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カメラ紀行「日本一周10日間の旅」
MSCベリッシマで巡る日本一周10日間のクルーズに乗船した。
5月6日横浜港出港、函館、秋田、金沢、済州島(韓国)、鹿児島へ寄港し、15日に横浜に帰港する10日間の旅だ。
イタリア語で「美しい女性」を意味する「ベリッシマ」。
全長315m、デッキ数19階、客室数2,217室(乗客人数5,568人)の豪華客船だ。
横浜発着の日本一周クルーズといっても、マルタ共和国を船籍とする「ベリッシマ」の1,536人の乗組員の大半は日本語を話すことはできない。一歩船内に入ればもうそこは海外だった。
第1章 MSCベリッシマ
1.アトリウムとプロムナード
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日本発着最大級の大きさを誇る船内は、船の中とは思えない開放感あふれる5~7デッキぶち抜きのアトリウム(中庭風の空間)と、そこから約1,000人収容のシアターに続く全長96mのプロムナードは、天井全体がLEDスクリーンとなっている。
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ただの平面的なデジタルスクリーンではなく、ドーム状にカーブしたアーケードの屋根は「デジタル・スカイ」とも呼ばれ、日の出、日没、夜空など、様々な天候を表現したり、スペシャルイベントやショー、ライブパフォーマンスなどの際にも色々な映像を映し出し24時間船内を盛り上げている。
その両側には、ブティックやレストランが並び、トップブランド商品が免税価格で買い物ができる。
2.スワロフスキー・クリスタルの階段
デッキ5に位置するメインエントランスは「インフィニティ・アトリウム」と呼ばれ、レセプションやバーもあり、中央のステージでは、ピアノ演奏がされていて訪れる人の多いエリアだ。
そんなインフィニティ・アトリウムの最も注目すべきポイントは 「スワロフスキー・クリスタル」で出来たメイン階段だ。
クリスタルガラスは、普通のガラスの原材料に酸化鉛を加えて作られる、その含有率が約24%であるクリスタルガラスは、通常のガラスに比べて光の屈折率・透明度に優れているため、水晶のようにキラキラと美しく輝く。「スワロフスキー・クリスタル」は、さらに酸化鉛の含有率が最低で32%と多いため、透明なはずのそのカット製品は、光の反射加減によっては七色や虹色に見え、ダイヤモンドに引けをとらないとさえいわれている。
5~7デッキぶち抜きのアトリウムの階段は「スワロフスキー・クリスタル」でできているので、超豪華で誰でもシンデレラ気分を味わえる。
しかも一段ごとに使われている「スワロフスキー・クリスタル」の数は約600個。
そんなスペシャルな階段はアトリウムの各階に2か所、計6か所が設置され、全階段に使用された「スワロフスキー・クリスタル」の総数は約6万個という。
フォーマルナイトの日には、この階段で記念写真を撮る人が長い行列を作っていた。
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3.船内の食事
MSCベリッシマには3つのメインレストランと、「マーケットプレイス」というビュッフェレストランがある。
3つのメインレストランでは 夕食のみ混雑を避けるために乗船時に利用レストランと座席、利用時間が指定されるが、レストランが違っても提供されるメニューは同じで毎晩フルコースメニューが提供される。
ビュッフェレストランは1日20時間営業で朝から晩まで品揃え豊富な食べ放題を楽しむことができる。
両レストランとも、フリードリンクなので、財布の心配せずに好きなものを好きなだけ「食べて飲んで」を楽しんだ。
■メインレストラン
夕食は基本的にはメインレストランを利用した。
メインダイニングでは毎晩フルコースディナーが提供されるが、日替わりのメニューの中から好きな料理を選ぶスタイルで、メニューの中から何皿頼んでもいいし、同じ料理を2皿とかでもOK。前菜・スープはナシでいきなりメインディッシュとデザートだけ、デザートもケーキとアイスクリームとフルーツなんてのも問題なしだ。
■ドレスコード
メインレストランのドレスコードは、基本的にカジュアルだが、夕方以降はフォーマルナイト2回、イタリアンナイト1回、ホワイトナイト1回などドレスコードが設定されている日があった。
イタリアンナイトは赤、白、緑のイタリアカラーの服装、ホワイトナイトのドレスコードは白を基調とした服装で参加する。また、男性はアロハ、女性は花柄模様の服装、という日が1回あった。
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■ビュッフェレストラン
15階のビュッフェでは、本場のイタリアン、おにぎり・味噌汁などの日本食、焼きたてのピザやパン、新鮮なサラダ、作りたてのチーズなど様々な料理が食べ放題。
1,300席あり、とにかく広い。好きなものをとりに行ったきり、自分の席がわからなくなって迷子になった人も結構多いとか。
4.船内の施設
デッキ5~7には、ショッピングやショーを楽しむ施設が並び、ぶらっと歩くだけでも楽しく、疲れたらすぐ側にあるバーでビールを飲みながら小休憩と、船内随一の憩いの場所だ。
一方、アクティビティを楽しむならデッキ15と16に行けば、ウォータースライダーやアスレチックが楽しめるアリゾナアクアパーク。200mのランニングトラック、プールやジャグジーがあり、海に囲まれた船上ならではの景色とスリルを気分爽快に味わえる。
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第2章 寄港地観光
1. 函館(5月 8日)
ツアー最初の寄港地は函館だったが、港の周辺は20mの強風が吹き荒れていた。
ベリッシマは穏やかな沖合に停泊し、2度、3度と接岸に挑戦したが、予定の着岸時間を大幅に過ぎ、午後になっても強風が収まらなかったため、船長の苦渋の決断で4度目の挑戦を断念し、残念ながら抜港となった。
2. 秋田(5月 9日)
①千秋公園
千秋公園は、秋田藩二十万石佐竹氏の居城、久保田城跡だ。
明治二十九年に近代公園設計の先駆者で祖庭ともいわれる長岡安平の設計により公園として整備され、秋田県出身の漢学者狩野良知が千秋公園と命名した。その由来は、秋田の「秋」に長久の意の「千」を冠し、長い繁栄を祈ったものといわれている。
五月にはお堀端と胡月池周辺に、レンゲ、紫、黄レンゲ、琉球、霧島など約2,600株のツツジが美しく咲き誇る。
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② ポートタワー・セリオン展望台
セリオンタワーは全高143m、展望台は地上100m・360度の大パノラマが広がる秋田市唯一の絶景ポイントだ。
眼下に広がる秋田市内、太平山も一望でき、遠くは鳥海山まで眺めることができる。
展望台から港に停泊するクルーズ船・ベリッシマが見えた。
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③ 竿燈まつり実演ショー
東北三大祭りの一つとして知られる秋田竿燈まつり。
竿燈全体を稲穂に、連なる提灯を米俵に見立て、額・腰・肩などにのせ、豊作を祈る、この祭りは毎年八月に行われる夏祭りであるが、クルーズ乗船客を歓迎するために特別に実演ショーを開催してくれた。
元々、藩政以前から秋田市周辺に伝えられているねぶり流しは、笹竹や合歓木に願い事を書いた短冊を飾り町を練り歩き、最後に川に流すものであったが、宝暦年間の蝋燭の普及、お盆に門前に掲げた高灯籠などが組み合わされて独自の行事に発展したものと言われている。
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3.金沢(5月10日)
① 金沢駅の「もてなしドーム」と「鼓門」
金沢駅の兼六園口にある「もてなしドーム」。金沢は雨や雪が多いため『駅を降りた人に傘を差し出すおもてなしの心』をコンセプトに誕生。金沢を訪れた人を幾何学模様のガラスの天井がやさしく迎えてくれる。
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フォトスポットとして人気なのが荘厳な印象の鼓門。
金沢の伝統芸能である能楽で使われる鼓をイメージし。高さが13.7mあり2本の太い柱に支えられた門構えは圧巻だ。
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② 兼六園と金沢城
岡山の後楽園と水戸の偕楽園と並んで日本三名園のひとつに数えられる。園名は、松平定信が『洛陽名園記』を引用し、宏大・幽邃・人力・蒼古・水泉・眺望の六つの景観を兼ね備えていることから命名した。
雪に備えて行われる雪吊は冬の風物詩として知られ、また県内でも随一の桜・梅・紅葉の名所でもある。
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兼六園の桂坂口を出て橋を渡れば、そこは金沢城の石川門口だ。
金沢城は、江戸時代には加賀藩主前田氏の居城だった。城址は国の史跡に指定されており、城址を含む一帯は金沢城公園として整備されている。
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4.済州島(5月12日)
① 城山日出峰
韓国の南部位置する魅力的な観光スポット・城山日出峰。
その美しい景観と活動の多様性で知られ、その独特な形状と壮大な風景で訪れる人々を魅了する。
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② クァンチギ海岸
城山日出峰が目の前に見えるクァンチギ海岸。日出峰に直接登らなくてもここにきたら日出峰がよく見えるスポットだ。
平面に広がる独特な地形は、干潮時には、日出峰を背景に絶景を創り出すが、残念ながら訪れた時は満潮だった。
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5.鹿児島(5月13日)
①城山展望台と城山自然遊歩
鹿児島のシンボルの一つとされ、訪れる人々を魅了する桜島。
現在もなお活発な活動をつづけ、海の中にそびえる山容が特に異彩を放っている。
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鹿児島市の中心部に位置する標高百七メートルの小高い山の上にある城山展望台に立てば、桜島をはじめ、錦江湾や鹿児島市街地を一望できる。
展望台に続く城山自然遊歩道は、コース全長が約二㎞。
所用時間は約三十分ほどで自然散策や森林浴にはもってこいの場所だ。
遊歩道を散策すると樹齢約四百年にもなるクスを始めシイやカシなどの常緑広葉樹が照葉樹林の林相を保っていた。
これら樹木の他、シロヤマシダやシロヤマゼンマイなど約六百種余りの植物が確認されて自然の宝庫といわれている。
城山は西南戦争の最後の激戦地となったため、西郷洞窟や西郷終焉の地など、西南戦争にまつわる史跡が多く存在し、昭和六年に国の天然記念物及び史跡の指定を受けた。
美しい景色と歴史的な要素を楽しむ場所として、市民の憩いの場としても親しまれている。
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