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愚直な寅馬 ①

今でも私は動物的嗅覚と直感が強い
きっとこの頃から鍛えられた五感

父との記憶

町外れの自動車整備工事の2階アパート
玄関には 九官鳥がいた。

姉と通っていた山手の
インターナショナルスクールから1人、近所の日本の保育園に変わった。

言葉も壁はあったのかな?
記憶は薄い

父との思い出は夕方時より連れて
いかれたスナックカウンターで食べる
スプレーチョコのかかったバニラアイス

夜になると1人で留守番が怖かった
リビングでは九官鳥が話してた。

工場の向かいのおじちゃんとおばちゃんが優しくて良くお菓子や食事をくれた。

今でもカップ焼そばが好きじゃない
1人必死で何とか食べようと
お湯を捨てずに食べていた。

そもそもお湯捨てる事を知らなかった

 生き残る事だけ

父に叱られたことは無い

理不尽に怒られ手を挙げられる日々
こっちは生きる事を守るだけ

九官鳥とのお喋りが
楽しい記憶として残ってる
九官鳥のキューちゃん

カゴにいる事が可愛そうで
ベランダから逃がした私
飛び立つ姿にゲラゲラ笑った

そんな暮らしの限界に
私は自ら終止符を打つ行動をとる

自分で受話器を上げダイヤルを回す

4歳の私が
助けて 

あやふやな日本語と英語で
必死に電話をかけてきたんだよ!
と後から聞かされた。

電話を聞いた親類は
住んでる場所もこの辺りらしいの
情報をつてにタクシーで
網の目 血眼 虱潰しに
回ってくれたらしい。

今でも思う 有難い事だと
私も同じ事ができるか?
今でも問う

見つかった私は 病にかかった山猿
とりあえず病院に運ばれるがここで
日本での出生届けが出されていないことが判明する




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