見出し画像

「話し方が、ビジネスを成長させる」 Sales Marker小笠原氏が語る、スピーキング投資の真意

インテントセールスという新しい概念を生み出し、2年半で500社以上の導入実績を持つ株式会社Sales Marker。同社代表の小笠原羽恭さんにkaekaの話し方トレーニングをご受講いただきました。組織の急速な成長期においてどうしてスピーキングスキルの向上に注力したのか。受講の背景と、その成果について、カエカのスピーチトレーナー小倉が詳しくお話を伺いました。(以下、敬称略)


撮影場所:WeWork 神谷町トラストタワー 共用エリア

小笠原 羽恭
新卒で野村総合研究所に入社後、新規事業開発に従事。その後コンサルティングファームにて新規事業・営業戦略の立案・DXプロジェクトに携わる。2021年、CrossBorder株式会社(現:株式会社Sales Marker)創業。国内初のインテントセールスを実現するSaaS「Sales Marker」を開発・提供している。

2023年「Forbes 30 Under 30 Asia List」選出、2024年「The Wall Street Journal Next Era Leaders」受賞。一般社団法人生成AI活用普及協会(GUGA)協議員。

著書に『インテントセールス - 米国企業の6割が実践する興味関心[インテント]データを活用して売上を伸ばし続けるための最先端モデル』がある。

小倉:まずは簡単に、自己紹介をお願いできますか。

小笠原: 株式会社Sales Marker の代表の、小笠原と申します。Sales Marker では国内で初めてインテントセールスを実現するサービスを提供しています。

インテントセールスというのは、企業のWeb検索行動からわかるニーズ(インテント)に基づき、適切な訴求軸で、的確な部署・人物へのアプローチをタイムリーに実施する、顧客起点の営業手法です。

Sales Marker は、インテントセールス実践を支援するサービスで、導入によって商談化率や成約率を上げることができます。2年半で500社ほどの企業にご導入いただいており、大手の企業様からスタートアップまで幅広くご支援をさせていただいています。

10人から250人へ。組織の「言語」をどう育てるか

小倉: どんどん広まっていますね。小笠原さんが話し方トレーニングをご受講いただいた理由は何だったのでしょうか?

小笠原:私がベンチマークしている起業家にジェフ・ベゾスというAmazonの創業者がいます。彼が拡大していくスタートアップを作るのに重要なのは、「ライティング能力」と「スピーキング能力」の2つだと言っていました。

「ライティング能力」に関しては、誰がいつどう見ても同じ認識ができるドキュメントを作れるかどうか。これができないと、従業員が増えれば増えるほど認識相違が生まれて事業が鈍化すると言われています。

そして、それを説明する「スピーキング能力」です。できるだけ平易な言葉で、できるだけ誰が聞いても同じ理解ができるような伝え方がいかにできるかが、スタートアップにとって最も重要であるということを、彼は言っていました。

彼の書籍でこのこと知ってから、ライティング能力とスピーキング能力を日本でトップレベルとなるぐらい高めていくことを決心したんです。

加えて、当社の従業員数も、創業当社は10人くらいの規模だったところからここ2年で一気に250人ほどに増え、社内での言葉の伝わり方が変わってくるなと感じました。

必要な情報がより伝わりやすい状態に日頃からアップデートしていかなければ、組織をまとめ上げることができないというリスクを想定して、スピーキング能力を高めるために、話し方トレーニングの受講を決意しました。

小倉: 実際にこれまでスピーキング能力について、「うまく伝わっていないな」と感じたシチュエーションはありましたか?

小笠原: あります。弊社ではインテントセールスをはじめ、新たな概念を生み出しているのですが、その言葉の意味を社員にもなかなか理解してもらえていない時に、うまく伝わっていないと感じましたね。

私たちが新しく作り出した概念について共通理解を作れず、一緒に話ができる状態になっていませんでした。あとは、ビジョンや今後の戦略について話すときに、その場では納得しているように見えても、なかなか現場で実行されていないこともありました。

社内組織の階層が増えれば増えるほど、こういったことは増えていくなと感じています。CEO、COO、本部長、部長、マネージャー、リーダー、メンバーと、7階層ぐらいあると、かなり伝わり方も変わってきます。

小倉:社内でも同じ概念に対する統一感を作り、お互いに説明可能な状態がどれだけ作れるか、ということはかなり重要そうですね。

撮影場所:WeWork 神谷町トラストタワー 共用エリア

トレーニングを受けて

初めての話し方学習、「教材を見たとき、感動しました」

小倉:具体的に、ご自身のどういったところに課題があると考えていらっしゃいましたか?話し方なのか、あるいは内容の構築能力なのか。

小笠原:まず、内容の構築力に関しては、コンサルティングファームで鍛えられたので、それを課題として認識はしていなかったです。一方で、話し方というところに関しては、今までまったく意識したことがなく、特に課題を感じていました。

だからカエカで初めて、話し方に関する教材を見たとき、感動しました。特定のキーワードを伝えるときに、間を取ってゆっくり伝えることで、一文を強調するみたいな。こういった伝え方の工夫ができれば、伝えたいことがたくさんある中でも「一番何を伝えたかったのか」を印象に残しやすくなると思います。

小倉:実際にカエカの話し方トレーニングを受けてくださった中で、新しい発見があった部分や、面白いと思った単元などございますか?

小笠原:腹式呼吸です。もともと、遠くに声を飛ばすのが苦手でしたが、今では登壇する時、トレーニングで教えていただいた発声の練習を廊下でやりながら会場に向かうようにしています。

あとは、フィラー※の単元です。受講前も、フィラーを減らした方がいいという認識はあったのですが、実は語尾が伸びるのもフィラーだとか、細かいノウハウを知識として改めてインプットできたのは、対策をする上で非常に有効だと感じています。

※フィラーとは「えー」「あの」といった、無意識に発してしまう意味を持たない言葉を指す。

培ったスピーチの力で、1000人の登壇をも楽しむ

小倉:カエカでの話し方トレーニングを通して、率直なご感想はいかがですか?

小笠原:期待していた「以上」のコンテンツをご用意いただいていたなと思っています。先ほども話したようなカエカならではのトレーニングがあったこと、さらには、私自身が実際に話したい内容に関するフィードバックをいただけたことなどが理由です。体系的な知識だけ学んであとの実践は自分でやる、ではなく、トレーニングの中で実践までできるのが良かったです。具体的には、インテントセールスについて説明する実践と、その伝え方の練習をして、フィードバックいただくこともできました。

小倉:確かにそうですね。おっしゃっていただいたように、体系的に学び、実践するところまでサポートさせていただいているので、受講生のみなさんがスキルとして実際に使えるようになっているんだと思います。トレーニング受講後に、ご自身の話し方に変化を感じていることはありますか?

小笠原:登壇するときに、聴衆の表情を見ながら話し方を工夫できることが増えました。例えば、聴衆1000人のイベントに登壇すると、下を向いてる人や、難しい内容だなという顔をしている方などがいらっしゃいます。でも、そんな時に時折間を取って、話し方に抑揚をつけると、全員が必ず顔を上げるんです。

小倉:楽しんでいらっしゃいますね。確かに、聞き手はプレゼンターが当然話すものだと思って聞いてるからこそ、それを急に間を取って止められると驚いて顔を上げてもらえますよね。

小笠原:そうなんです。最近は壇上でも聞き手の反応を楽しみながら、話せています。

小倉:いいですね。最終的に「聞いてもらう」ことがゴールだと考えた時に、聞いていない状態にどんどん情報を追加するんじゃなくて、一回止まって間を取ることで、また改めて「聞いてもらう」という目的に戻っていくことができますよね。

撮影場所:WeWork 神谷町トラストタワー 共用エリア

培ったスキルを守り、進化し続けるために

小倉:小笠原さんは、以前kaekaの6ヶ月コースを終えて、さらにkaeka proを6ヶ月、今まさにご受講いただいている状況ですが、受講追加を決定されたのはどういった気持ちがあったのでしょうか?

小笠原:まず、基礎的な能力を維持したいと思ったことです。講座を継続した方が維持できると考えました。実際に、最初の6ヶ月の講座が終わってから数ヶ月後、腹式呼吸で声を出すことができなくなったんですよ。当時できてたのにまたできなくなったので、これはもう1回やった方がいいと思いました。

その他にも、間を取るとか、ゆっくり話すといった技術も、定期的に思い出すポイントがないと、だんだん知識が抜けていきます。私にとっては、日々登壇の連続ということもあり、生かす場がいくらでもあるので、継続が非常に有効だと思ったのが1つです。

2つ目に、今後もインテントセールスのような新たな概念を次々生み出していく予定で、伝える内容が多岐に渡ること、さらに、事業拡大に伴いステークホルダーも増える中で、伝え方は常に改善していく必要があると思ったことが理由です。

ただ、日々スケジュールに追われていると、それを自分自身でやっていくことってなかなかできないなと思いました。その機会が用意されているのが、カエカです。受講することでより伝わりやすくなって、より多くの人の心を動かせるはずなので、それを考えてこれはカエカで継続し併走してもらうべきだと思いました。

小倉:小笠原さんのように、リーダーがお話をなさるということが、業界や新しい概念を広めていくにあたって重要なことなんだなと、改めて私も勉強になりました。

リーダーシップを取るための話し方

市場にないものを生み出す時こそ、語らなければならない

小倉:改めて、リーダーにとってのスピーキングスキルというのはどういう価値があるとお考えですか?

小笠原:リーダーがどれほどの人の心を動かせるかが、社内外ともに仲間を集めていく上で非常に重要だと考えています。企業によってはリーダーがあまり目立ちたくないということもあると思います。何か一つ確立された事業モデルがあって、そこに対して仕組みを回す人をどんどん採用するという観点では、リーダーが発信しなくても仕組みでスケールしていくということももちろんあると思います。

ただ、スタートアップなど特に市場にないものを生み出していくフェーズでは、リーダーが常にビジョンや思想を解像度高く伝えていくことが重要です。リーダーの言葉に共感する仲間を集めることが、事業を加速させていく上で絶対に欠かせないからです。

kaekaでの6ヶ月成果発表会の時の様子

Sales Marker が描く、3段階のビジョン

小倉:ありがとうございます。その中で、ご自身にとってあるいは会社全体としての今後のビジョンをお聞きしたいです。

小笠原:ありがとうございます。3段階あります。

1段階目はインテントセールスで営業の課題を解決していくということです。「営業が辛い」と考えているセールスパーソンが約8割いるというレポートもあるぐらい、これは社会問題にもなっています。営業される側も営業する側からも感謝されるようなプロダクトを提供して、社会課題を解決していきたいと考えています。

次にセールスマーケティング、事業開発、プロダクト開発、ファイナンス、M&A、人材採用、これら6個の分野すべてをSales Marker のプロダクト群で一気通貫で解決できるプラットフォームを今作っています。「経営をするならこのプラットフォームがないと成り立たない」と言ってもらえるくらいに、ビジネスの根幹となるようなプラットフォームにしていきたいと考えています。

3つ目が、ヒューマンセントリックサービスという新しい領域のソフトウェアを生み出したいと思っています。例えばiPhoneの例ですと、スティーブ・ジョブズがiPhoneを出す以前、スマートフォンはもともとボタンがたくさんあって使いにくいものでした。そこで、ボタンを全部カットするなどデバイス中心の機能を削ぎ落とし、人がスムーズに操作しやすい「人間中心の設計にしよう」と考えて今のスマートフォンがあります。

このように、ソフトウェアも人間を主体として動いてくれるようなものを作りたいと考えています。

小倉:なるほど。ソフトウェアが何かを学習するために、人間が動くみたいな世界線ではなく、あくまで人間がやるべき行動をやり続けていくために、ソフトウェアがそれをサポートしていくという世界線を作っていくということですね。

小笠原:まさにそうです。

小倉:ありがとうございます。ご自身の中でこれほど明確に説明可能な状態まで、ビジョンが落としこまれていらっしゃるんだと、大変感銘を受けました。

撮影場所:WeWork 神谷町トラストタワー 共用エリア

終わりに。「世界一忙しい経営者」が最優先したこと

小倉:特にお忙しい経営者の皆さんで、カエカの受講を迷われている方も多いと思うのですが、ぜひそんな方々の背中を押す一言を頂戴できればと思います。いかがでしょうか。

小笠原:迷うポイントはやっぱり、忙しい中で「どれくらい優先度を上げられるか」ということだと思います。

世界のトップを取ったアマゾンのジェフ・ベゾスが「ライティング能力」と「スピーキング能力」が一番大事な能力だと言っています。おそらく世界で一番忙しい人がそこに辿り着いているということを考えると、優先度を上げた方が、ご自身の目標がより実現しやすくなるのではないかと思います。ジェフ・ベゾスに騙されたと思って一度チャレンジしてみていただければ、と。

そして、私がもしもカエカを受講していなかったら、聴衆が1000人になったり1万人になったりした時に、おそらく伝えたいことを的確に伝えられていなかったと思います。話し方トレーニングを受講していなかったら成し遂げられなかったことが、できるようになった。ぜひ、それを事例として参考にしていただけたらなと思います。

個人的には特に、実地のグループレッスンを推奨したいなと思います。周りにいろんな人がいると、「同じことで悩んでる人が他にもいるんだ」「自分のここが意外に強みなんだ」というのが見えたりして、すごく楽しかったです。時間を作ってでも、受講していただけるといいと思います。

小倉ありがとうございます。インタビューは以上です。ご協力いただきありがとうございました!

kaekaでは、興味を持っていただいた方を対象に個別相談会を実施しております。ご興味を持っていただけましたら、まずは無料の個別相談会をご予約ください。kaekaは「話す力」を磨き、確実に伝える力をトレーニングする話し方トレーニングサービスです。


いいなと思ったら応援しよう!