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ことり 小川洋子

大好きな小川洋子さんの紡ぐ言葉たち。小鳥の小父さんの純粋さ。冬のポタージュと同じぐらい温かくてじんわり染み込んでくる。

以前読んだ際、実は眠くなって途中でやめてしまった。図書館で借りていたし、返却期限もあったので途中やめにしていたが、今回はすっと、水を飲むように読めた。以前の私と何が違うかと問われると説明できないが、何かが変わったんだと思う。読み終わった時、なんとも言えない爽やかさと、穏やかで波のような気持ちになれた。なんと言っても、あのメジロが外の世界へ羽ばたけて本当に良かった。

しかし全部前向きに捉えられるかというと、そうではない。その純粋すぎる"小鳥の小父さん"を前に私はきっと自分の醜さに俯いてしまう。なぜこんな道を私は歩んでいるのか…。焦る事しか覚えられていない未熟者である。急がば回れ、は中学生の頃にもう知っているはずなのに。

こんなに考えているからまた焦るのだろう。もっと気楽になれよ、とお気楽な方の私が言う。忙しない脳みそのせいで今日は頭痛が止まらない。

頭痛薬を飲んで、早く寝よう。そうすればまたお気楽さんと気掛かりくんが手を取って和解してくれるはず。

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