雨の日にどうでもいいことを考えながら歩く
傘をさして歩いていた。雨はぼつぼつと傘を叩き続けていた。僕はその音に一定のリズムがあるかどうか、ぼんやりと考えていた。ありそうにも思えたし、まったくの無秩序であるようにも思えた。もう少し耳をよくすませば分かりそうだったが、そこまでしようと思うほどには興味がなかった。だいたいのことは僕にとってそんなものだ。本当に分からなくてはいけないほど大切なものが見つからなかった。それは楽なことではあるけれど、一方では虚しいことだ。だが、虚しいという気持ちすら、どうでもいいことのように思え