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シーソーシークワーサー 【43 夜、春の匂い 】
新宿御苑の東屋をカフェと呼んだ絢の、「帰りたいの?」には参った。すでにそこまで読みとっているのなら、一緒に帰るという選択肢もあることを、知っているはずだ。
凡人の正確な答えを告げるならば、望郷の念のようなものはないが、この先、どこにいてもいいというなら、帰ってもいいし、ずっと日当たりの悪いこの狭い世界にいてもいい。それは、絢が同じくそこにいるなら、という前提で成り立つ。
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