67. Ubuntu で マルチチャネルマイクロフォンデバイスを試す
はじめに
前回までは、Windows PC での音収集をやってきました。今回は、Linux 系の Ubuntu PC に、4 つの Digital Microphon が装備されている、Seeed ReSpeaker Mic Array v2.0 を USB 接続して音収集を行う方法を試します。
Linux Platform での Audio データ処理
試していく前に、先ず、Windows PC の Windows Media Foundation にあたるような、デファクトの Audio データ処理系について書いておきます。
GStreamer
私が知らないだけかもしれないですが、調べたところ、Linux 定番(というか ディストリビュータ主導で提供されているという意味)の Audio データ処理機構は、無いようです。Media Foundation の様なパイプライン機構的なものは、
GStreamer - GStreamer: open source multimedia framework
のようです。調べてみると、Windows の Media Foundation や Multimedia API がサポートしていないコーデックの実装もあるようで、GStreamer は Windows でも動き、足りないコーデックを補完する場合もあるようです。
GStreamer、結構内容が豊富で、試しだすとまたしばらくかかりそうなので、そろそろのこの定期購読マガジンでの音に関するトピックスを一段落させようと思っているところもあるので、詳細は別の機会に譲ることにします。
arecord
Linux PC でマイクロフォンから音を録音するコマンドの定番が
arecord - arecord - リファレンスマニュアル、オプション、コマンド例 (linuxos.info)
のようです。このコマンドは、今回の記事で試してみることとします。
以上、二つを簡単に紹介しましたが、IoT シナリオでは、この二つのどちらかを使って、マイクロフォンデバイスから音を収集してファイル化して、Azure IoT Hub と連携しつつ、Azure Blob Storage にファイルをアップロードすれば事足りそうです。
今回のお試し環境
閑話休題。今回試す環境を紹介しておきます。
使用するのは Ubuntu 20.04 - x64 の PC です。この定期購読マガジンの第22回の記事で解説した方法でセットアップした、Lenovo M70q を使います。
この Ubuntu PC に、Seeed ReSpeaker Mic Array V2.0 を USB に接続します。
とりあえず、USB ケーブルで接続し、デフォルトで Ubuntu PC 側で、どう認識されるのを、先ず確かめてみます。USB での接続後、Ubuntu のデスクトップで設定を開き、Sound の Input Device を確認すると、
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