夜の虹(日記:20/12/21ー22)
子供の頃、幼稚園や保育園で、あるいは友達に教えられて、やった事あるな〜って人は結構いると思う。
赤、青、黄、好きないくつかの色のクレヨンで画用紙を塗りつぶす。
さらにその上から黒のクレヨンで真っ黒に塗りつぶす。
この海苔みたいになった画用紙の上につまようじの先を滑らせてやる。
そうすると黒の層だけが削れ、カラフルな線が現れる。
まるで夜空に虹が架かっているような美しさがある。
昨夜、おれのiPhoneの画面がそうなった。
20/12/21
故障の原因はめちゃくちゃ単純だ。
落とした。
ちょっと前からボロボロになって取り付けが困難になっていたおれのiPhoneケース、試行錯誤の末にセロファンテープで本体と繋ぎとめるというケチでアホなライフハックを思い付き実践してしまった結果だと言える。
セロテープは剥がれる。馬鹿すぎる。
コンビニで酒を買った瞬間だった。
ガシャン!ペイペ〜イ♪じゃねえんだよ。
おれのiPhone8が、幼稚園の頃に描いたあの虹になっている。
このとき冷静に考える頭があればそんな事はしなかったのだが、おれの内なるバカジジイが
「再起動すれば大丈夫大丈夫w」
と囁いた。
すぐさま電源を落とし、入れ直す。
カラフルに千切りされたリンゴマーク。
…だ、だめだ。
あきらめてパスコードを入れようとしたその時、とある怪奇現象がおれを襲う。
押してもない数字が勝手にパスコードの穴を埋めやがる。
は?霊障?
と思ったらゴーストタッチっていう現象らしい。
やっぱ霊障じゃねえか。
とにかく間違ったパスコードが入れられまくる。
「iPhoneは使用できません」
見たことないメッセージでてきた。
もう嫌すぎる。
寝て起きたら直ってないかな。
やらかした時、誰もが思う事を考えながら床に就く。
20/12/22
目が覚めると同時に昨夜の悪夢を思い出す。
マジで夢だったらいいのに。
でもひょっとしたら、もしかしたら、一夜明けたら直っているかもしれない。
そういうことってマジでたまにあるもんな。
しかし、その願いも虚しく、我がiPhoneはバグったファミコン状態のままだった。
泣ける。
修理か買い替えか…とりあえずショップに行かなきゃなあ。
と、やだやだしていたが、iTunesだけは聴ける事に気がついた。
ショップまでの憂鬱な道のりを少しでも明るくしたいおれは、とりあえずランダムで音楽をかける。
ぴ〜よ〜ぴよろろ ぴ〜よ〜ぴよろろ
おいおい、音声まで壊れちまったのかよ。
と思ったらSlipknotのSurfacingの独特すぎるイントロだった。
こういうダークで攻撃的な音楽は今の心境にゃピッタリかもな…と思いながらショップに行き、先程iPhoneSE使いとして生まれ変わりました。
前のiPhone8は「iPhoneは使用できません」のまま、何故かライトニングケーブルも認識せず、初期化できずにいます。
助けてください。