#建築がスキになったきっかけのゲーム(少年時代)
noteに投稿をされている建築ライターであるロンロ・ボナペティさんのとある記事に読み、私自身も何故建築に興味を持って今に至るのかについて書いてみようと思います。
下記のロンロ・ボナペティさんのコラムを生意気ではありますが、勝手にリンクを貼らせて頂きます。
正直いうと、私自身、大学2年生まで「何故建築学科に来たんだろう」という自問を繰り返していました。
大学1年生で建築学科に入学した当初、建築雑誌の話で盛り上がっている他の学生たちの話に驚愕したのをよく覚えています。
その当時、私は建築雑誌があることすら知らず、ましてや建築学科がどういう場所なのかもわからず、「どうやって建築を好きになったら良いのか」すら想像もつかなかったのです。
「建築なんてつまらない」
「図面の模写だって上手く描けない」
毎回課題で選ばれる学生は凄いと思っていましたが、競争心はありませんでした。
「何故、高校3年生の時、建築学科に入学したいと思ったのか」
そんな感情が大きくなり、他の学科に転入させ考えたこともあります。
それが、大学2年生の時にあった住宅の設計課題で優秀作品に選ばれ、評価を受けたことがきっかけで、「建築って楽しいな」と思うようになりました。
単純ですが、高校3年生の時に「建築って楽しそうだな」と漠然と想像していた建築学科のイメージが、体感できた瞬間でした。
競争を得て勝ち取った楽しさが、「建築は楽しい」から「設計課題で評価されたい」へと変化し、気づけば「建築設計を仕事にしたい」と、建築に対する思いがどんどん大きくなっていきました。
競争に勝ち「建築は楽しい」と思えるように
運の良さもあり、大学内の設計課題で評価を貰い、建築コンペでも何作品か賞を頂くようになり、今では一級建築士として組織設計事務所の意匠設計をお仕事にさせて頂いているわけですが、
入社当時、会社の上司に「なんで建築を始めたの?」と言う改めた問いに対して、漠然と「建築が楽しそうと思った」理由以上の答えを私は持ち合わせておりませんでした。
そして今回、ロンロ・ボナペティさんの「#僕らはこうして建築を好きになった」とうコラムを読ませて頂き、私自身が「建築を好きになった理由」について深く考えるようにしたのです。
少年時代にハマったゲーム
小さい頃からサッカーをしていた私の家系は、両親とも体操をやっており、母親は埼玉県チャンピオン、父親は体育大学出身であり、正に体育会家系でした。
もちろん小さい頃から建築が身近にあったなんてことはありません。
小学校のグラウンドが実家の目の前にあった私は、少年時代の多くを外で遊ぶことに費やしていました。
ですが、外出があまり好きではなかった姉の影響もあり、「スーパーファミコン」が我が家に登場しました。
基本的には外で遊んでいた私ですが、雨の日なんかは近所に住む幼馴染たちとゲーム機で遊ぶことも増えていきました。
ゲームの楽しさに気づいた当時小学生だった私は、友達との遊ぶ予定がない時、一人で遊ぶことが可能なとあるゲームソフトにハマったのでした。
「ぐっすんおよよ」
今建築を始めたきっかけを問われたら、迷わずこのゲームソフトを挙げることに決めています。
このゲームの内容ですが、簡単に説明すればテトリスに近いゲームです。テトリスのような枠のついた画面内に上からブロックが降って来て、その落下途中にブロックを移動させたり回転させたりして、落ちて来たブロックを並び替えるというものでした。
唯一違うのはそのクリア方法です。
テトリス同様の画面内の一番下に「およよ」という主人公がおり、「およよ」は文字通り、左右に「およおよ」します。
1段の段差であれば、「およよ」は登ることができますが、2段だと登れないと判断し「およよ」は引き返します。
時間が経過すると、床下から水が上がって来て、「およよ」は溺れてしまいます。
溺れた「およよ」はまたまた文字通り「ぐっすん」してしまうので、水に全身が浸かる前に、落ちて来たブロックで階段や床を作り、なんとか「およよ」を上部へと誘導しなければなりません。
そして、画面の上部にランダムで出現した扉に、水が来る前に「およよ」を導くことでステージクリアとなるゲームでした。
書いててもわかったように、あまりにも単純なゲームでしたが、小さい頃の私はこのゲームにハマっていました。
いかに効率よく「およよ」を階段に登らせ、降りないように床を作り、ピンチの時は壁を作って「およよ」を誘導して、扉から避難させる。そんなパズルゲームに建築的な要素を含んだ「ぐっすんおよよ」というゲームを一人の時ひたすらやっていたのを覚えています。
高校3年生の時「建築学科」を選択した時にこのゲームのことを覚えていたかは定かではないですが、深層心理の中に「およよ」が「ぐっすん」しないように建築を作っていたあの頃があったことを信じたいと思います。