「世界の街角」 4.ブラジル 4.1 リオデジャネイロ (Town No 6)
■世界遺産「リオデジャネイロ」
リオデジャネイロ。人口600万人、サンパウロに次ぐブラジル第2の都市だ
16世紀中頃、染料の原木であるパウ・ブラジルを求めて侵入してきたフランス人を、1567年1月20日にポルトガル人が撃退した。その日は奇しくも、カトリックにおけるセバスチアンの祭日であり、かつまた、ポルトガル王ドン・セバスチアンの誕生日でもあったことから、正式名称をサン・セバスチアン・ド・リオデジャネイロと名づけたという。
ポルトガル語では川をリオ(Rio)、1月をジャネイロ(Janeiro)という。つまりリオデジャネイロとは「1月の川」という意味だが、1502年1月、グアナバラ湾を発見したポルトガルの探検隊がこの湾を川と勘違いしたことに始まる。
その港は、シドニー、サンフランシスコとともに「世界三大美港」として知られている。
入港時にはコルコバードの丘の巨大なキリスト像がクルーズ船を迎えてくれる筈だった。しかし、港にさしかかったときはまだ夜明け前、そして太陽が昇りはじめた頃には、クルーズ船はすでに岸壁にへばりついていて、残念ながら美しい港の風景も、巨大なキリスト像もカメラに収めることはできなかった。
コルコバードの丘やコパカバーナビーチなど、都市周辺の美しい文化的景観は「リオデジャネイロ:山と海との間のカリオカの景観群」として、2012年に世界遺産に登録された。
■コルコバードの丘
「コルコバードの丘」は、標高710mの切り立った丘の頂上からリオデジャネイロの街を360度のパノラマで見下ろす人気のスポットだ。
「リオデジャネイロ」には「キリストの神様が見守る街」という意味があり、ブラジル国民の多くはキリスト教徒だという。
その教徒の信仰の象徴でもある「コルコバードのキリスト像」は、台座が8メートル、像の大きさだけで30メートル、全身はミナス・ジェライス産のろう石貼りで、重さ1145トンという巨体が、リオの街を見守るように見下ろしている。
晴れた日には丘の頂上から、リオ全体を箱庭のように見渡すことが出来るというが、この日は生憎の濃い霧のため、街はおろか間近のキリスト像さえも、霧のわずかな晴れ間にチョコッと顔を見せただけだった。
それでもキリスト像の前で記念写真を撮ろうと「わずかな晴れ間」を待つ人々で賑わっていた。
■コパカバーナ海岸
サーフィンのスポットとして知られるアルポアドールビーチを挟む形で、イパネマ海岸と隣接するコパカバーナは、ブラジルのリオデジャネイロ市南東部に位置する大西洋に面したリゾート地だ。
レーミからコパカバーナ要塞までの、全長約4キロメートルにわたる自然のままの白い砂浜のビーチは世界的に知られ、息をのむほど広大で、美しい景色は、訪れる人々を魅了する。
弓なりに続く海岸沿いにはモザイクが施された遊歩道が延び、ビーチに面したアトランティカ大通りにはホテルやブティック、レストランなどが建ち並ぶ。
きめ細かい雪のように白い砂浜を裸足で散歩し、ブラジルの太陽の暖かさを感じながら、雄大な山々、静かに広がる海、遠くに浮かぶ船の魅力的なシルエットを眺めてていると時が経つのを忘れてしまうほど、ゆったりした気分に浸ることができた。
宿泊したリオ・オットン・パレスの18階の部屋からは、街並みと海岸線が半々に見ることが出来、夜景と朝景ともまたとない光景をみせてくれた。
早朝、美しい朝焼けに惹かれてカメラを持ってホテルを出ようとしたらフロントに呼び止められた。何を言っているのかよく分からなかったが、身振り手振りで「この辺りは治安がよくないから、一人でカメラを持っていると引っ手繰られるよ。写真を撮るならホテルの前から撮りなさい。」といっているようだった。やむなく道路を隔てて撮ったのが下の写真だ。
■サンバショー
リオデジャネイロといえば、まず頭に浮かぶのが「リオのカーニバル(謝肉祭)」だ。
カーニバルで最も有名なダンスは、かつて奴隷たちが海を越えてアフリカからもたらした、サンバである。
サンバは、アフリカ系奴隷たちによって、ブラジルの街頭の音楽であるショーロなどを混ぜ合わせて生み出された。
カーニバルのダンスとして人気が高いだけでなく、主な都市の外縁部に広がる貧しい集落でたいへんな人気があるという。
そのサンバを舞台で見られると聞いて出かけた。
世界的に有名なリオのカーニバルに代表される情熱的なサンバショーを食事をしながら見物した。激しいリズムや豪華な衣装、本場の音楽とダンスを堪能したひと時だった。