M. Horkheimer 『道具的理性批判』ドイツ初版への序言
人間にとって目標と見做されねばならない永遠の理念を聞き取り、吸収することは昔から理性〔Vernunft〕と呼ばれてきた。対して、その都度与えられる目標に手段〔Mittel〕を見つけることは、今日では理性の仕事というだけでなく、理性に本来的に備わる本質であると見做されている。一度達成したらそれ自体で手段にはならないような諸目標というのは、迷信として姿を現す。昔から神への服従が〔一方では〕神からの好意を得るための手段として、他方では支配や侵略、テロ行為についてのあらゆる方法の合理