書物巡礼
「妻に捧げた1778話」
この本を買ったのは2年くらい前。
すごく良くて、読了した直後には2回目の読了に向けて読み始めていたほど。
先日飛行機の窓から青空に広がる雲を見下ろしているときにこの本を思い出し、さっき3度目の読了。
恥ずかしいけど、3回目なのに1番泣いてしまいました。
長年連れ添った奥さまの末期癌の発覚から亡くなるまでの約5年、毎日1話のショートショートを奥さまのために書き続けた眉村さん。
本にはエッセイ部分と実際に奥さまのために書いたショートショートが交互に出てきます。 「書いて読んでもらっていたときは捧げるというより毎回妻のテストを受けている気分だった」「他人にどう思われようと気にしている余裕などなかった」
とあとがきに記していた眉村さん。
単なるお涙頂戴じゃなくて、小説家と小説家の妻との共同作業の結集がこの1冊なのだと思います。
奥さまが病室のベッドで言った
「わたし、してもらいたいことがある。」「お葬式の名前は、作家眉村卓夫人、村上悦子にして欲しい」ということばに、このご夫婦の絆を感じずにはいられない。
1777話は何度読んでも鼻の奥がつんとなります。
1778話は理想の愛そのものです。
愛する人と年を重ねるのは美しい。
と思える1冊。
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