kaeka受講から3年。伝え方トレーニングがあったからプロジェクトリーダーとして100人以上の仲間を集め、賞も受賞できた。
2020年にkaeka(当時コース名称はgoodspeak)を受講した住吉 昂太さん。卒業してから3年、当時学んだことが今どのように生かされているのか、卒業生のいまを直撃しました。
伝え方トレーニングは最高の投資。伝える力という、一度学べば一生使えるポータブルスキルを伸ばすことができた。
ーー当時の受講を振り返って、今思うことはありますか?
住吉:一言で言うと、最高の投資だったと思っています。伝える力という、一度学べば一生使えるポータブルスキルを伸ばすことができる、とてもいい時間でした。
ビジネスでもプライベートでも人に伝えるって、24時間あらゆるコミュニケーションの中で出てくることですよね。だからこそ、いろんなシチュエーションでkaekaでの学びを活かす機会がありました。
受講した時は20代後半だったんですが、比較的早い段階で学べたことが本当にラッキーだったと思いますし、欲を言えばもっと早く受講したかったです。
受講当時の動画
全社横断プロジェクトのリーダーとして、100人以上の社員を巻き込んだ。たくさんの協力を得られたのは、伝える力で心を動かすことができたから。
ーーkaekaでの受講を活かすことができた、と感じる場面を教えてください
住吉:たくさんありますが、一番大きなものとしては会社で全社横断の風土改革プロジェクトの立ち上げのリーダーをしたときですね。kaekaで学び終えて半年後、2021年の4月くらいのことです。
このプロジェクトは、結果的に社員100人以上を巻き込んで実施する大きなプロジェクトになったのですが、人と協働する中でkaekaで学んだ伝える力はとっても役に立ちました。
千葉:100人以上!すごい規模ですね。どんなことをやったんですか?
住吉:まずプロジェクトの立ち上げの際に、趣旨を広く伝えるため、全社向けにYouTubeでライブ配信をしました。会社としても初の取り組みで、顔出しで配信したので、すごく緊張したし覚悟が要りました。
有志のプロジェクトだったのですが、この配信を見た社員100人以上が、プロジェクトに賛同してくれました。多くの人の協力を得ることができたのは、話がきちんと伝わって、聞いてくれた人の心を動かすことができたからではないかと思います。
ーーどんなことを意識してお話しされたか、今も覚えていらっしゃることはありますか?
住吉:プロジェクト発足時は、コロナ禍もあり、鉄道会社としては厳しい状況が続いていたんです。そういうタイミングだったからこそ、自分たちでなんとかしていこうというメッセージを強く発信しました。
「みんなの100日プロジェクト」という名前にして、「みんなの」とついている通り、社員みんなとともにボトムアップでやっていくことを強調しました。業務として取り組む、というより、いかに社員のみんなにやりたいと思って取り組んでもらうかが非常に重要だと考え、発信を心がけました。
YouTubeライブの後は、直接個別に時間をとって話をすることで、「なぜやりたいのか」「何を目指しているか」を丁寧に伝えることを続けました。その結果として、社員の16%以上にあたる100名以上の方々に参画してもらうことができたんだと思います。
ーー伝える際に、kaekaの受講での学びを活かせたシーンはありましたか?
住吉:伝えたいことをキーワード化する、はすごく意識していました。プロジェクトの中では、プロジェクト名もそうですが、その他にもプロジェクトへの関わり方を挙手・握手・拍手の3段階で提示しました。挙手はリーダーとなって施策を推進してくれる人、握手は一緒に施策を進めるメンバー、拍手はプロジェクトに共感してくれる応援者という段階を定めました。
これにより、想いに共感するすべての人にプロジェクトに関わってもらうことができました。
これ以外にも、キーワード化は日頃から意識して行っています。そのおかげか、後輩から「住吉さんは名言が多い」というフィードバックをもらえました。言語化は得意な方ではなかったんですが、トレーニングで学んだキーワード化する、を普段から実践しているからこそ、もらえたフィードバックだと思いましたね。
千葉:学びを普段から実践していただけているのは本当に嬉しいです。
ーープロジェクトの中ではどんなことをやってどんな結果が出たか教えてもらえますか?
住吉:具体的にやったことはかなり多岐にわたっていて、他部署の業務を繁忙期に手伝える仕組みを作ったり、男性育休の取得を推進したり、社員のプロフィールを書いた「しずてつ仲間図鑑」を作ったり、評価制度に心理的安全性の項目を反映したり。
一つ一つは小さな施策なんですが、ボトムアップでたくさんの施策に取り組んだことに意味があると思っています。
その結果、組織の風土がかなり前向きになったと感じています。施策に取り組む過程で、新しいことに挑戦する、提案する、そんな風土が徐々に出来上がってきました。それが目に見える形で現れたのは、従業員満足度が大幅にアップしたことです。それに伴い、退職者が大幅に減少したということには私もびっくりしました。(21年度→22年度における年間退職者数の減少)
もちろん全てがこのプロジェクトのおかげというわけではないんですが、大きな要因の一つとして、全社一丸となって取り組んだこのプロジェクトがあったと思いますね。
千葉:着実にやったことが結果に結びついていて、素晴らしいですね。
全社プロジェクトについて発信し、心理的安全性AWARD 2023で優勝。取り組み内容は十分、あとは正しく伝えるだけだったので自信を持って話せた。
住吉:実はこれで終わりではなくて、この「みんなの100日プロジェクト」を心理的安全性AWARDというコンテストに出したところ、優勝することができたんです。大会では私がプレゼンをしたんですが、その時にもトレーニングの成果が出たと思います。
千葉:おめでとうございます!本当に素晴らしい結果ですね!どうして出場しようと思ったんですか?
住吉:せっかくいい取り組みができているので、さらに大きな動きとするために、外にも発信したいなと思っていました。ぴったりのコンテストだと思い、出場することを決めました。
千葉:プレゼンした時の感想を教えていただけますか?
住吉:最終審査の時はPOLAの社長さんなど、錚々たるメンバーが聞いていらっしゃいました。状況的に緊張するかと思ったんですが、緊張しなかったんです。伝え方を学んでいたおかげで、こう話せばちゃんと伝わる、と自信と確信を持っていたからだと思います。
取り組みの内容自体に自信があったので、正しく伝えることができれば大丈夫。そして、正しく伝えるための方法はkaekaで学んでいたのと、準備もしっかりしていたので、緊張せず自信を持って話すことができました。
抑揚や間、スピードの強弱、ジェスチャーやキーワードの明確化などkaekaで習った話し方のポイントをたくさん意識しました。そのおかげか、審査員の方から「伝えたいポイントがしっかりと伝わってきた」と評価いただけたのは嬉しかったですね。
千葉:本当に学びすべてを覚えていただいていますね。私も当時からやってきたことは間違ってなかったんだ、と自信を持って言えます。
ーー仕事以外で、kaekaの学びを活かすことができていると感じる場面はありますか?
住吉:プライベートで話す時にも、kaekaの学びは活きています。特に結婚式のスピーチがうまく行ったのは確実にkaekaの学びがあったからです。
きちんと伝えたかったので、構成をしっかり考え、話す内容はすべて暗記しました。また、油断するとモゴモゴ話してしまうことがあるので、事前に発声練習をして、ちゃんと伝わるように話すことを意識しました。
スピーチの中では新婦側のゲストに当てたメッセージも多かったのですが、話したあと、新婦側のゲストから「本当に良かった」とたくさんの方に言っていただきました。
千葉:学んだことをしっかり覚えていただいて、なおかつそれを自分のものとして使えるようにして強みにしていらっしゃる姿が本当に素敵ですね。私自身も素敵な話をたくさん聞けて、すごく嬉しいです。
今後の挑戦でも、kaekaの学びは一生活きてくるだろう。伝える力を伸ばして、これから目指すのは、心理的安全性の高い静岡。
ーー住吉さんが今後、挑戦したいことを教えてください。
静岡の街としての心理的安全性を高めていきたいです。今回の取り組みは社内で行ったのですが、それを広げて、静岡エリアとしての心理的安全性を高めるような取り組みをやっていきたいですね。
「静岡で一番高いものは?」って聞かれた時に「富士山と心理的安全性です」と言ってもらえるようになりたいです。Uターンする人とか地方移住する人が、街を選ぶときに、「静岡は心理的安全性が高いからいいよね」と選ぶ基準の一つにもなるイメージ。
そのためには、他の会社と協働する、街の人と協力する、が不可欠です。ここでまた、どんな姿を目指しているのか、何をしたいのか、一緒に推進していくために大切なことを伝えるために、kaekaでの学びが活きてくると思います。
あとはもう少し広げると、静岡の人事課題を解決していきたいと思っています。今はどの会社も採用が大変になっているので、エリアの中で他社と人を奪い合うのではなく、どうやったら一緒に解決していけるかを考えて取り組みを行いたいです。
ーーどんな人に伝え方トレーニングが必要だと感じていますか?
住吉:チームで協働するすべてのビジネスマンに受けてもらいたいです。仕事の中では上司に提案する、部下に指導する、会社の方針を噛み砕いて伝える、など自分の役割の中で関係者を巻き込んで物事を進めていく必要があります。その際に役に立つのが伝える力、推進力です。だからこそ、チームで協働する機会のある人には、ぜひ受けてもらいたいです。
他にもこれまで話す機会は割とあって、自力でなんとかなってるって方にも受けてみてもらいたいですね。改めて伝え方を学ぶと、自分のノビシロを感じることができると思いますよ。
■住吉さんへの受講当時のインタビュー