そこに確かにhideを感じた瞬間
すっかりhideファンとなった娘とともに、hideのドキュメンタリー映画「HURRY GO ROUND」を観に行ってきました。
hideを巡る旅をすることになった俳優の矢本さんについては、私は全然知らなかったのですが、hide初心者である矢本さんを起用したのは非常によかったのではないかと思います。
特に、矢本さんがhideファンになっていく様は、私がファンになった頃の気持ちを思い出させてくれました。
ここからはネタバレしますので、まだ見ていない方はここで止めておいてください。
これ以降は自己責任でお願いします。
私がhide初心者である矢本さんの起用がよかったと思ったのは、hideファンがあえて掘り下げようとはしない「自殺か、それとも、事故死か」を探るためにL.A.に飛び、その疑問を関係者に直接ぶつけた点だ。
私を含め、hideファンというのは、もはや当事者で、第三者的視点でこの点については見ることはできない。
だって、私たちにとって、そして、hideに関わってきた人すべてにとって、「hideは自殺するような人ではない、これは事故死だ」という認識であり、わざわざ掘り下げるようなものでもないから。
しかし、明確に「事故死だった」という証拠もない。
私たちは、このことについては、タブー視していたと思う。
だけど、矢本さんはここを掘り下げた。
そして、関係者にストレートに突っ込んだ。
この映画を見たファンの中には、傷をえぐるであろうその質問に、怒りを覚えた人もいるかもしれない。
私も、hideが最期に行ったバーのマスターや弟である松本裕士さんが「あの時こうしていれば、今も生きていたかもしれない」と後悔の念を口にした時には、「なんで傷口を開く質問するんだよ」って、「そこは聞かないで」って思った。
I.N.A.が言葉を詰まらせた瞬間とか、もう胸が苦しくて、苦しくて、いたたまれなかった。
しかし、矢本さんが掘り下げたおかげで「やっぱり事故死だったんだ」という確証が得られたのも、また事実で。
実は、hideもそれを望んでいたのかもしれない。
ラストの奇跡は、もしかしたら、hideからの何らかの意思表示だったのではないか。
ラストシーンで、hideの存在を生々しく感じたのは、きっと私だけではないはずだ。
そこには、間違いなくhideがいた。
この映画を見れて本当に良かった。
そして、このナビゲーターが矢本さんでよかった。
もう一回見るだけの心の準備はまだ整わないけど、きっともう一回見たら、また違う発見があるだろう。
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