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書物巡礼

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小説、漫画、エッセイ、絵本。 読んで感銘した本たちについて綴っています。 この文章を通して、アナタの新しい書物との出逢いやきもちの高鳴りに繋がったら嬉しいです。 #本 #読書
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2020年12月の記事一覧

書物巡礼 12.19

書物巡礼 12.19

『パリの砂漠、東京の蜃気楼』
金原ひとみ

「逃げられない日常がいつも目の前にあって、日常は怖がる私をまた被膜になって覆う。恐怖と日常のミルフィーユは何重にも重なり、生きれば生きるほど、何も見えなくなっていくように感じる。」
「まるでもう長いこと、自分は全くもって生きていないような気がしている。生きているのか死んでいるのかも分からないまま、助けてという言葉の行く宛もなく苦しいだけの毎日が拷

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