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詩〜フロイトが契約したアパート
フロイトが契約したアパート
君を愛してるけど君に謝らないといけないことがある
君が愛してる人や君を愛してる人を愛せないから
思うように愛せないことを今日は謝りたくて
愛の人口密度が増えていっても
記憶の駅に記憶してる人たちが角を曲がってどこかに乗ってしまうから
忘却されていくのだろうかと思うと
悲しくてその人の連絡先を消せないことを君には隠しているんだ
それでも一緒にいたいのは君だけ
僕も君も適当に嘘をついてその場をやり抜けて
愛し合ってるって知ってる
だから二人の食卓の味噌が携帯についたら
お互いが味噌味の携帯を食べるように
滑稽なショーで諦めた感じの笑にする
このアパートはWi-Fiが通ってて
ベッドで眠る時むしろ
携帯じゃなくWi-Fiはこの部屋に充満してるから
やっぱり君も僕も謝るつもりは鼻からなくて
穏やかに歳をとってくのが夢なんだ
ごめん、君を愛してる人は僕たちには敵わないから忘れてる
そして夢で不安になる
ここはフロイトが契約したアパートだ