一言の願いであれば何でも聞き届けるということで、「無言まいり」の神とも呼ばれている。
 一言主神社の周辺には田園風景が広がり、九月下旬ごろには深紅の彼岸花が黄金色の稲穂に彩を添える。
 一言主神社から北側にある九品寺までの道沿いにも多くの彼岸花が見られ、秋の写真スポットとして知られている。

9月24日撮影


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