芯を貫き通すカッコよさ

hideが今も多くの人を惹きつけているのは、単に見た目や曲のカッコよさだけではない。hideの魅力はその生き様にあると私は思っている。

どのバンドでも言えることだが、バンドがメジャーデビューして曲も売れ社会現象を巻き起こすようなモンスターになってくると、メンバーのスタイルも徐々に変わってくることが多い。

特に、ビジュアル系のように見た目にインパクトのあるバンドだと、年々メイクが薄くなり、立てた髪はおろし始め、明るい髪色は暗く、長さも短くなってくる。

Xもこのコースをたどった。

首や肩に爆弾を抱えてスタイルを変えざるを得なかったYOSHIKIは、美しすぎる人形のような見た目から筋肉質な美男子に変貌した。

PATAも立てた髪をおろし、メイクも薄くなっていったし、TOSHIに至っては、髪は短くなるし、最後の方はほぼスッピンだったように思う。(これにはあの洗脳事件が絡んでいるのだろうとは思うが。)

HEATHについては、あまりスタイルに変わりはなかったが、最初から派手なイメージはなく、むしろ黒で渋くキマっていた。

そんな中hideは、赤髪フルメイクで派手な衣装を貫き通した。他のメンバーが地味になっていく中、変わらぬhideのスタイルは、私の目に眩しく写った。

なぜなら、この頃の私は周りの人の顔色を伺い、できるだけ周りと一緒になれるよう日々努力していたからだ。当時の私にとって、自分の意志を貫くことは、親や友達に見放されるかもしれないという恐怖でしかなく、到底できることではなかった。

それだけに、自分を貫き通すhideの生き方は、私の心を鷲掴みにした。そして、私はhideの魅力にどっぷりとハマることになったのだ。

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